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発声の基礎・上達のヒントのボイトレ解説

発声の基礎、練習の進め方、音程やピッチの安定など、ボイストレーニングで上達するための考え方と練習法をまとめています。

154件の投稿 トピック一覧へ

金子 恭平 東京スタジオ・

鼻呼吸と口呼吸の使い分け

「歌のときは口から息を吸ってはいけませんか?」
ときおり生徒さんからこんな質問をいただきます。

ボイストレーニングのメソッドによっては、ブレスはかならず鼻から吸うよう指導されることもあるようです。

たしかに、鼻呼吸には以下のような大きなメリットがあります。

1.声帯や声道を健康に保つ
鼻から息を吸うと、空気が温められ、適度な湿度が加わります。
冷たく乾燥した空気が直接デリケートな声帯や咽頭に触れるのを防ぎ、ダメージから守ってくれます。

2.歌の「支え」を作りやすい
鼻呼吸時は自然と横隔膜が下がります。
声門下圧(声帯の下にかかる息の圧力)を一定に保つための「支え(アッポッジョ)」が作りやすくなります。

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▼ 実践的な使い分けが上達の鍵

では、歌うときは常に鼻呼吸をするべきなのでしょうか?
わたし個人としては、鼻呼吸と口呼吸を局面によって使い分けることをお勧めしています。

口呼吸のほうが、短時間で多くの息を取り込めます。
曲によってはフレーズ間の休符が短く、鼻からでは充分な息を吸えないこともあるはずです。そんなときは無理せず口を使いましょう。

基本的には「時間的な余裕があるときは鼻呼吸、それ以外は口呼吸」で問題ないと思います。
過剰な力みのない呼吸と発声ができていれば自然とそうなるはずです。

※近年では、日常生活やアクティビティにおいて、鼻呼吸を維持することのメリットが広く知られていますね。わたしも、歌うとき以外はなるべく鼻呼吸でいるよう意識しています。

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▼【余談】ディエゴ・フローレスの例に見る呼吸の多様性

ファン・ディエゴ・フローレスという高名なテノール歌手がいます。
彼は歌う曲によって、胸式寄りの呼吸から厳格な横隔膜呼吸まで、その深さを使い分けているそうです。

超一流歌手によるこの証言は、歌唱における「たったひとつの正しい呼吸」が存在しないことを示しているように思います。
楽曲や表現に応じて、最適な呼吸法を選ぶことが大切なのではないでしょうか。

鼻呼吸、口呼吸、横隔膜呼吸、胸式呼吸――何かが間違いなわけではありません。
いろいろと試すなかで、あなたの歌に最適なものを見つけていきましょう!

田栗ななえ 東京スタジオ・

ボイトレで出来上がった声を歌唱へうまく応用するには?!

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エクササイズが上手にできるようになっても、いざ実際の歌に応用しようとすると「叫んでしまう」、「難しい!」と感じることはありませんか?なぜ難しくなるのか。その理由は、、、

◼️エクササイズと歌唱の違い
エクササイズでは…
• 母音や子音、スケールのパターンが決まっていて、
• 一定のリズムで行うため、
• 比較的“安定した条件”の中でバランスを取りやすいです。

一方、歌唱では…
• 歌詞によって母音・子音の組み合わせが複雑に変化します。
• メロディラインも動きが多く、
• リズムやテンポも複雑になるため、バランスを保つのが難しくなります。

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◼️今回の動画での桜田先生のアドバイスする「 エクササイズを歌唱に応用する3ステップ」をみてみましょう。

① エクササイズで歌いやすくなった言葉で、メロディで歌ってみる
例:「Mum Mum Mum」「Nay Nay Nay」など、エクササイズで上手くいった言葉でメロディを歌ってみる。
→ 音程やリズムに集中しやすくなり、バランスが取りやすいです。

② 歌詞を母音だけで歌ってみる
歌詞の中の子音(特にS, H,B,Gなど)のアタック音楽声を邪魔していることがあります。
→ 母音だけでしっかり歌えるかを確認することで、響きの土台を安定させられます。

③ 子音をそっとつける
母音が崩れないように、子音は“そっと”加えます。
→ 母音を中心に置き、子音が響きを壊さないように注意するのがポイントです。
※ 実は、人の耳は「母音の美しさ」を通して声の音色を感じ取っているそうです☺︎ 高い音になる程気をつけポイントです。

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◼️『ホームベースエクササイズ』
その時その人にとって一番バランスよく声が出せるエクササイズを、「ホームベース・エクササイズ」と呼びます。
例えば、「マンマンマン」や「ネイネイネイ 」、「ノウノウノウ」など、声の響き・息・喉のバランスが一番取りやすいものです。
歌っていてバランスが崩れたときは、このホームベース・エクササイズに一度戻ることで、再び声を整えることができます。

歌唱で困ったときは、「ホームベースエクササイズ」に戻って、声の土台を確認してみてください。
少しずつ応用の幅を広げていきましょう☺︎

小野貴之 東京スタジオ・

よい音とはなんですか?

よい音とはなんですか?

