共鳴腔の役割 フォルマント編
2015.04.08
こんにちは!VT Artist Developmentの桜田ヒロキです!
発声の3大要素の共鳴編です!
Respiration(呼吸)
Phonation(発音)
Resonation(共鳴)
発声は上記の3つの要素で作られていますね!
さて、前回の「共鳴腔の役割 倍音編」に引き続き今回はフォルマントについてお話をしようと思います。
かならず前回のおさらいして下さいね!!
フォルマントとは何か?
「フォルマントは共鳴腔の容積によって作られるAcoustic Value(音響数値)である。と考えるのが最も自然でしょう」と前回の倍音編で書きました。
例えば、ペットボトルに水がある程度入った状態で息を吹き込むと高い音が作られます。
◆ 空間容積が狭い = 高い音をブーストする→高音域にフォルマントが出来る
※超重要なポイントです。
ペットボトルに水をそこから減らした状態で息を吹き込むと低い音が作られます。
◆ 空間容積が広い = 低い音をブーストする→低音域にフォルマントが出来る
※超重要なポイントです。
つまりは「広い空間は低い音をブーストする特性がある」そして「狭い空間は高い音をブーストする特性がある」と言う事が言えます。
スペクトラルグラムでの見方
まずは簡単にですが、スペクトラルグラムの見方を確認しましょう。
これが極めて簡単にですがスペクトラルグラムの見方を説明した写真です。
縦軸を音のエネルギー(音量)として考えましょう。
縦軸が大きければ大きい程、音量が強いと考えます。
さらに「縦軸の大きな山がたくさんあれば、音量がとても大きくなる」と言えます。
縦軸が多い=音色にも影響すると言う事は前回の「共鳴腔の役割 倍音編」をご覧の方はご存じのはずですね!
横軸は周波数(音の高さ)と考えましょう。
さまざまな周波数の倍音が1つ1つの山になるわけですね。
高い周波数に倍音が集まれば「キラキラ明るい音」になりますし。
低い周波数にたくさん倍音は集まれば「暗い音」になるわけです。
母音とフォルマントの関係性
人間は主に二つの共鳴腔をコントロールして言葉を発音します。
1つは「声帯から舌の奥まで」これを音声学ではF1と定義しています。(フォルマント1番と言う事です)
2つめは「舌の奥から唇まで」これをF2と呼びます。(フォルマント2番と言う事です)
倍音を十分にふくんだ音が声帯で作られ、それを上の共鳴腔でブーストしているのです。
あ(AH)母音
まずは「あ(AH)」と発音した声のスペクトラルグラムを見て見ましょう。
AHの母音を見ると「喉側(F1)は狭く、口側(F2)が大きいメガホン型母音」である事がわかります。
スペクトラルグラムで見てみても、喉側が狭いので、F1は高い周波数にまでパワーがあります。
F2は口側が大きいので、あまり高くないのが見えます。
い(EE)母音
では、「い(EE)」と発音した声のスペクトラルグラムを見て見ましょう。
EEの母音を見ると「喉側(F1)は広く、口側(F2)が狭い逆メガホン型母音」である事がわかります。
スペクトラルグラムで見てみても、喉側が広いので、F1は低い周波数にしかエネルギーがありません。
F2は口側が狭いので、非常に高いところにまでエネルギーが存在します。
そしてEE母音の1番の特徴は「口が大きく開かないので、エネルギー量(音量)自体があまり大きくない」事です。
倍音の山は「母音」そして「個性」を作り出します
VT Artist Developmentのボイストレーニングは大きく分けて2つのステージを行ったり来たりしながら行います。
1 声帯の原音の調整
2 「共鳴腔サイズのチューニング技術」のトレーニング
母音はこの2番目の「共鳴腔サイズのチューニング技術」のトレーニングに絶大な影響を及ぼします。
母音の倍音構成を理解し、トレーニングする事により「くぐもった声」を「明るくよく通る声」にする事も出来ますし、
「ギラギラしすぎる声」を「落ち着いた柔らかい声」にチューニングする事も出来ます。
そしてもちろん、自分の欲しい音色に合わせて「明るい音」そして「柔らかい音」を自由にコントロール出来るようにもなります。
VT Artist Developmentの動画「ボイストレーナーズチャンネル」でも倍音について解説をしています。
よろしければご覧下さい!
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解説しているインストラクター
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セス・リッグス Speech Level Singing公認インストラクター(2008年1月〜2013年12月)
VocalizeU認定インストラクター
アメリカ、韓国など国内外を問わず活躍中のボイストレーナー。
アーティスト、俳優、プロアマ問わず年間2000レッスン以上を行うボイストレーナー。
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