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経験豊富なボイストレーナーから学ぶ「レッスンの進め方」― ボイストレーナー育成&養成講座【VT-RVレポート第6回】


こんにちは!VTボイストレーナーの三浦優子です!3月からスタートしたボイストレーナー育成&認定講座【VT-RV】 第2期の講義は折り返し地点となりました!
いよいよボイストレーナーとしての「基本的な知識」のインプットが完結します。
今回は「エクササイズツール(音階)」と桜田ヒロキインストラクターのレッスン見学&解説の様子をレポートします。
 
 

ボイストレーナーに必須の知識「エクササイズツール(音階)」とは?

前回までの桜田インストラクターの講義では「声をどのように聴くのか」や、「母音・子音の特徴」などボイストレーナーとして土台となる内容を学んでいました。
今回のテーマは、もうひとつの重要な要素「エクササイズツール(音階)」についてです。
音階の特徴を知り、「どのピッチからスタートするか」や、「音階が上昇するのか下降するのか」を判断することで、声への影響が大きく変わります
 
たとえば、地声から裏声をスムーズに移行しやすくしたり、音域を広げるのに適したものや、地声の強化を促すものなど、目的や効果に応じて様々なツールがあるのです。
このような音階ツールの特性に、以前学んだ母音と子音の特徴を掛け合わせることで、エクササイズは初めて“その人に合ったかたち”として完成します。
逆に言えば、それぞれの特徴がしっかり理解できていれば、実際に声を聴かなくても、エクササイズが順番に並べられた表を見るだけで「この人はこういうボイスタイプかな」と予測できるのです。
 
今回の講義では、桜田インストラクターが用意した表を見て、どんなタイプかを予想してみました。
受講生の皆さんはしっかりと答えられていて、母音・子音・音階それぞれの特徴をきちんとインプットできていることがうかがえました。
 
 

経験のない新人時代、頼れたのは「知識」と「仲間」

エクササイズ表については、桜田インストラクターから丁寧な解説がありました。
「喉頭が上がりやすい“フリップタイプ”には、こっちのエクササイズの方がいいかも」
そんな別パターンの提案もあり、思考のロジックをチラッと垣間見えた気がしました。
生徒さんとの実際のレッスンでは、声を聴きながら瞬時にエクササイズを選び、どんどん回していくので、常に頭がフル回転状態になります。
私も新人時代には、一日が終わる頃にはヘトヘトに疲れていました。
特に新人の頃は、経験による引き出しがまだ少なく、頼れるのは知識でした。合間にノートを見返しながら、確認することもよくしていました。
当時は、桜田インストラクターやVTの先生に相談したり、レッスンを見学させてもらいながら、「このエクササイズの流れを私も取り入れてみよう!」と試行錯誤していました。
 
 

桜田インストラクターのレッスンに学ぶ「生徒の課題」に寄り添う力


基本的なエクササイズを学んだ後は、応用的な使い方やレッスンの組み立て方へ。実際にどう展開していくのかを、桜田インストラクターによるフルレッスン映像を見て学びました。
今回、レッスンの撮影にご協力いただいた方はミュージカル学科に通う大学生。彼女の悩みは、「声が震えてしまう」こと。
音声外来で診てもらったところ、片方の声帯が大きくなっていて、声を出すと声帯の周りの筋肉が震えている状態とのこと。この原因はおそらく歌唱技術によるものだと診断されたそうです。
桜田インストラクターは、実際に声を聴きながら、「どのような状況で声が震えてしまうのか」をチェックしていました。その後、いくつかエクササイズを歌ってもらい、最適なアプローチを探っていました。
 
 

「本来の力を引き出す」未来を見据えたボイストレーニング

桜田インストラクターは、喉頭が上がりやすい「Nay」という言葉がいいのか、喉頭を下げやすい「Gug」の方がいいのか、などを試しながら瞬時にジャッジしていきます。
こうした的確な判断力と柔軟なアプローチが、声の震えのような歌の悩みの改善に繋がるのだと実感しました。
印象的だったのは、技術指導にとどまらず、生徒さんの将来を見据えた上で、発声練習をどのように進めていけばいいかを、本人に伝えながらエクササイズを行っていたことです。
歌唱では、細かい発音などを修正した後、「意志のある歌い方」と「なんとなく歌ってしまうこと」の違いを指摘していました。
意志のある歌い方では声のパワーや表情にも変化があり、聴いていてもグッとくるものがありました!
まさに彼女の良さを引き出すレッスンで、得るものがとても多く、50分のレッスン見学があっという間でした!
 
 

対面講座だからこそ伝わる、学びの空気感とつながり


今回、人数を限定して初の対面での受講を実施しました。
ふだんはオンラインのみで行っている講義ですが、「直接受けてみたい」という声を受けてのチャレンジです。
実際にオフラインで参加された受講生からは、こんな声が届きました。
 
「家で受けるより集中できますね。時間があっという間でした!」
「桜田先生の声や動き、デモンストレーションを間近で感じ取れたのがすごく良かったです」

 
講義の合間には、桜田インストラクターに直接質問したり、受講生同士で声をかけ合ったり、 画面越しでは生まれにくい“つながり”が、自然と広がっていく様子も印象的でした。
対面ならではの空気感、学びの熱量、そして交流のあたたかさが感じられ、とても好評でしたので、機会があれば、また開催したいと思います。
 
 

次回は、VT-RV2期生インタビューをお届けします!

次回のレポートでは、VT-RV2期生の方のインタビューをお届けします。
2期生の皆さんが、どんな経緯でボイストレーナーになったのか、VT-RVを受講しての変化などをお伺いしたので、お楽しみに〜!
VT-RVについてはこちら

投稿者プロフィール

三浦優子
三浦優子
大阪音楽大学短期大学部ミュージカルコース卒業
宝塚音楽学校附属宝塚コドモアテネ卒業
幼少の頃からクラシックバレエを習い、毎年行われる発表会やその他数々の公演、業界最大手の舞浜大手テーマパークのショーやパレードに出演。
ダンスパフォーマンスにおいては特に活躍を遂げ、忙しい日々を送ると同時にボイストレーニングを続けるが、自分の悩みを解決できる先生となかなか出会えず「これで上達できるのか?」と不安を感じ、次第に歌を諦めてしまう。
そんな中、発声を科学的に捉え、的確なトレーニングを行えるVTチームの存在を友人から聞き、VTチームのレッスンを受講。
ハリウッド式ボイストレーニングに感銘を受ける。
現在は自身の「踊りながら歌う難しさ」を克服した経験を活かし
「ダンサーとしてミュージカルの舞台に立ちたい」
「ミュージカルに出演しているが、シンガーの枠に入りたい」
という方々を中心としたサポートに向け、勢力的にトレーニングを行っている。
全米ヨガアライアンスRYT200を取得し、ヨガインストラクターとしても活躍中。
クライアント一人ひとりに合った姿勢矯正を行うことにより、発声の改善、呼吸の改善、ダンスの改善を行い、クライアント様から高い評価を得ている。

>>詳しいプロフィールはこちら

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