皆さんはこの質問にどのように答えますか。

 

チャットGPTに聞いてみるのも、思わぬヒントをもらえるかもしれません。

ここでは、僕の大切にしている好きな言葉を紹介します。

 

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「明るく静かに澄んで懐かしい文体、少しは甘えているようでありながら、きびしく深いものを湛えている文体、夢のように美しいが現実のようにたしかな文体」

 

この言葉は、原民喜の「沙漠の花」という随筆の中の文章で、『羊と鋼の森』というピアノの調律師の物語の中で著者・宮下奈都によって引用されています。この本(または映画)がとても素晴らしいのですが。

 

ベテランの調律師の板取が、どんな音が理想なのかと主人公に聞かれた際、これが理想の音だと述べるのです。

 

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ボイストレーニングを経験している人であれば、自分にとって苦手な音域を綺麗に歌うために、がむしゃらに気力体力の続く限り練習をするよりも、好きな歌手の歌声やインストラクターのデモで「よい声のイメージを掴んで」から練習する方がうまくいくと感じるのではないでしょうか。

 

ボイストレーニングにおいて、思い描く声のイメージというものがとても大切になることは言うまでもありません。(自分の"もっといい声"を想像できる人は上手になります)

 

好きな歌手の歌声も、インストラクターのデモも真似するのが難しい...と感じる場合、本や景色の中にも、ヒントはあるかもしれませんね。

田栗ななえ 東京スタジオ・

声の換声点(ブリッジ)をどう歌っていくか

地声と裏声の間の声域をどうコントロールするかは、多くの方が日々取り組んでいる課題ではないでしょうか。この地声と裏声の境目部分を「声の換声点」または「ブリッジ(橋)」と呼びます。
今回の課題曲は、まさに女性の第1ブリッジのど真ん中にサビフレーズがある曲です☺︎
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課題曲:『たばこ』/コレサワ
目的:サビで切なさを表現する
Beforeのサビの特徴
• 上昇するメロディで少し音量が上がり、元気な印象
• 音程がややフラット気味(♭)になる
→このブリッジ部分の調整が、発声と声のニュアンスの両方で今回のキーポイント◎
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◼️加藤先生のアドバイス:
① 喉を少し上げてニュアンスをつくる
→「Nay(ネイ)」を使って、薄っぺらい声にしてく
★効果★
• 薄くすることで、声帯がうまくストレッチされてブリッジング(行き来)がスムーズに
• ブリッジがなめらかになると、音程の精度がアップ
• 音程が安定すると、声量も一定になりやすい
• 音量がそろうことで、より切なさを感じさせるニュアンスが出てくる
⸻
発声練習のポイント:「声の一貫性」を育てる
「声の一貫性」とは、どの音を出しても「地声に寄りすぎず、裏声に偏りすぎない」筋肉バランスを保つこと。
◇以下のような変化があれば、一貫性が保てていないサインです:
• 音量が途中で急に変わる
• 「ネイ」が「ナイ」に聞こえてしまう など母音が変わる
今回のように歌のフレーズに発声練習のエクササイズを応用しながら、自分のバランスを確認してみてください☺︎

三浦優子 東京スタジオ・

声が出やすくなる筋トレのコツ

普段から筋トレやストレッチをしている方で、
「もっと効率よく声を出したい」
「より楽に良い声で歌えるようになりたい」
と思っている方は、体の使い方にちょっとした工夫を取り入れてみてください!

ポイントは、筋肉の“伸縮性”を大切にすることです。

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◆ たとえば「アームカール」の場合

力こぶ(上腕二頭筋)を鍛えるアームカールでは、
「力こぶにグッと力を入れて、拳を体に引き寄せる」のが一般的なやり方ですよね。

でも、声が出やすい体をつくりたい場合は、
「力を入れて引き寄せる」のではなく、
“肘を伸ばす”という意識に変えてみるのがおすすめです。

※最初は負荷を軽めにしてチャレンジしてみてくださいね!

これは意識の違いではありますが、
このちょっとした変化が、
・「力みやすい筋肉」になるか
・「伸び縮みできる筋肉」になるか
の分かれ道になります。

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◆ 動画では「ランジ」を行っています

動画内では「ランジ(足を前後に開いて腰を落とす動き)」をしていますが、
ただゆっくり腰を落とすのではなく、“弾むような動き”を加えています。

これも筋肉の伸縮性を高めるためのポイントです。

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◆ 伸縮性のある筋肉が声にも影響!

筋肉の伸縮性が高くなることで、日常で使える筋肉になります。
血液は筋肉の伸び縮みによってポンプのように循環しているため、血流が良くなり全身の筋肉が活性化されやすくなります。
それによって、胸郭の動きもスムーズになり、呼吸もしやすくなります。
呼吸がしやすくなることで、声を出すための土台が整い、声も出しやすくなるというわけです。

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普段の筋トレに、ちょっとした意識の変化を取り入れて、
「声が出やすい体づくり」をしてみてください!

