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TIMELINEタイムライン

三浦優子2025年4月30日 12:40 pm

【低音が苦手な女性必見!】

ライトチェスト(地声が弱いタイプ)の方
音が下降するときに、なんだか弱々しくなる…
そんなお悩みありませんか?

桜田先生がボイストレーナー向けに解説している「ライトチェストの対策動画」!

実はこれ、ボイストレーナーではなくても「私、低音苦手かも…」という方にとっても参考になる内容なんです!
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ライトチェストタイプの方は、特に音が下降するフレーズで声が弱々しくなりがち。

動画の中で取り上げている、中島みゆきさんの『糸』の「なぜ めぐりあうのかを〜♪」
この“下降するメロディ”が弱々しくなってしまう…という方は多いのではないでしょうか?

そんなときは、音が下がる部分こそ“どっしり”と歌うのがポイントです!

桜田先生が具体的に解説しているので、ぜひ動画をチェックしてみてくださいね!
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また、発声練習でも同じことが言えます。

「ドレミファソファミレド」のように、
上がって下がる音階練習で、「ソファミレド」が弱々しくなってしまう方は要注意。

下降部分を特に意識して声を安定させる練習をすると、歌声全体がグッと変わります!

ぜひ練習に取り入れてみてくださいね!
  

金子 恭平2025年4月27日 12:22 pm

【天然ミキサーの弱点】

地声と裏声の中間であるミックスボイスの習得を目指して、日々ボイストレーニングに励んでおられる方は多いと思います。

ミックスボイスの出しかたを端的に説明すると――

◆声帯を縮めて太らせる甲状披裂筋(TA)
◆声帯を伸ばして薄くする輪状甲状筋(CT)
◆声帯同士を閉じ合わせる外側輪状披裂筋(LCA)

これらの筋肉をバランスよく働かせることと言えるでしょう。
 
なかでも、反対方向に作用するTAとCTを拮抗させるのが鍵となります。

非常に繊細なバランスを要求される作業です。
食べたことのない料理の味を想像するような、手さぐりの作業が何年もつづくことも珍しくありません。

そんな難度の高いミックスボイスを、先天的に出せるひとたちも存在します。ここでは「天然ミキサー」と呼びます。

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羨ましいかぎりの天然ミキサーですが、彼ら彼女らにも弱点が存在します。
純粋な裏声(ピュア・ファルセット)が苦手なひとが多いのです。

純粋な裏声とは、CTを優位に働かせ、TAとLCAの関与をおさえた声です。すこし息っぽいのが特徴です。

一方、ミックスボイスは三つの筋肉の均衡をとって作る声でしたね。
バランスがとれた状態がもとから当たり前のひとは、CTだけを優位に働かせるのが苦手であることが推測されます。
 
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下の動画では、スタッフちゃんが中島美嘉さんの『雪の華』を歌っています。サビにおける、地声と裏声のコントラストが美しい曲です。

スタッフちゃんとは何度かレッスンをさせてもらっていますが、おそらく彼女は天然ミキサーです。
基本的にいつでも発声がすばらしいのですが、純粋な裏声はすこし苦手です。
地声で歌っているところから息っぽい裏声に切りかえる、という作業がうまくできません。
 
苦手を克服するための練習も大切ですが、今回の動画ではべつの作戦をとりました。
それが以下のふたつです。

1.フレーズ全体の母音を「u」に寄せ、第二倍音のエネルギーを落とすことで、裏声寄りのミックスにする。
2.フレーズ全体の母音を「ae」に寄せ、第二倍音のエネルギーを上げることで、地声寄りのミックスにする。

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この記事を読んでくださっているうちの、十人に一人くらいは天然ミキサーであると思われます。
ご自覚があり、かつ裏声に苦手意識のある方は、ぜひ動画内の歌いかたを試してみてください!

桜田ヒロキ2025年4月24日 7:11 pm

【声量が出ない…その原因、ちゃんと掘り下げてみませんか?】
この動画では、「声量が出ない」「地声が薄い」と感じている方に向けて、根本的な原因とトレーニング方法を紹介しています。
よくあるケースは次の2つ。


■ ① 声門閉鎖が弱く、地声が出しづらいタイプ

声量が出ない原因としてまず考えられるのが、声門閉鎖筋群(lateral cricoarytenoid, interarytenoid など)の働きが弱いこと。これにより、発声時に声帯がしっかり閉じきらず、息漏れの多い声=弱々しい声になってしまうんです。

対処法:舌出し「あー」エクササイズ

→ 舌を前に出すことで舌根の緊張が減り、喉が開きすぎるのを防ぎつつ、声帯周辺の筋群の協調性を高めることができます。
この状態で発声すると、声帯がよりスムーズに閉じる=地声の芯が出やすくなります。


■ ② 鼻声が強く、響きが抜けないタイプ

最近、「鼻腔共鳴が大事!」という情報が先行しすぎていて、意識しすぎて“開鼻声”=濁った鼻声になってしまう生徒さんが本当に多いです。
でも実際は、母音での鼻声は“アンチフォルマント”という現象を引き起こし、響きを打ち消してしまうので、むしろ声が抜けにくくなります。

