ボイストレーニングで信頼関係を築く方法|生徒のモチベーションを高める指導法とマインドセット 【VT-RV第3期レポート】
こんにちは。VTボイストレーナーの三浦優子です。今回のボイストレーナー養成講座【VT-RV】第3期のレポートは、アマンダ・フリン先生による講義の第2回目をお届けします。
前回は「ボイトレの上達を変える運動学習」をテーマに、歌の習得プロセスについて学びました。 今回の講義ではその内容を踏まえ、生徒さんとどのように信頼関係を築きながらレッスンを進めていくかという、より実践的なテーマを学びました。
生徒との信頼関係は「スキル×一貫性×理解」で築かれる

まず、生徒さんから信頼を得るためには、ボイストレーナーとしての専門的なスキルがしっかりと身についていることが前提条件です。そのうえで、今回の講義では信頼関係を築くための3つのポイントが示されました。
〈生徒と信頼関係を築くための3つのポイント〉①言動の一貫性
ひとつ目は、発言と行動が一致していること。間違えた場合にはそれを認めること。さらに、ボイストレーナーとしての役割だけでなく、人としての面も見せていくこと。
こうした一貫した姿勢が、生徒さんからの信頼につながっていくと教えていただきました。これはボイストレーナーに限らず、他の職種や人としても大切な要素だと感じます。
②人としての関わり方とコミュニケーション
二つ目は、人としての関わり方です。ボイストレーナーとしてだけでなく、一人の人として関わること。
生徒さんの不安や懸念を丁寧に聞き取り、必要に応じてこちらからも伝えていく。こうした双方向のやり取りが、信頼関係の土台になります。
③モチベーションを保てる環境づくり
そして三つ目が、モチベーションを保てる環境づくりです。「できた」「少し前に進めた」と感じられる積み重ねがあること。こうした環境が、信頼関係だけでなく、歌の上達にもつながっていきます。
自分の経験を思い返してみると、学生時代にいろんな先生からダンスを習っていた中で、自然とモチベーションを高く保てるレッスンがありました。そういうクラスの先生は、生徒からの人気も高く、先生としても人としても信頼されていた印象があります。
技術はもちろん大切ですが、人としての生徒さんへの関わり方がレッスンの質に大きく影響することが改めて整理できました。
モチベーションを左右するマインドセットとは

次に、マインドについてのお話がありました。モチベーションを保つためにも、マインドセットは欠かせません。講義では、主に2つのマインドセットについて説明がありました。
【モチベーションを左右するマインドセット】・固定されたマインドセット
これ以上うまくならないと感じてしまう状態
・成長思考のマインドセット
練習によって能力は高められると捉える状態
ここで重要なのは、固定されたマインドセットから、成長思考のマインドセットへとシフトしていくことです。
マインドは「課題設定」で変わるマインドセットのシフトのために大きく関わってくるのが、生徒さんに与える課題の難易度です。アマンダ先生によると、課題とスキルのバランスがとても重要だということです。
課題が簡単すぎても、逆に難しすぎても、モチベーションは下がってしまいます。「これはチャレンジなんだ」と伝えたうえで、少し背伸びをするくらいの難易度に設定することが、効率よく学びを進めていくうえで最適だということでした。
実体験から見えたマインドとモチベーションの関係 マインドセットの考え方は、自分の経験とも重なりました。これまで歌やダンスに限らず、新しいことに挑戦する中で、モチベーションが続かずに辞めてしまったことがあります。
振り返ると、その時は課題の難易度が高すぎて、「どうせできない」と感じてしまっていました。 まさに固定されたマインドセットの状態だったと整理できます。
一方で、長く続けられているものは、「やればできるかもしれない」と感じられる状態が保たれていました。この違いが、継続と成長に大きく影響していたのだと理解できます。
レッスンにどう落とし込むか|目標設定と課題の考え方

