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ミックスボイス・高音のボイトレ解説

ミックスボイスの出し方、高音発声、換声点、地声と裏声のつなぎ方について、VTのボイストレーナーが日々のレッスンから発信しているヒントをまとめています。

68件の投稿 トピック一覧へ

小野貴之 東京スタジオ・

- 女性の方をトレーニングするとき

- 女性の方をトレーニングするとき

ロングレンジのスケール(音階)で、高い音を使います。

女性の中でも声が低めのタイプの方は、B♭5〜D♭6くらいまでを目指してトレーニングを行います。

声が高いタイプの方は、C6〜E6くらいまでを目指します。
(50代を超えたら、ここから半音1つほど下げて捉えてもいいでしょう。)

このエリアを1日何回かトライしてみてください。え、そんな高い音出したことないわ...という方は、ぜひ出せる方法を見つけてください。僕はレッスンでそのエリアをわりと一発で解放させられることが多いです。(時間がかかる場合ももちろんあります。)

✳️持っている音域をフルに使ってあげること。高い音になればなるほど針の穴を通すようなアプローチが必要になり、習得すれば歌唱音域はかなり楽になります。

加藤真太郎 名古屋スタジオ・

声区転換という考え方

Aメロ、Bメロと歌ってきていよいよサビ…
「高音が来る、頑張るぞ!」と気合を入れて歌ってみたものの、喉は苦しいし音程は届かない…
こんな経験ある方多いのではないでしょうか。

高い音程を歌うために必要なのは気合ではなく、"声区転換"という考え方かもしれません。

─────

・声区転換とは?
音域によって声のバランスを変化させていく歌唱技術、概念のことです。

この声区転換という考え方では、

・地声で歌う音域
・頭声で歌う音域
・またその中間的なバランスで歌う音域

と、「音域によってこの声で歌うんだよ」という"声区"というものを大まかに定めています。

この声区転換の技術がない方が低音〜高音まで上がっていこうとすると、大体の方がある程度の高さからピッチ(音程)が不安定になり始め、喉が苦しくなったり、急に地声から裏声に変化してしまったりと、何かしらのエラーが発生します。
これは声区を無視して歌おうすることが原因で起こるともいえます。

これが上手な人だと、地声〜頭声までが一つの声のように繋がって聴こえてきます。
最近のアーティストだと、YOASOBIの幾田りらさんがイメージしやすいでしょうか。

なるべくエラーを聴いてる人に感じさせないように、各声区をスムーズに繋いでいきましょうねという考え方が、"声区転換"なのです。

──────

ボイストレーニングはほとんど、この技術を高めるために行うといえるでしょう。
高い声を楽に出せるようになりたい方は、一緒にこの声区転換を磨いていきましょう!

桜田ヒロキ 東京スタジオ・

ミックスボイスって、結局なんのことを言ってるんですか?

ここ、実はボイストレーナーや歌手によって定義が違いすぎます。

ある人は
地声から裏声までスムーズに移動することを
ミックスボイスと言います。

つまり
声区をまたぐ時の“つなぎ方”の話です。

この考え方だと
ミックスボイスは
混ざった声そのものではなく、
“混ざって聞こえるように移動する技術”
ということになります。

一方で

地声と裏声の中間に
“混ざった一つの声”が存在する
と考える人もいます。

この場合は
ミックスボイスを
一つの“声”として扱っています。

つまり

・スムーズな移動を指しているのか
・声そのものを指しているのか

ここがまず違います。

前者は
地声と裏声をスムーズに行き来する、
つなぎ目を目立たなくする動詞的な考え方です。

後者は
地声と裏声が混ざったミックスボイスという声そのものが存在する、
という名詞的な考え方です。

だから

先生に習う時も
ボイストレーナーが教える時も

自分はいま、何をミックスボイスと呼んでいるのか
を整理しておく必要があります。

ちなみに科学の世界では

地声は M1
裏声は M2

という整理は広く使われますが、
その中間に独立した“ミックスボイス”があるかどうかは
今のところ科学者の中で明確な合意があるわけではありません。

長谷川拓輝 大阪スタジオ・

高音の叫び癖改善

加藤先生による

「サウダージ」のサビの歌唱指導の解説です。

Berore

高音を出すときに口が開きすぎていて、叫ぶ歌い方になっています。

声の音量やピッチも安定していません。

⚪︎改善のためのステップ

1.メロディを「Mum」という言葉で歌い、口を大きく開きすぎないようにして、

叫ぶ状態を防ぎます。

2.「Mum」で歌った体感をキープして、実際の歌詞で歌います。

3.口を「開きすぎ」「閉じすぎ」の中間的なバランスでを意識して歌います。

After

高音が力みなくスムーズにサビのメロディを歌えるようになっています。

ポイント

歌いづらい箇所は、あえて口の動きを制御する練習を取り入れることが喉の負担を減らし、高音をスムーズに歌う近道になります。

金子 恭平 東京スタジオ・

地声ミックスってなんのこと?

