田栗ななえ2026年4月30日 6:26 am
【歌は母音が9割】
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桜田先生による母音の解説です。
歌で実際に聴こえている音の多くは、母音です。
日本語を普段話すときの母音の長さは、約80〜150ミリ秒。それに対して、歌っているときの母音は、約400〜900ミリ秒と言われています。歌では話し言葉に比べて、母音が4〜7倍も長く伸びています。
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具体的にどういうことかというと、
例:「ありがとう」
◆話し言葉の場合
「あ・り・が・と・う」と、母音は一瞬ずつ通り過ぎるように、子音と母音がセットでポンポンと進んでいきます。
◆歌の場合
「あーーりーーがーーとーーうーー」
と、母音が引き伸ばされるイメージです。
だからこそ、母音がどう聴こえるかによって、声の音色が大きく変わります。話し言葉のように歌ってしまうと、音が細切れに聴こえやすくなるので、滑らかな声のつながりを作りにくくなってしまうのです!
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普段のエクササイズでは、母音を揃えながら声を繋いでいく練習とより良い声色を作っていく練習の2本立てで進めることが多いです。
今日は、母音を揃えながら声を繋いでいくエクササイズアイデアのご紹介です。
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◆母音だけで1.5オクターブスケール
Uh 1.5オクターブスケール
↓
Oh 1.5オクターブスケール
↓
Ah 1.5オクターブスケール
狭い母音から広い母音へと移行していきます。
母音だけで行うため難易度は上がりますが、自分がどのように母音を作っているかを確認しながら行き来できるのがメリットです。
子音と母音を組み合わせたエクササイズで、
・下降で乱暴に降りてしまうとき
・高音にうまくつながらないとき
・母音への意識が薄い、または伸ばす時間が短いとき
母音だけにしてみると、
その音に対して声が適切に入っているか、
母音に一貫性があるかを確認しやすくなります。
また、母音が揃った後に、子音をつけてエクササイズすると行き来の意識が明確になりやすくなります。
◆注意点◆
声が息っぽすぎたり、地声が弱すぎる場合は、そこを初めに対処してから進めると効果的です☺︎
桜田ヒロキ2026年4月29日 9:06 pm
【"すべての歌手"が、高音の練習をしなくてはいけない理由】
高音の練習というと、
高音が出にくい人、出しにくい人だけがやるものだと思われがちです。
でも実際には、そうではありません。
高音をそれほど歌わない人でも、高音練習は必要です。
仮に、自分が歌う曲がそこまで高くない。
あるいは、自分が歌いやすいキーに設定できる。
そういうシチュエーションが多かったとしても、
高音をきっちりトレーニングしておく必要があります。
特に大事なのは、
地声と裏声を関連づけるような高音練習です。
ただ高い音を出すことではなく、
地声から裏声へ、裏声から地声へ、
その行き来を作っていくような練習。
こういう高音練習は、ピッチの改善にかなり役立ちます。
なぜかというと、
高音発声では 輪状甲状筋(CT) が非常に重要になるからです。
この筋肉は、高音でないとなかなかアクティブになりにくいと言われています。
そして、CT は高音を出すためだけではなく、
ピッチ生成そのものにも深く関わっています。
だから、この筋肉の働きが弱くなると
・高音が出しにくくなる
・声の張りがなくなる
・パワーがなくなる
・ピッチが取りにくくなる
ということが起こりやすくなります。
例えば、ジャズシンガーのように
自分の歌いやすいキーへ自由に設定できる場合。
こういう環境では、
無理に高音を使わなくても音楽が成立してしまいます。
だからこそ、
高音を練習しなくなる
ということが起こりやすいです。
でも、ここははっきり言っておきます。
本番で高音を使わないことと、
高音を練習しなくていいことは全く別です。
高音練習は、高音のためだけにやるものではありません。
声の張り、パワー、ピッチ精度を維持するためにも必要です。
だから、すべての歌手は高音を練習した方がいい。
