桜田ヒロキ2026年4月16日 1:43 pm
「歌は呼吸が大事」
でも、呼吸より喉頭コントロールの方がずっと難しいです。
むしろ歌でより高度な技術が必要なのは、
呼吸そのものよりも喉頭コントロール
だと僕は考えています。
呼吸は、もともと日常の中で自動化されている動作です。
一方で歌は、
声帯をどう閉じるか
どう伸ばすか
どのくらいの強さで接触させるか
母音をどう保つか
口腔をどう作るか
こうしたことを、かなり細かく、速く、多要素で調整し続ける必要があります。
つまり、歌で本当に難しいのは
「息を吸うこと」ではなく、
その息をどうコントロールして声に変えるか
です。
喉頭や口腔のコントロールは、
呼吸よりも細かく、速く、複雑です。
だから歌がうまくいかない時に、
何でもかんでも「呼吸の問題」にしてしまうと、
本当の課題を見失うことがあります。
実際には、
声帯の閉じ方
母音の作り方
声区のまたぎ方
こういった部分に原因があることもとても多いです。
もちろん、呼吸は大事です。
でも、
呼吸をマスターすれば歌が上手くなる
という言い方は、少し短絡的かもしれません。
歌は呼吸の芸術というより、
呼吸を材料にして、喉頭や口腔を高度にコントロールする芸術
と考えた方が、現場ではしっくりきます。
だから僕は、
「歌は呼吸が大事」よりも、
歌は呼吸より喉頭コントロールの方が難しい
と考えています。
加藤真太郎2026年4月6日 10:21 pm
【声区転換という考え方】
Aメロ、Bメロと歌ってきていよいよサビ…
「高音が来る、頑張るぞ!」と気合を入れて歌ってみたものの、喉は苦しいし音程は届かない…
こんな経験ある方多いのではないでしょうか。
高い音程を歌うために必要なのは気合ではなく、"声区転換"という考え方かもしれません。
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・声区転換とは?
音域によって声のバランスを変化させていく歌唱技術、概念のことです。
この声区転換という考え方では、
・地声で歌う音域
・頭声で歌う音域
・またその中間的なバランスで歌う音域
と、「音域によってこの声で歌うんだよ」という"声区"というものを大まかに定めています。
この声区転換の技術がない方が低音〜高音まで上がっていこうとすると、大体の方がある程度の高さからピッチ(音程)が不安定になり始め、喉が苦しくなったり、急に地声から裏声に変化してしまったりと、何かしらのエラーが発生します。
これは声区を無視して歌おうすることが原因で起こるともいえます。
これが上手な人だと、地声〜頭声までが一つの声のように繋がって聴こえてきます。
最近のアーティストだと、YOASOBIの幾田りらさんがイメージしやすいでしょうか。
なるべくエラーを聴いてる人に感じさせないように、各声区をスムーズに繋いでいきましょうねという考え方が、"声区転換"なのです。
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ボイストレーニングはほとんど、この技術を高めるために行うといえるでしょう。
高い声を楽に出せるようになりたい方は、一緒にこの声区転換を磨いていきましょう!
桜田ヒロキ2026年4月5日 11:52 pm
【ミックスボイスって、結局なんのことを言ってるんですか?】
ここ、実はボイストレーナーや歌手によって定義が違いすぎます。
ある人は
地声から裏声までスムーズに移動することを
ミックスボイスと言います。
つまり
声区をまたぐ時の“つなぎ方”の話です。
この考え方だと
ミックスボイスは
混ざった声そのものではなく、
“混ざって聞こえるように移動する技術”
ということになります。
一方で
地声と裏声の中間に
“混ざった一つの声”が存在する
と考える人もいます。
この場合は
ミックスボイスを
一つの“声”として扱っています。
つまり
・スムーズな移動を指しているのか
・声そのものを指しているのか
ここがまず違います。
前者は
地声と裏声をスムーズに行き来する、
つなぎ目を目立たなくする動詞的な考え方です。
後者は
地声と裏声が混ざったミックスボイスという声そのものが存在する、
という名詞的な考え方です。
だから
先生に習う時も
ボイストレーナーが教える時も
自分はいま、何をミックスボイスと呼んでいるのか
を整理しておく必要があります。
ちなみに科学の世界では
地声は M1
裏声は M2
という整理は広く使われますが、
その中間に独立した“ミックスボイス”があるかどうかは
今のところ科学者の中で明確な合意があるわけではありません。
長谷川拓輝2026年4月3日 3:52 pm
【高音の叫び癖改善】
加藤先生による
「サウダージ」のサビの歌唱指導の解説です。
Berore
高音を出すときに口が開きすぎていて、叫ぶ歌い方になっています。
声の音量やピッチも安定していません。
⚪︎改善のためのステップ
1.メロディを「Mum」という言葉で歌い、口を大きく開きすぎないようにして、
叫ぶ状態を防ぎます。
2.「Mum」で歌った体感をキープして、実際の歌詞で歌います。
3.口を「開きすぎ」「閉じすぎ」の中間的なバランスでを意識して歌います。
After
高音が力みなくスムーズにサビのメロディを歌えるようになっています。
ポイント
歌いづらい箇所は、あえて口の動きを制御する練習を取り入れることが喉の負担を減らし、高音をスムーズに歌う近道になります。
金子 恭平2026年4月2日 9:00 am
【息漏れは呼吸の問題か?】
レッスン中に息漏れを指摘されたことはありますか?