金子 恭平 東京スタジオ・

ボイトレ時の体勢

ボイストレーニングはどんな体勢で行うべきでしょうか?
身体的に問題がなければ、基本的には立った状態が望ましいでしょう。

立位では横隔膜が下がるので、以下のようなメリットが得られます。
■呼吸が深くなる。
■声帯の上下の圧力の均衡が保ちやすくなる。

―――
ピアノ弾き語りでライブをする人などは、最終的には座った状態でも歌える必要があります。
しかし発声バランスを見つける段階では、立った状態で練習するほうが練習効率はよいでしょう。

―――
とはいえ、すべての人が立ってボイストレーニングを受けるべきとも言えません。

ぼくもそうなのですが、とくに緊張が起こりやすい場面(初回レッスンなど)では、ふわふわと浮ついた状態になりがちです。
そういうときは知らず肩に力が入り、横隔膜やのど仏がつり上がってしまいます。当然、発声にも力みが生じます。
足裏の感覚などもおぼろで、まさに「地に足が着いていない」状態です。
Hyper Arousal State(過覚醒状態)などと呼びます。

こうした傾向が強い方は、椅子に座ってレッスンしたほうが、落ち着いて技術習得に取り組める可能性があります。

また、レッスンの最中に気分の浮き沈みなどを経験することもあるので、ご自身の状態に合わせて立ったり座ったりするのもよいでしょう。

―――
心身ともに、快適にボイストレーニングを行えるのがいちばんです。
トレーナーと相談しながら、ご自身に合った体勢を見つけてください!

小野貴之 東京スタジオ・

セルフ解説

ブルーアンバー/back numberのレッスン動画をインストラクター本人が解説してみたいと思います。

まず動画冒頭のスタッフくんのブルーアンバーのサビを聴くと、
『悲しいのは一人で十分だからと』の「だ」のところで息を吐きすぎてしまっているのがわかります。

ただ、そこまではイ母音やエ母音が綺麗に歌えているので、ア母音が苦手なんだな、という目星をつけました。

 

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💡NAY(ネイ)を使ったエクササイズをしてみます。
舌が引っ込んでしまい喉を下げすぎると、結果的に声門閉鎖が不足して息漏れに繋がるので、High Larynx(ハイラリンクス=喉を上げて)の指示で行っています。F#4から下降する音階でスタートして、高音A4で絶妙にいい声になっています。ウエイトを乗せすぎたり、息を吐きすぎたりしてしまう傾向を彼は持っていますが、高音域を綺麗に鳴らす方法を見つけられています。

 

💡transposition(キー変更)
▶一時的にキーを+2にしています
[キーを上げることで声にウエイトを乗せすぎるのを防いでいます]

💡melody modification(メロディ変更)
▶一時的に高い音から始めるメロディラインに変更しています
[上昇するメロディラインは声が重くなりやすいのでやめてみる]

💡vowel modification(母音の変更)
▶イ母音をエに変更(悲しい→悲しぇい)
[高音域のイ母音はこれで音がだいぶ綺麗に鳴ります]

 

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💡『悲しいのは一人で十分だからと』の最初の「かな」がア母音から始まっていることもあり、NAYに置き換えてみたのも、一旦難易度の高いア母音から離れて、うまくいっている母音で良い音色を掴んでみようという発想です。

 

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📝インストラクターは生徒の声の振る舞いだけでなく、音楽的素養や創造性などを「観察」しながらレッスンをしています。

📝スタッフくんの実践する力がとても素晴らしいのは間違いありませんが、このようなアプローチは結果的に「高音が続く曲の練習法」として有効です。みなさんもぜひお試しください!

金子 恭平 東京スタジオ・

高音発声時の力みの種類と、その対処法

ボイストレーニングを始めた際に、「力みが強いね」と指摘されることはよくあります。

過緊張発声とひと口で言っても、じつは二種類あることはご存じでしたか?

それぞれの症状に、真逆の対処法が必要になることも多いです。
ご自身の傾向と対策をしっかり把握しておくと、より建設的な自主練習ができるでしょう。

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<過緊張発声タイプ1>
 声門閉鎖が強すぎて、地声を張り上げてしまうパターン。
 
対策:
 やわらかいヘッドボイスからの下降スケールなどを使って、全体的にテンションを取り除いていきます。
 筋肉の稼働バランスとしては、輪状甲状披裂筋が、甲状披裂筋と外側輪状披裂筋を上回る状態を一時的につくってあげます。
 
―――
<過緊張発声タイプ2>
 声門閉鎖が足りないのを、声道を過度に狭くすることで補おうとするパターン。

対策:
 短い三音階や五音階を歌うなどして、しっかりした地声発声を獲得します。
 甲状披裂筋の活性化が狙いです。外側輪状披裂筋だけに頼った声門閉鎖にならないよう注意します。
 入れるべき場所に力を入れることで、余分なテンションは抜けていきます。

―――
注釈:
 輪状甲状披裂筋=CT(声帯を薄く引き伸ばし、靭帯の硬さをつくる筋肉)
 甲状披裂筋=TA(声帯そのものに含まれる筋肉。収縮し厚みをつくる)
 外側輪状披裂筋=LCA(声帯をうしろ側から閉じ合わせる筋肉)

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