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TIMELINEタイムライン

金子 恭平2026年2月26日 10:59 am

【鼻づまり時のエクササイズ置き換え】

暖かい日が増えて、過ごしやすい季節になってきましたね。
一方で、花粉が本格的に飛び始めたことで鼻炎に悩まされている生徒さんが大勢います。

ハリウッド式ボイストレーニングで大定番のエクササイズとして「Mum」や「Nay」がありますが、MもNも鼻に抜ける子音です。鼻腔が塞がっている状態では空気が逃げ場を失ってしまい、まともに発声できません。

お家で練習するときのため、お勧めの置き換えエクササイズをご紹介しますね。
 
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▼Mumのかわりに「Buh」

「Bookのブ」のイメージで「ブッブッブッ」と発音します。
Buhと書くと「バッ」と読むのが一般的ですが、ここでは「ボッに近いブッ」だと思ってください。

B子音はM子音よりも強烈に声帯を閉じるため、母音はやや狭くすることでMuhに近い強度を狙っています。

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▼Nayのかわりに「Kay」

「ケイケイケイ」と歌います。
この発音なら、Nayがターゲットとしている共鳴状態(Twang)をある程度再現できます。

極端に喉頭を上げるとやりづらいことが多いので、Funny Nayよりはニュートラル寄りの、普通の歌声に近い音を狙ってもよいでしょう。

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▼体調に合わせてエクササイズは変えるべき

なるべく継続的に発声練習は行いたいのですが、声帯や声道が毎日同じ状態でいてくれることはありません。
悪い日は悪い日なりに、できることを探して練習するのが大切です。

もちろん、本当に調子が悪いときはお休みにしてくださいね!

三浦優子2026年2月25日 10:54 am

【声の土台と深層外旋六筋の関係】
  
身体を楽器として機能させるという視点で考えると、
実は深層外旋六筋の硬さは「楽器化」を妨げる要因のひとつになります。
この筋群が硬くなると骨盤が後傾しやすくなり、下半身で床を押した反力が体幹を通って上半身へ伝わりにくくなります。
その結果、本来身体が持っているエネルギーを、声に十分に乗せることが難しくなってしまいます。
  
特に日によって声のコンディションの違いが大きい方や、
声に詰まり感を覚える方は、
意外にもこの深層外旋六筋の状態が影響している可能性があります。
   
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また、パソコン作業やボイストレーナーなど、長時間座っている仕事をされている方は、骨盤が後傾した姿勢が続きやすい環境にあります。
この状態が習慣化すると、深層外旋六筋は縮んだまま働き続けるため、次第に硬くなりやすくなります。

さらに、この筋群は坐骨神経の近くを走行しているため、過度に緊張すると坐骨神経痛の一因になることもあります。
声の不調とお尻や脚の違和感が同時に起こる場合、実は同じ場所が関係しているケースも少なくありません。

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身体全体が楽器として機能しているか、
その土台となる骨盤や股関節の状態にも目を向ける。
こうした視点を持つことで、本当の意味で身体を楽器化させることができます。
ぜひ身体全体的に目を向けてみてくださいね!

桜田ヒロキ2026年2月13日 9:36 pm

【なぜアーティストの声はあんなに良く聴こえるのか】

「アーティストの声って、なぜあんなに気持ちよく響くんだろう」。
この疑問の答えは、声帯の強さや声量だけでは説明できません。
鍵になるのは、意外にも「母音」にありそうです。

【「あ」は一つではない】
クリス・ハートさんは「『あ』の発声には200種類(のバリエーション)がある」と言っていた事があったそうですが、これは研究の考え方とも一致しそうです。
私たちは「あ」を一つの音として扱いがちですが、実際には同じ「あ」でも、口の開き方、舌の位置、喉頭の高さ、声道の形が少し変わるだけで、音色は大きく変化します。
つまり母音は、固定された一点ではなく、連続的に変化する“音色”でもあります。
(声を科学的に解析する時、時間変化による情報量の多さがそれを難しくする原因でもあります。が、同時に人間の耳や脳はそれを芸術的に知覚するのに優れている事にも気づきいつも感動させられます!)