その主な原因が、**軟口蓋(soft palate)**です。
軟口蓋がうまく上がらず、咽頭と鼻腔の間の通路(咽頭鼻腔峡)が閉じきらない状態になると、息が鼻に漏れてしまい、意図せず鼻声になります。

対処法:破裂音で軟口蓋をトレーニング

→ 「バッ」「ガッ」などの有声破裂音は、発音の際に口蓋帆(軟口蓋)を上に引き上げ、口腔内の圧をしっかり高めます。
その後の解放で「前方に抜ける」感覚が養われ、鼻声になりにくい発声パターンが身についていきます。


■ 練習のポイント
•声門閉鎖筋群をターゲットにしたエクササイズでは、**最初は短い音(スタッカート)**で発声筋の反応を高め、慣れてきたら徐々にレガートに切り替える
•軟口蓋の挙上を意識するには、破裂音だけでなく、“くちびるを閉じてから急に開ける”ような発音も有効です(例:「ブッ」「ムッ」など)


まずは“声帯がしっかり閉じる感覚”と“鼻に抜けない感覚”をつかむことが最優先。
その感覚が定着すれば、あとはそれを音階やフレーズの中に落とし込んでいくだけです。


専門的な視点を持ってトレーニングに取り組むことで、
“なんとなく声が出ない” → “構造的に理解して改善できる” へとステップアップできますよ!

三浦優子2025年4月22日 11:27 am

【裏声のトレーニング、していますか?】

「パワフルに、かっこよく歌いたい!」
そんなふうに、高音を地声のように歌いたいと思う方は、生徒さんの中にもたくさんいらっしゃいます。

こうした目標をもってボイトレに取り組むのは、とても素晴らしいことです!
ですが、ここでよく陥りがちなのが、「裏声を地声っぽい音色にする」発声だけを練習してしまうこと。

裏声といっても、息の成分が少なく地声に近い音色のものもあれば、息がしっかり混じっているような、柔らかい音色のものもあります。

「私は地声っぽい音色しかいらないから必要ない」と、片方だけを練習するのではなく、
両方のパターンをしっかり練習して取得することで、歌唱で使える裏声のクオリティもグッと上がります。

どちらが良い・悪いというわけではありません。
大事なのは、両方のパターンを自分で選んで使い分けられるようになること。

片方しかできないというのは、選択肢が一つしかない状態であり、発声に関わる筋肉の使い方も偏ってしまっている可能性があります。
両方できるようになることで発声のコントロール力が高まり、結果的に裏声だけでなく、地声の響きも変わっていきます。

では、裏声の2つのパターンの違いを、恭平先生のデモで確認してみましょう!

金子 恭平2025年4月20日 9:00 pm

【ミックスボイスは二種類ある?】

地声と裏声の中間の声を「ミックスボイス」と呼ぶのは、多くの方がご存じかと思います。
 
ミックス発声の開発が進めば、地声でも裏声でもない体感が実際に生まれてきます。
高音ロングトーンの最中に、地声から裏声に継ぎ目なく移動するような芸当もできるようになります。
 
しかし、声帯の振動パターンには「地声モード」と「裏声モード」しかありません。
訓練を積んだ歌手の体験と、厳密な化学は一致しないことも多いのです。
 
―――
結局のところ、ミックスボイスも地声か裏声のどちらかに分類されます。
――地声ミックス(Chest Dominant Mix)
――裏声ミックス(Head Dominant Mix)
このように呼び分ける先生も多いです。賛否はありますが、僕もそのひとりです。
 
おもに2ndブリッジ(二度目の声の切りかわりが起きる音域)において、シンガーは地声ミックスで歌うか裏声ミックスで歌うかを選択することになります。
※女性の場合は、1stブリッジを裏声ミックスで通過することも多いです。

―――
スタッフ先輩と僕が、Adoさんの『唱』を練習している動画をご参照ください。
 
フレーズ中の最高音がD#5です。
僕は男性なので、この音は裏声ミックスで出しています。高い周波数を母音の工夫でかせいで、地声風に聞かせている状態です。

一方で、スタッフ先輩は女性のなかでも声が高めのシンガーです。この音を地声で歌えてしまいます。
ときどき声が引っかかっているのがおわかりになるでしょうか。
力強い発声を目指すなかで、舌の力みも起こっていますね。
 
僕がこの音域を歌うよりも、彼女が歌うほうが難しいのです。

―――
ここで目指せる方向性はふたつあります。
1.地声の正門閉鎖をややゆるめて、地声ミックスと呼べる状態にする。
2.裏声モードの範囲内で声門閉鎖を強めつつ、高周波をかせぎ、裏声ミックスで歌う。

動画ではカットされていますが、スタッフ先輩は最高音をもともと軽い地声ミックスで歌えていました。
「せっかくだからパワーをつけてみたいね」と応用練習に入ったところからが、ショート動画の内容です。

熟練したシンガーでも、強く、かつ効率のいい発声バランスを見つけるのは簡単ではありません。 

三浦優子2025年4月18日 5:48 pm

【息漏れした声になってしまう方】

「力強く歌いたいのに、なんだか息が漏れてしまう…」
そんなお悩みはありませんか?