講義の後半では、初心者と上級者それぞれに対するデモンストレーションの方法や、生徒さんの目標設定についても解説がありました。
そして最後には質疑応答の時間が設けられ、今回の講義内容を実際のレッスンでどのように活用していくかについて、より具体的なお話を聞くことができました。
課題曲は「何をさせるか」より「何を得たか」その中で特に印象的だったのが、生徒さんに与える課題曲の考え方です。モチベーションを保つためには、「どのくらいの頻度で課題曲を変えるべきか」という質問がありました。
それに対してアマンダ先生は、「曲を使った練習にはさまざまなゴール設定ができる」としたうえで、 「何をやらせるか」ではなく、「その練習を通して何を体感したか」が重要だと話してくださいました。
例えば、次回のレッスンまでに課題を出したとして、それができなかった場合には、事実だけで判断せずに、「なぜできなかったのか」を見ていくことが大切になります。
「練習方法が合っていなかったのか」「課題の難易度とスキルにズレがあったのか」などを見直していくことで、より適切な指導につながっていきます。
生徒さんの状態を丁寧に見て、課題を調整していく。その積み重ねが、結果的に信頼関係の構築にもつながっていくのだと実感しました。
信頼関係がモチベーションと継続を左右する

今回の講義は、自分自身の経験を整理し直す機会にもなりました。生徒として歌やダンスのレッスンを受けていた頃、なぜモチベーションを高く保てたレッスンと、続かなかったレッスンがあったのか。
当時はジャンルや振り付けの好みなどが理由だと考えていましたが、振り返ってみると、長く続けていたレッスンほど、早い段階で先生との信頼関係が築けていたように思います。逆に、続かなかったレッスンは、次第に「やらなければいけないもの」として義務感が強くなっていたことにも気づきました。
こうした経験から、レッスンの継続や上達には、技術そのものだけでなく、生徒との関わり方や信頼関係が大きく影響しているのだと改めて整理できました。
今回の講義は具体的なボイストレーニングの技術ではありませんが、ボイストレーナーとして指導に向き合う上で、非常に重要な視点です。実際に、自分が駆け出しの頃は、「声を良くすること」に意識が向きすぎてしまい、一方的なレッスンになっていたことがありました。 その結果、生徒さんが離れてしまった経験もあります。
だからこそ今回の学びを踏まえて、これからは生徒さんとの関わり方をより意識しながら、信頼関係とモチベーションの両方を大切にしたレッスンを行っていきたいと思います。
次回は「ボイストレーニングツール」の講義へ
次回は、VT代表の桜田ヒロキインストラクターによる「ボイストレーニングツール」の講義です。どんなエクササイズを組み立てていくのか、より具体的な指導方法に踏み込んだ内容になっていきます。こちらもレポートしますので、お楽しみに!
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投稿者プロフィール

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大阪音楽大学短期大学部ミュージカルコース卒業
宝塚音楽学校附属宝塚コドモアテネ卒業
幼少の頃からクラシックバレエを習い、毎年行われる発表会やその他数々の公演、業界最大手の舞浜大手テーマパークのショーやパレードに出演。
ダンスパフォーマンスにおいては特に活躍を遂げ、忙しい日々を送ると同時にボイストレーニングを続けるが、自分の悩みを解決できる先生となかなか出会えず「これで上達できるのか?」と不安を感じ、次第に歌を諦めてしまう。
そんな中、発声を科学的に捉え、的確なトレーニングを行えるVTチームの存在を友人から聞き、VTチームのレッスンを受講。
ハリウッド式ボイストレーニングに感銘を受ける。
現在は自身の「踊りながら歌う難しさ」を克服した経験を活かし
「ダンサーとしてミュージカルの舞台に立ちたい」
「ミュージカルに出演しているが、シンガーの枠に入りたい」
という方々を中心としたサポートに向け、勢力的にトレーニングを行っている。
全米ヨガアライアンスRYT200を取得し、ヨガインストラクターとしても活躍中。
クライアント一人ひとりに合った姿勢矯正を行うことにより、発声の改善、呼吸の改善、ダンスの改善を行い、クライアント様から高い評価を得ている。
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