「声が息っぽい」と言われると、みなさん息を吐きすぎないようにと意識しがちです。
しかし、息漏れはどちらかというと声門閉鎖の不足、つまりフタがきちんと閉じていないことが原因であるケースが多いのです。
声帯を閉じる作業は、「肥厚」と「内転」という運動によって行われます。
それぞれにアプローチするエクササイズをご紹介しますね。
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▼声帯を太らせる「肥厚」を鍛えるエクササイズ
快適な地声音域で、「Buh Buh Buh Buh Buh(バッバッバッバッバ)」とスタッカートで歌います。
息っぽい声でも細い声でもなく、山崎育三郎さんのようなふくよかで美しい地声を意識してください。
唇を強く閉じて、B子音をしっかり発音しましょう。
これを繰り返すと、肥厚を作る『甲状披裂筋(TA)』が鍛えられます。
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▼声帯を後ろから閉じる「内転」を鍛えるエクササイズ
快適な地声音域で、「Keh Keh Keh Keh Keh(ケッケッケッケッケ)」とスタッカートで歌います。
スポンジボブのような薄っぺらい声を意識してください。
変な声であればあるほど良いです。息っぽくならないよう注意しましょうね。
この繰り返しで、内転を作る『外側輪状披裂筋(LCA)』が鍛えられます。
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息漏れ改善が課題の方は、上記のエクササイズを普段の歌練習や発声練習に加えてみてください!
桜田ヒロキ2026年3月28日 11:34 am
【歌の練習、どれくらいやればいいの?】
音声医学やASHA(米国言語聴覚士協会)などのガイドラインでは、「明確な時間制限」よりも負荷管理が重視されていますが、
臨床的にはおおよそ以下が目安とされています👇
・連続練習:30〜50分
・休憩:5〜10分
・1日の合計:1〜3時間(レベルによる)
ポイントは「長時間やること」ではなく“連続でやりすぎないこと”
声帯は筋肉+粘膜なので、
回復しないまま使い続けるとパフォーマンスも落ちます。
そして一番重要なのはここ👇
同じ30分でも
・効率の良い発声 → OK
・無理な発声 → ダメージ大
つまり「時間」よりも「使い方」
これを間違えると、短時間でも喉は壊れます。
ちなみに研究では、声道の狭窄が強くなるほど発声は弱く・不安定になることが示されています。
→ 効率が悪い状態
つまり“効率の悪い発声ほど疲れやすい”
だからこそ時間管理+発声効率の両方が必要です。
加藤真太郎2026年3月27日 9:59 pm
【適当なボリューム感の見つけ方】
レッスンをしていると、生徒さんによっては声のボリュームが大きくなりすぎてしまったり、逆に小さくなりすぎてしまったりと、大小どちらかに偏ってしまうことがあります。
ボリュームが偏ることでどんなことが起きてくるでしょうか?
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【ボリュームが大きすぎる場合】
人間はボリュームを上げようとすると、多くの場合で息の量を増やそうとします。
本来適切な息の量であれば、声帯が持つ閉鎖筋群だけで受け止められるのですが、この場合他の不要な筋肉まで巻き込んでその息の量を何とか受け止めようとします。
これが喉に余計な緊張を生み、
・歌っていると苦しい
・音程が当たらない
・地声→裏声への急激な変化(フリップ)
などのエラーが起きてきます。
またリスナー側にも、自然な音楽的な歌声ではなく叫び声に近いものとして認識されてしまいます。
【ボリュームが小さすぎる場合】
小さすぎると感じられる場合、
・息を吐きすぎてしまっている
・声帯の息を受け止める力が弱い
・そもそも吐く息の量が少ない
このどれかが起きていると考えられます。
いずれにせよ、分厚い声帯振動をもたらす地声の活躍が弱くなることが予測できるので、そうすると本来声が持っている"強さ"や"豊かさ"が失われてしまいます。
リスナー側からすると、例え音程が合っていたとしてもこれらを失った歌声はあまり良い歌声とはいえません。
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自分の出している音量がどれくらいなのか、実は意外と自分では気づきにくいものです。
一生懸命歌うことに集中するあまり、客観的に自分の声を聴く余裕が無くなってしまうんですね。
レッスンの中で先生にフィードバックをもらいながら、
・自分のボリュームの傾向
・どのくらいの力感だと適当なボリュームになるのか
これらを把握し、何回も練習することで頭と身体で覚えていきましょう!
加藤真太郎2026年3月23日 12:55 pm
【適切なビブラートって?】
カラオケに行くことが趣味で、特に採点系のコンテンツが好きな方であれば、
"ビブラート=加点技術"
という認識があると思います。
なのでビブラートに対してそこまで深く考えず、使っている方がほとんどだと思います。
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Beforeのテイクを聴いてみると、フレーズ終わりのビブラートで明らかに違和感を感じると思います。かけている速さが遅すぎるんですね。
"音楽的に自然に聴こえる"ビブラートの振幅数は、1秒間に6回前後と言われています。
あまりにも波が大きいビブラートは不自然に聴こえてしまいますし、テンポの高速化が進む現代のJ-popでは、ある程度の速さを持ったビブラートの方が好まれるといえます。
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また、闇雲にビブラートを使いまくるというのもあまり音楽的とはいえません。
人によってはくどく感じられますし、ビブラートをかけない歌い方や、音の始めは真っ直ぐ伸ばして途中から揺らす、ディレイドビブラートの方が好きという方もいます。
しっかり揺らす音、サラッと揺らす音、真っ直ぐ歌う音など、計算してビブラートを使った方が聞き手に対して思いやりがありますし、それは音楽的だといえるでしょう。
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聴き手に心地良く聴いてもらうというのが音楽にとっては非常に大事です。
そこを考えられるかというところが、カラオケが上手な人と本質的に歌が上手いと言われる人の差なのかもしれません。
またビブラートは発声バランスが重要だと言われています。
上手くビブラートがかけられないという方は、ボイトレが役に立ってくれるかもしれません。