ぼくはたびたび、ミックスボイスには「地声ミックス」と「裏声ミックス」が存在すると書いてきました。

その違いがわからない、あるいはまだ体感していないという方に向けて、きょうはデモンストレーション動画を共有します。
ちなみに投稿主はSpencer Welch先生。わがスクール主催の桜田ヒロキが、最初に師事したハリウッド式のボイスティーチャーです。

Spencer先生は同じ高さの音で

1.ファルセット
2.ヘッドボイス(裏声ミックス)
3.チェストミックス(地声ミックス)
4.チェストボイス

の順番で歌ってくれています。
裏声ミックスと地声ミックスの微妙な音質の違いが感じ取れるでしょうか?

―――――――――
▼性差による一般的な傾向

これまでも何度かお話ししてきたように、男性の場合は曲の大半を地声ミックスで歌うケースが多いです。

女性の場合は、同じ曲でも声帯のタイプによって地声ミックスがメインの歌い手と裏声ミックスがメインの歌い手に分かれます。後者の歌い方を、「1stブリッジ付近からヘッドボイスを使い始める」と言い換えることもできます。

※裏声ミックスで歌っている歌手の方でも、訓練不足が原因で地声ミックスが使えていないだけの可能性もあります。

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▼ただの「地声」と「裏声」じゃないの?

ミックス発声時は声帯同士が平行に合わさっているという特徴が観測されるものの、その振動パターンはやはり地声モードか裏声モードのいずれかに分類されます。

ミックスボイスという呼称を避け、あくまで「地声」や「裏声」と呼んでも差し支えありません。

後天的に中高音発声を身につけたぼく個人としては、ミックス発声時には独特の体感を覚えるので、「ミックス」という呼び方を続けています。

田栗ななえ 東京スタジオ・

「声が居着く」について考える

「声が居着く」について考える
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桜田先生のスケール解説の中で出てきたワード「居着く」について、考えてみたいと思います。
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声が「居着く」とは?

「居着く」とは、
地声モードや高音モードに声が居座ってしまう状態を指します。

これによって起こる困りごととしては、
・地声に居続けることで、高音に上がるときに声がプルしてしまう
・高音に居続けることで、下降したときに地声に戻れず、裏声モードのままになってしまう

低音から高音、高音から低音とスムーズに移行したいのですが、
その人の得意なモードに声が固定されやすい傾向があります。
これは、筋肉が「慣れている場所」に居着きたがる性質を持っているためです。
多くの人で、「それあるある!」となる症状なのではないでしょうか。
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【居着く傾向から抜け出すための、エクササイズアイデア】
では、声がモードに居着いてしまう状態から抜け出すためにどうしたら良いか。
地声/裏声モードから抜けられないときは、まずはそれぞれしっかり感覚を取り戻すことが大切です。

①
・裏声に居着く場合:地声3トーン(ドレミレド)
→地声だけのエリアに制限することで戻る地声の感覚を掴みます。

・地声に居着く場合:高音から地声のスライド。
→高音から始めることで、地声を高音に引っ張らない感覚を掴みます。

②オクターブ跳躍(ex:ド↑ド↓)
地声/裏声モードから抜けられないときは
→まず音の跳躍幅の広い1オクターブで、
しっかり地声と裏声それぞれ捉えてみるといいかもしれません。
それぞれのモードの感覚を思い出します。

③オクターブスケール(ドミソドソミド)
・裏声に居着く場合:地声から始めて、上昇↑下降↓。
→下降時に地声に戻るのが難しい場合、
一番下のも音もそうですが、真ん中2音で高音モードに居着いてしまっている可能性があります。要チェック☺︎

・地声に居着く場合 : 高音から始めて、下降↓ 上昇↑
→上昇のときに「持ち上げすぎる」場合は、早めにミックスへつなぐモードへと切り替える意識が必要になります。
ーーーーーーーー