【フォルマントが音色を決める】
この音色の違いを生み出している中心が、フォルマント(声道の共鳴周波数)です。
声道の形が変わると、F1やF2といったフォルマントの配置が変わり、同じ母音カテゴリに聞こえていても、響きの印象は別物になります。
歌が上手く聴こえる人ほど、この「母音の中の微細な音色差」を、音域やフレーズに合わせて自然に選び分けています。

【歌唱では母音を“保持”する】
ここで重要なのは、「正しい母音は一つ」という発想を手放すことです。
歌唱では母音は一瞬で終わりません。
発話では短時間で処理される母音も、歌では数百ミリ秒から数秒間、同じ母音を保持します。
その間、母音の形(声道の形)が少しでも崩れれば、音色は揺らぎ、響きが浅くなったり、息っぽくなったり、ピッチすら不安定になったりします。

【アーティストの声が安定する理由】
だからこそ、アーティストの声が「良く聴こえる」最大の理由は、母音の再現性にあります。
偶然一度だけ良い音が出るのではなく、狙った母音の響きを、必要な場面で何度でも再現できる。
この再現性が高いほど、歌声は安定して聴こえ、音色が洗練されていきます。

【まとめ:歌声の差は母音にある】
もし「音程は合っているのに声が決まらない」「同じフレーズなのに日によって響きが違う」と感じるなら、
支えやパワーを足す前に、母音の音色がどの位置にあるかを見直してみてください。
同じ「あ」でも、あなたの中にいくつの「あ」がありますか。

歌声の差は、母音の中にあります。

加藤真太郎2026年2月10日 4:42 pm

歌い方解説をもっと詳しく解説!

私加藤は昨年からInstagramでの発信活動を始めました!
そこで投稿している歌い方解説の、動画では伝えきれないもっと詳しい解説をこちらでしてみます。

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最後の雨 / 中西保志
1992年の楽曲ですがカラオケでよく歌われているランキングを見ると、必ず上位に入っている名曲です。 若い世代の方でも良く歌っている印象があります。

「本気で忘れるくらいなら〜」
・Bメロ後半からメロディーラインや後ろの演奏がドラマチックに盛り上がっていきます。
一瞬無音になり、そこから一気にサビに入っていくため、出だしの「本気〜」には物凄く注目が集まります。ここはBメロで盛り上がったテンションをそのままに、勢いよく入っていきたいところです。

・「忘れる」には、食って入るという解説を入れていますが、ここではシンコペーションというリズムが使われています。
本来ポップスにおいてアクセントは、基本的に表拍にきます。(1・2・3・4)
しかしこのフレーズでは、2拍目のアクセントの前に、そのアクセントをあえてずらしています。
こうすることで、基本的なところから変化させたリズムのノリが生まれます。こういった部分が音楽の楽しい部分なんですよね。
これをシンコペーションと言い、リズムを食うと表現されることが多いです。
このリズムのノリを表現するために、強調してアクセントをつけるようにしたいですね。

「泣けるほど〜愛したりしない」
・vは主に休符の意味で付けることが多いのですが、この休符を感じることでリズムのパワーを歌に伝えることができます。

・「愛したりしない」はこのサビの中で1番盛り上がる部分です。 後ろの激しいドラムの演奏に呼応するように強めにアクセントを置きながら、ビブラートをかけてエモーショナルに歌い上げます。

「誰かに盗られるくらいなら〜」
・ここでは前述のシンコペーションのリズムが出てきます。シンコペーションする歌詞の母音を強調するように歌っていきます。これをやらないと、非常にのっぺりとした機械的な歌に聞こえてしまいます。母音を長く歌うということは、歌い上げるという意味で非常に重要です。

「強く抱いて〜君を壊したい」
・「強く抱いて」には、語るという解説を入れました。音域が低いところへ降りてきているので、ここは一度メリハリをつけるためにボリュームを落として語るように歌ってあげます。
そして最後の、「君を壊したい」でもう一度気持ちを入れて歌い上げることで、ダイナミクスを表現しています。

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歌唱表現において大事なことは、音楽を理解する力です。
抑揚をつけるためにただボリュームを上げ下げするのではなく、音楽を読み取って正しく解釈した表現をできるようにしたいですね!

金子 恭平2026年2月9日 7:12 am

寒さが身に染みる季節ですが、みなさん健康にお過ごしでしょうか?