考えられる原因としては

・声門(声帯)がしっかり閉じていない
・息を多く吐きすぎている

この2つのバランスが崩れていることが挙げられます。

実は、子音には“息が流れやすいもの”や“声門閉鎖を強めるもの”など、それぞれ特徴があります。
たとえば Hの子音 は息の流れを促す性質があるため、歌詞に多く含まれていると、意図せず“息っぽい”声になってしまうこともあります。

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そんな時におすすめなのが——
「G」の子音を使ったエクササイズ!

「G」は、声門をしっかり閉じる働きを助けてくれる子音です。
発声を安定させたい時や、息漏れを改善したい時に効果的です。

息漏れが気になる時は、歌詞を「Ga」に置き換えて歌って調整して、また歌詞に戻してみると声の印象が変わるかもしれません!

ぜひお試しください♪
  

金子 恭平2025年4月14日 11:52 am

【リップバブルの母音はアです】

 リップバブル(リップロール)と呼ばれるエクササイズをやったことはありますか?
 閉じた唇をプルプルと震わせながら発声する、あれです。

 ウォームアップやクールダウンに適切ですし、正しく行えば上級者でもミックスボイスの感覚をさらに研ぎ澄ますことができます。上手になればなるほど効果を実感する、非常に優秀なツールです。

―――
 さて、このリップバブルですが、唇を閉じて歌うため、ウの母音だと勘違いしがちです。
 それでは適度な地声感が保てず、エクササイズ効果が半減してしまいます。また、声門上圧が高すぎるため唇が止まってしまうことも多いです。

 リップバブルの母音はUhです。日本語でいうと、オに近いアになります。

 アイウエオの母音はそれぞれ個性的な周波数特性を持っています。
 Uh母音は「唇の開き加減」「舌の位置」「のど仏の高さ」がそれらの母音のちょうど中間あたりになるので、音響特性がいいとこどりになります。
 歌唱の際はアイウエオ全てをこのUhに寄せることで、音色が統一されますよ。

―――
 さて、奈央子先生に正しいリップバブルのやり方を教わりましょう!

 ポイントは――

1.オに近いアの母音で歌う。
2.全ての音域で母音の形をキープする。
3.舌先が下の歯の裏に軽く触れた状態で行う。

 です。

 ついでに言うと、唇の両端を必ず手で持ち上げながらやってあげましょう!
 最少の息で声帯を震わせることを体に覚えさせるのも、リップバブルの目的の一つです。手を使わずに行うスキルは必要ありません。

桜田ヒロキ2025年4月13日 10:14 pm

【ボイストレーナー向け】
ハリウッド式に学ぶ“子音”の戦略的活用法

多くのボイストレーニングでは、
1.母音だけで練習する
2.子音をランダムに使う
というスタイルが主流かもしれません。でも、ハリウッド式では子音を「声帯の操作装置」として戦略的に使うのが大きな特徴です。

音声学や発声生理学の視点から見ると、子音ごとに声帯・声門・共鳴腔に対する働きがまったく異なり、それがトレーニング効果に直結します。


■ たとえば、有声破裂音([b], [d], [g])

これらは**声門下圧(subglottic pressure)**を一時的に高め、閉鎖→爆発的開放という動きを作ります。この過程で声帯の閉鎖感覚が一気に強化されるため、
•声が息っぽくなる
•ミックスで地声が薄まってしまう
•ファルセットに逃げやすい

といった傾向を持つ生徒に対して、声門の閉鎖感覚と圧の維持を身体に覚えさせるのに非常に効果的です。


■ 一方で、無声帯気音([h], [f], [s]など)

これらは声帯の開放傾向が強く、声門閉鎖のプレッシャーがほとんどかからないため、次のようなタイプの生徒に有効です:
•声に過剰な力みや圧がかかっている
•常に張り上げたような声になってしまう
•共鳴腔のコントロールが苦手

つまり、無声子音は力みの抜けたアタックを作りやすく、「やわらかい入り口」から声を整える手助けになります。


■ 子音は“筋トレツール”である

子音をただの発音記号と捉えるのではなく、発声筋(声帯筋、外側輪状甲状筋、声門閉鎖筋群など)をターゲットに鍛えるためのスイッチと考えると、トレーニングの幅が一気に広がります。

実際にハリウッド式(Seth Riggs)では、生徒の声のタイプや習慣に応じて「処方箋のように子音を使い分け」ているのが特徴です。


■ 実践時の注意点

子音の選び方を間違えると、逆効果になることもあるので注意が必要です。
•声門閉鎖が強すぎる人に有声破裂音を与えると、喉を潰す危険性がある
•声が薄い人に無声子音を多用すると、さらに声がスカスカになる

トレーナー側には、「聴き分け」と「子音の処方」の両方において高いスキルが求められます。


声の質感を整えるには、子音というツールを**“声のマニュアルシフト”**のように活用することが鍵。
ぜひ、生徒の声の傾向に合わせて、科学的な視点で子音を選んでみてください!

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