ちなみに、今回動画で紹介している5トーンAHは、
「居着く」をターゲットにするとなると、とても難易度の高いものになります。
※音と音の幅が狭いので、より一層の微調整が必要◎
一方、声の診断するために使った場合、ティーチャー側はそれぞれの声の傾向が見えやすいので声の情報を収集するのにとても良いツールです。
同じエクササイズでも、何を目的とするかで使い方が変わってくるので、ティーチングの引き出しを広げるヒントになりますね☺︎

金子 恭平 東京スタジオ・

プロでも多い“隠れプルチェスト”

地声のトーンのまま高音域まで歌えていても、かならずしもミックスボイスが完璧とはいえません。
実は、プロ歌手の方でも、プルチェスト(張り上げ発声)を経由してミックス発声に到達しているパターンが多いのです。

「経由して」とはどういうことでしょうか?

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▼声の切り替わりポイント

通常の歌唱音域において、ブリッジ(換声点)と呼ばれる声の切り替わりエリアはふたつあります。
テノールの男性歌手の場合、1stブリッジはD4~G4あたり、2ndブリッジはG#4~B4あたりです。
声帯の振動パターンが本格的に地声振動から裏声振動に変わるのは、基本的には2ndブリッジ以降です。
※女性の場合は、1stブリッジから裏声にチェンジしていく歌唱も多く聞かれます。

―――――――――
▼隠れプルチェストとは

一聴するとミックスボイスが使えている歌い手でも、1stブリッジ付近で音量が上がったり、母音が広がったりしがちです。プルチェストの典型的な症状です。
声帯や声道への負担が大きい発声で、たいていの場合は本人も苦しさを感じています。
この方たちの声は、2ndブリッジに突入するとようやくバランスのとれた――つまり声門閉鎖の加減が適切な――ミックスボイスに聞こえはじめます。

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▼対策例

チェストボイス(地声)からヘッドボイス(芯のある頭声)まで、声は段階的に軽くしながら使っていきます。
ちなみに1stブリッジにおける「軽くする」は、音量を落とすことでも、細くすることでも、裏声にすることでもありません。
※練習段階で助けになるなら、あえて小さな声や細い声、場合によっては裏声を出すことは多々あります。

ブリッジングを軽くするための典型的なエクササイズとしては、GeeやGooという発音を使った1オクターブ下降などが挙げられます。
実際には生徒さんの声は千差万別なので、子音、母音、音階を適宜調合して、適切なバランスのミックス発声を体感してもらいます。

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▼まとめ

「隠れプルチェスト」は、ある音域でミックスボイスが実現しているという点で、完成間近の発声といえます。
そこまでたどり着いた方なら、1stブリッジもきっと健康的に乗り越えられるようになるはず。

いっしょにがんばってまいりましょう!

金子 恭平 東京スタジオ・

意外と多い“微フリップ”

一聴すると地声と裏声がきれいにつながっているのだけど、特定の音域で音程がシャープ(高く外れる)してしまう人たちがいます。

何が起きているのでしょう?
この場合は、声帯が地声パターンで振動すべきところで、早めに裏声パターンに切り替わってしまっているのです。
裏声そのもののクオリティは高いため、スカスカの音ではありません。
しかしこれは、厳しく判定すればフリップ(裏返り)と呼ばれる失敗にあたります。

この症状はボイトレ経験者や独習者に多い印象です。
地声の持ち上げを避けて早めにヘッドボイスにリリースできるようになった段階で、声の開発が止まってしまっているのだと思われます。

―――
対策としては、エクササイズの音域を狭めつつ、換声点付近を地声感覚で歌っていきます。疲労を招きやすいトレーニングです。
地声の弱い人がバランスのいいミックスボイスを手に入れるための訓練は、どうしても筋トレ的な要素が強くなってしまうのです。

「微フリップ」を持つ人は、高音発声に苦労していない(と感じている)ことが多いです。
発声技術を次のレベルに進めるには、失敗の自覚と、それを克服するための強い意志が必要になります。

練習段階においては、換声点を乗り越える際にこれまで以上の努力感を強いられるでしょう。
できればボイストレーナーによる負荷調整のもと、声の開発に取り組むのが望ましいです。

楽しいばかりのボイトレではありませんが、長い目で見た歌手人生がより充実するよう、がんばってまいりましょう!

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