歌いづらいと感じてはいませんか?
もしそうだとしたら、それは気のせいではありません。

冬の冷たく乾燥した空気は、声帯の粘性(ねばり)を増大させ、自由な発声を妨げるのです。

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▼固まる潤滑油

声帯を保護する粘液は、寒さに触れると粘性が増します。
サラサラだった潤滑油がネバネバになってしまうイメージです。

この変化により、声帯を振動させるのに必要な呼気圧の閾値(Phonation Threshold Pressure)が上がってしまいます。
ある音程を歌うのに、いつもより息の量と力が必要になるのです。

こうなると、繊細な表現は難しくなります。

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▼数値で見える「声の不安定さ」

声帯振動効率の低下は、以下の2つの指標の悪化として観測されます。

ジッター(Jitter):
 声帯が閉じるたびに音程が乱れる現象です。この値が上がると、いつもどおりに歌っても狙った音に当たりません。

シマー(Shimmer):
 声帯が閉じる強さが不規則になる現象です。この値が上がると、ガサガサとした雑音混じりの声になります。

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▼結局加湿が大事

こうした現象から喉を守るには、やはり加湿しかありません。

1日多めに水を飲んだくらいでは、声帯全体は潤わないといわれています。
歌い手のみなさんは、日ごろから多めの水分摂取を心がけましょうね。

お部屋の湿度は40~60%に保ちたいところです。

それでも寒い時期の喉の不調が絶えない方は、吸入器や濡れマスクの導入も検討してみてください。
吸入器などの蒸気はダイレクトに声帯表面の粘性を下げてくれます。

小野貴之2026年2月7日 7:58 pm

📝鼻声を聴き分ける耳を作ること。"鼻声→プレスするまでがセット"

軟口蓋が下がっていると鼻への通り道が出来てしまいます。これにより、こもった声になったり、響きの悪い声になってしまいます。音量は稼げず、決してよい声とも呼べません。

◆ですが、ティーチャーは「音量が上がりすぎている声」に対しても「鼻に入ってしまっている」とジャッジすることがあります。

これは、音量が稼げないことを補うために過剰な声門閉鎖(プレス)を行なっているケースです。

音量(声量)の稼ぎ方には主に2つの要素があり、声門下圧を高めること、もうひとつは声道の形の作り方を工夫して高周波数帯域を強調することです。

◆発声において大切なのはバランスです。やりすぎるとよい声にはなりません。

声門下圧を高めすぎると、小さな声帯はエネルギーを受け止めきれずに不要な筋肉まで巻き込んで過剰な声門閉鎖(プレス)を引き起こします。

軟口蓋が下がり、高周波数帯域のボリュームが落ちてしまうことに対して、過剰な声門閉鎖で補おうとする。これはかなりよくあるケースです。実際小野も普段レッスンをしていてよく遭遇します。

◆大切なのは聴き分ける耳です。
こもっている、高周波数帯域が減衰している、=即鼻声、でもありません。鼻声には特有の音があります。鼻声プレスの音も、チューニングの乱れが起こるので察知することができます。

声には本当にさまざまなケースがあります。上記のように軟口蓋が下がっているからプレスするケースもありますし、息の量が多すぎるけどプレスはしたくない→息が漏れ過ぎて気づいたら鼻からも漏らしている...などもあります。

私も多くの聞き間違いを経験してここまできましたが、現在はこうした音の聴き分けに自信を持っています。

ちなみにこんな話をしておいてなんですが、レッスン中には鼻声を指摘せずにデモンストレーションだけで修正することが多いです。なぜなら、軟口蓋は指摘して上げられるようなものではないからです。いい声になったとき、自然と軟口蓋も声門下圧も整っているものなのです。デモと、少し別の言葉を使ったディレクションで声を探してもらい、よい声を出していただいた後で、最初のあのエクササイズは鼻に入っちゃってたんですよ、というように教えたりします。

◆あとで録音を聴き返すことは優れたイヤートレーニングになります。自分で練習するには、よい声とそうでない声の聴き分ける力が必要です。

ちなみに、イヤートレーニングに最適なのはVT-RVです。歌声をトレーニングする上で必要な能力は、半分は耳なのです。

田栗ななえ2026年2月7日 12:26 am

【ダイナミクスで切なさを表現しよう/絢香:三日月】

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今回、加藤先生のレッスンでは、絢香の「三日月」を切なく歌うことをテーマにレッスンを行っています。このレッスンでは、ダイナミクス(強弱)の変化を使って、切なさを表現していきます。

ダイナミクスとは、音の強弱のことです。
単に音を大きく出すことだけでなく、表現に合わせて音量を小さくコントロールすることも重要です。また、歌詞の意味とダイナミクスがリンクすることで、筆で曲のストーリーを描いていくような流れを作ることができます。

