昨日、生徒さんと話していて、
昨日、生徒さんと話していて、
その生徒さんは、前に指導を受けた先生に
「舌に力が入ってる!」と言われ、
舌を意識した結果、自分の歌い方がよくわからなくなってしまったと。
これはボイストレーニングの現場で、非常に起こりやすい話だなと思います。
「喉を締めないで」
「肩の力を抜いて」
「声帯をしっかり閉じて」
など、身体の一部分を直接コントロールしようとすると、かえって動きが不自然になることがあります。
そこで面白いのが、運動学習の分野にある
「運動制約仮説」という考え方です。
簡単に言えば、
「身体の動きを直接教える」のではなく、
「課題や環境の条件を変えることで、本人が自然と適切な動きを見つけられるようにする」
という発想です。
例えば、舌の力みが気になる生徒さんに、
「舌の力を抜いて歌って」
と指示する代わりに、
・タングトリルで歌ってみる
・特定の母音だけで歌ってみる
など、課題そのものを変えてみる。
すると、「舌をどう動かすか」を細かく指示しなくても、発声全体の協調が変わり、結果的に舌の過剰な緊張が減ることがあります。
もちろん、これは「身体の使い方を説明する必要がない」という話ではありません。
知識や言語的な指示が有効な場面もあります。
「どうすれば、その人自身が自然と良い動きを見つけられるか?」
という視点も、指導者には大切なのだと思います。