高音を本番でどれだけ使うかは人それぞれです。
でも、高音をトレーニングする意味は、全員にあります。
小野貴之2026年4月27日 1:57 pm
- 女性の方をトレーニングするとき
ロングレンジのスケール(音階)で、高い音を使います。
女性の中でも声が低めのタイプの方は、B♭5〜D♭6くらいまでを目指してトレーニングを行います。
声が高いタイプの方は、C6〜E6くらいまでを目指します。
(50代を超えたら、ここから半音1つほど下げて捉えてもいいでしょう。)
このエリアを1日何回かトライしてみてください。え、そんな高い音出したことないわ...という方は、ぜひ出せる方法を見つけてください。僕はレッスンでそのエリアをわりと一発で解放させられることが多いです。(時間がかかる場合ももちろんあります。)
✳️持っている音域をフルに使ってあげること。高い音になればなるほど針の穴を通すようなアプローチが必要になり、習得すれば歌唱音域はかなり楽になります。
桜田ヒロキ2026年4月23日 1:39 pm
【曲の歌い出しちゃんと歌えますか?】
曲の歌い出しがうまくハマらない時、
歌い出しの瞬間からその作品世界に入ろうとしても、少し遅い場合があります。
音程、声色、間合い、ニュアンスが微妙に噛み合わない。
そういう時は、歌い出しそのものではなく、その手前に何が流れているかに注目してみると良いです。
歌は、歌う前からもう始まっています。
僕はこういう時、イントロや歌い出し直前のメロディーを、鼻歌で軽くなぞってもらうことがあります。
特にミュージカルでは、歌以外の楽器がキャラクターの気持ちを先に語っていることがあります。
ですので、お芝居を歌詞だけで何とかしようとせず、
メロディーやコード。リズムからもキャラクターの心情を推察することが大切です。
伴奏の中に、すでに演技のヒントが入っていることは少なくありません。
その手前の音楽を鼻歌で追うことで、歌い出した瞬間にはすでにその音楽の中にいる状態を作りやすくなります。
逆に、歌い出してから作品世界に入ろうとすると、最初のフレーズではまだ掴みきれていないこともあります。
最初の一声は、お客様を引き込む大事な入口です。
歌い出しがハマらない時は、
声そのものを直そうとする前に、まずイントロを鼻歌でたどってみてください。
小野貴之2026年4月23日 11:59 am
- 歌は、母音がとても大事です。母音の響きが整うと、歌全体の美しさが変わります。
歌になると、英語アクセント(国・地域差)は、ほとんど目立たなくなります。
歌声は、意識して響きを華やかに作っていくもので、クローズな母音だけで1曲通して歌い切ることはあまりありません。
例えばアメリカ英語は母音を開く傾向があり、それは音楽的に華やかな母音を作りやすいともいえますが、それがすべてではなく、歌にしか当てはまらないような母音の考え方があります。
✳️ビートルズを聴いていても、「音楽的な母音」で歌っていることがよく伝わってきます。
※「Polythene Pam」はジョンが意図的にリヴァプール訛りで歌っています。
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歌にしか当てはまらない母音の考えとは、 歌の中では母音による響きや音量の差をなくしていきたいという部分があります。(アは口を大きく開けて、ウは小さい、イは横に引っ張るなどを極端に行うとばらつきの多いサウンドになりやすい)
このように口の開き方=音の出口のサイズをある程度揃えて発声することで、母音によるばらつきを抑えやすくなります。
つまりサビをしっかりめの音量で歌いたいときに、ウ母音だから音が小さくなった、というようなことがないようにしていきたいのです。
✳️そして、母音が変わっても「共通する響き」を持っている状態が好ましいです。楽器としてよい音にする、ということを意識して練習するということが大事です。
小野貴之2026年4月20日 4:54 pm
レッスンで取り扱ったエクササイズがうまくいかないと、つい「こうかな?」と繰り返して10分、20分…ということがあると思います。例えばリップバブル(リップロール)が止まってしまう場合、僕のアドバイスは「いったん別の種目に移る」ことです。
声のバランスがある程度成立していないとリップバブルは上手くいきません。余分な緊張が強い、息を吐き出しすぎてしまう、いろいろな理由でバブルは止まってしまいます。