ポイントは、音の大きさそのものではなく、小さくコントロールした声とのコントラストを作ること。それによって、強弱がより自然に聴こえてきます。

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今回のレッスンポイント(絢香「三日月」)

・君がいない夜だって
【ダイナミクス】
→「みー」でクレッシェンド、「だって」でデクレッシェンド
【歌詞とのリンク】
→クレッシェンドによって「君」が強調され、「君」への思いの強さが表れます。
 「だって」でデクレッシェンドすることで、「いない夜の寂しさ」を表現します。

・そう no more cry
→「cry」でビブラート。
 「no more cry」という歌詞ですが、「泣きたいけれど泣かない」その間にある感情を意識したビブラートにすると、より世界観が作れそう。

・もうなかないよ
→「もう」でエッジボイス(音量は小さく)。
 エッジボイスで「泣きたい気持ち」と決別するように、感情を切ります。

・頑張っているからねって
 強くなるからねって
【ダイナミクス】
→「頑張って」「強く」を力強く歌い、サビ前半との変化をつける
【歌詞とのリンク】
→力強く言い切ることで、言葉から強い意思が感じられます。同時に、前半との強弱のギャップによって、無理をしながらも前に進もうとする姿が見えるので、より切なさが伝わってくるのではないでしょうか。

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ダイナミクスを意識しながら、ぜひ試してみてください☺︎

桜田ヒロキ2026年2月6日 11:39 am

【なぜ歌唱では母音が重要なの?】

歌唱において「母音が重要である」という点は、多くのボイストレーナーや歌手が感覚的には理解しています。

しかし、その理由を発声構造や歌唱特性の観点から具体的に理解は少し難しいかもしれません。

【会話と歌唱では、声の使われ方が違う】
日常会話では、意味の識別において子音が大きな役割を果たします。

一方、歌唱では事情が異なります。
フレーズの中で時間的に最も長く保持されるのは母音であり、実際に「歌声として鳴っている時間」の大半は母音です。

【発話と歌唱における母音の持続時間】
発話における母音の持続時間は、一般的におよそ 80〜150ミリ秒 程度とされています。

母音は子音と連続しながら短く処理され、言語の意味を伝える役割を担います。

一方、歌唱では母音の持続時間は大きく伸びます。
フレーズやテンポにもよりますが、500ミリ秒〜数秒以上 同じ母音を保持することも珍しくありません。
つまり歌唱では、発話時の 数倍から十数倍 の時間、同一母音を安定して維持する能力が求められます。
この持続時間の差こそが、「歌声の印象の多くが母音で決まる」最大の理由です。

【歌声の印象は母音で決まる】
聴き手が受け取っている音色、響き、声の明るさや重さといった要素は、長く鳴っている母音の質によってほぼ決定されます。
子音が正確でも、母音が不安定であれば、歌声は整って聴こえません。

【日本語歌唱と五母音の関係】
日本語は五母音「あ・い・う・え・お」を基本とする言語です。

日本語歌唱では、この五母音をさまざまな音域・音量・表現の中で、どれだけ均質な音色で安定させられるかが、歌唱の完成度を大きく左右します。言い方を変えると、「どの母音をどの高さで歌っても、その歌手のキャラクターから逸脱しないようにする必要がある」とも言えます。

【母音は発声の安定性にも影響する】
母音ごとに舌の位置、口腔の広がり、声道の形状は変化します。
これらの調整が不十分なまま音域が上がると、声が詰まる、押し出される、あるいは息が過剰に漏れるといった問題が起こりやすくなります。

【ボイストレーニングでの捉え方】
ボイストレーニングにおいて「良い声を出す」という表現は抽象的ですが、日本語の歌唱に限って言えば、「広い音域にわたって、五母音を長時間・安定した音色で維持できる状態」と言い換えることができます。これは一言で述べれば端的ですが、歌手はこれを習得するために何年もトレーニングを積むのです、、、!

【母音が整うと、歌は自然に変わる】
母音の質が整うと、ピッチの安定、響きのまとまり、フレーズの流れが自然に改善します。
良い声になった!歌が上達した!と感じる瞬間の多くは、母音の持続と安定性が変化した結果として現れると思います。

【まとめ:歌声の土台は母音にある】
もし歌唱中に、声が不安定に感じる、響きが浅い、音域によって歌いにくさが変わる場合、筋力や支えを強める前に、まず母音を「どれだけ安定して保てているか」を見直してみてください。

歌声の土台は、常に母音の中にあります。

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