【ミックスボイスって何?1】筋肉の役割を理解しよう
2015.09.29
こんにちは!VT Artist Developmentの桜田ヒロキです!
「ミックスボイスって結局なんだろう?」と言う事をテーマにいくつかの観点で書いてみようと思います。
第1回は、まずは発声における筋肉の役割を整理してみようと思います。
歌唱におけるボイストレーニングではよく使われるミックスボイスと言う言葉。
ある先生は「地声に裏声を混ぜるんだよ」
ある先生は「裏声のポジションで地声の響きを加えるんだよ」
ある先生は「地声に裏声なんて混ざるわけない。そんなものは無い」
と言います。
結局のところはどれが正しいのだろう?と考えてしまいますね。
音声学の権威にミックスって何?と聴いてみました
そこでThe National Center For Voice & Speech (NCVS)のKaren Titze Cox(音声学では世界的な権威 Ingo Titze氏のお嬢様にあたります)に「あなたの考えるMIXとは何ですか?」と質問をした事があります。
答えは非常にシンプルでした。
「CT(輪状甲状筋)とTA(甲状披裂筋)の連動です。」
彼女の言った事を考えると、この2つの筋肉の役割を理解すればミックスボイスとは何か?を理解出来そうです。
CT 輪状甲状筋とは?
声帯を引き延ばす筋肉になります。
例えるなら輪ゴムを弾いて音を出してみます。
高い音を作ろうとする時には引っ張り、
低い音を作ろうとする時にはそれを緩めますね?
この例では、輪状甲状筋はこの引っ張り緩めたりする「腕の力」に例えられそうですね。
したがってCT(輪状甲状筋)の役割は以下のように決定づける事が出来ます。
・声帯を引っ張る
・声帯を緩める
総称すると音程(音の高さ)を作る筋肉と言えます。
また声帯を引っ張る事に着目をすると、高い音を作る筋肉とも言えます。
TA 甲状披裂筋とは?
声帯を縮める筋肉になります。
先ほどと同じ例えで、輪ゴムを弾いて音を出してみます。
輪ゴムを引っ張ったり、緩めたりする「手の力」に対して輪ゴムを引き戻そうとする「輪ゴム自身の力」がありますね?
このゴム自身の力が無いと、輪ゴムを弾いてもハリのある「ビーン」と言う音はなりません。
したがってTA (甲状披裂筋)の役割は以下のように決定づける事が出来ます。
・声帯を縮める筋肉
・声帯を縮める事によって厚みを作る筋肉
・声帯に張りを作る筋肉
それによって声帯で作られる音色を司る筋肉とも言えます。
ちなみにTA (甲状披裂筋)が極度に緩むと声帯に張りを保つ事が出来ないので、いわゆる息っぽい裏声になります。
この事からもTA (甲状披裂筋)「地声的な音色を作る」上で非常に重要な筋肉なんですね!
もう一度整理してみましょう
【輪状甲状筋の役割】
・音の高さを作る
・高音を作る
【甲状披裂筋の役割】
・地声的な役割を作る
この2つの筋肉を合わせる事が出来れば力強い高い地声が出来そうですね!
でもそれぞれの力の向かう方向を確認してみましょう。
そう・・・。真逆を向いているわけですね・・・。
ここでそれぞれの筋肉が音程に合わせて力のバランスを変える必要があるわけです。
では、次回はそれぞれの筋肉のパワーバランスを考えて行きましょう〜!
お楽しみに!
【続編】 ミックスボイスって何? その2 はこちら!
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解説しているインストラクター
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セス・リッグス Speech Level Singing公認インストラクター(2008年1月〜2013年12月)
VocalizeU認定インストラクター
アメリカ、韓国など国内外を問わず活躍中のボイストレーナー。
アーティスト、俳優、プロアマ問わず年間2000レッスン以上を行うボイストレーナー。
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