✳️そしてその声のバランスを妨げているのは、何かしらの偏りです。
同じエクササイズを続けること自体が偏りを助長してしまう大きな理由になり得ます。
ハイラリンクス・エクササイズ(カリカリ声でNAYなど)が上手くいかないとき、ローラリンクス・エクササイズ(緩めのふくろうサウンドでGEEなど)に舵を切ってから、またハイラリンクス・エクササイズに戻ってくると不思議とやりやすくなっていることが多いのです。
★―――★
いろいろなエクササイズを交互にやることがお勧めです。そして、それぞれのエクササイズを、自分の声(一貫したサウンド)を見つける為に利用すること。
リップバブルで得られるものはSOVT効果です。息の流れの一貫性や声帯振動に安定をもたらす効果です。息を吐きすぎていたり緊張が強い状態でやるのは逆効果です。
✳️エクササイズを「がんばって練習する」というよりも、「利用して声を見つける」という意識をぜひ持ってみてください。
利用できないエクササイズ(5分くらいはトライしてみてもいいでしょう)は一旦端に置く。別の経路を経て、また戻ってみてくださいね。
桜田ヒロキ2026年4月16日 1:43 pm
「歌は呼吸が大事」
でも、呼吸より喉頭コントロールの方がずっと難しいです。
むしろ歌でより高度な技術が必要なのは、
呼吸そのものよりも喉頭コントロール
だと僕は考えています。
呼吸は、もともと日常の中で自動化されている動作です。
一方で歌は、
声帯をどう閉じるか
どう伸ばすか
どのくらいの強さで接触させるか
母音をどう保つか
口腔をどう作るか
こうしたことを、かなり細かく、速く、多要素で調整し続ける必要があります。
つまり、歌で本当に難しいのは
「息を吸うこと」ではなく、
その息をどうコントロールして声に変えるか
です。
喉頭や口腔のコントロールは、
呼吸よりも細かく、速く、複雑です。
だから歌がうまくいかない時に、
何でもかんでも「呼吸の問題」にしてしまうと、
本当の課題を見失うことがあります。
実際には、
声帯の閉じ方
母音の作り方
声区のまたぎ方
こういった部分に原因があることもとても多いです。
もちろん、呼吸は大事です。
でも、
呼吸をマスターすれば歌が上手くなる
という言い方は、少し短絡的かもしれません。
歌は呼吸の芸術というより、
呼吸を材料にして、喉頭や口腔を高度にコントロールする芸術
と考えた方が、現場ではしっくりきます。
だから僕は、
「歌は呼吸が大事」よりも、
歌は呼吸より喉頭コントロールの方が難しい
と考えています。
加藤真太郎2026年4月6日 10:21 pm
【声区転換という考え方】
Aメロ、Bメロと歌ってきていよいよサビ…
「高音が来る、頑張るぞ!」と気合を入れて歌ってみたものの、喉は苦しいし音程は届かない…
こんな経験ある方多いのではないでしょうか。
高い音程を歌うために必要なのは気合ではなく、"声区転換"という考え方かもしれません。
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・声区転換とは?
音域によって声のバランスを変化させていく歌唱技術、概念のことです。
この声区転換という考え方では、
・地声で歌う音域
・頭声で歌う音域
・またその中間的なバランスで歌う音域
と、「音域によってこの声で歌うんだよ」という"声区"というものを大まかに定めています。
この声区転換の技術がない方が低音〜高音まで上がっていこうとすると、大体の方がある程度の高さからピッチ(音程)が不安定になり始め、喉が苦しくなったり、急に地声から裏声に変化してしまったりと、何かしらのエラーが発生します。
これは声区を無視して歌おうすることが原因で起こるともいえます。
これが上手な人だと、地声〜頭声までが一つの声のように繋がって聴こえてきます。
最近のアーティストだと、YOASOBIの幾田りらさんがイメージしやすいでしょうか。
なるべくエラーを聴いてる人に感じさせないように、各声区をスムーズに繋いでいきましょうねという考え方が、"声区転換"なのです。
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ボイストレーニングはほとんど、この技術を高めるために行うといえるでしょう。
高い声を楽に出せるようになりたい方は、一緒にこの声区転換を磨いていきましょう!