金子 恭平2024年12月23日 8:45 pm
長谷川先生が教えてくれる、歌の上達に欠かせない母音の作り方です!
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Beforeのスタッフ後輩ちゃんの歌唱、すでに上手に歌えているのですが、歌詞の母音が動くたびに音質も大きく変わっているのが分かりますか?
「あいうえお」それぞれは全く異なる周波数特性を持っているので、お喋りと同じ口の使い方だと響きが統一されません。
スタッフ後輩ちゃんの場合は、「う」や「い」の段をかなり口を閉じ気味に歌っているので、よくよく聴くと音質がキリキリしているのが感じられると思います。
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長谷川先生のデモでは「あ」の発音はちょっと「お」寄りに歌い、そのまま顎の位置を変えないで「い」の発音に移っていますね。このように全体的に「Uh(『あ』と『お』が混ざったような発音)」に近いところで母音を作るのが基本になります。僕の知る限り、少なくともイタリアンオペラと、それに影響を受けたハリウッドメソッド(SLS系統)ではこのように発声を作っていきます。
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かといって、スタッフ後輩ちゃんの最初の歌い方が絶対に駄目かというと、そんなことはありません!
激ウマ歌手のなかには、上記の基本から外れた発声で魅力的な歌を届けてくれる人たちが沢山いますよね。
僕個人としてはAfterのスタッフ後輩ちゃんの声の方がふくよかな響きで統一されていて好きなのですが、人によって好みは分かれるところかもしれません。
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基本の発声から外れてよいかどうかの基準は、「意図的にやっているのか、それともそうなってしまっているのか」だと思います。
例えば「い」の高音を顎を固めて細い音で”しか”出せないという場合は、まずは音声学的に無駄の少ない発音で歌う練習をするのがオススメです。
いざという時に帰ってこられるホームベースとして、「あいうえお」の響きを統一した口の開き方や舌の位置をマスターしましょう!
桜田ヒロキ2024年12月22日 12:21 pm
スタッフちゃんが陽香先生にセミ・オクルーディッド・ボーカルエクササイズについて質問しています。
①リップトリル
②タントリル
③ラズベリー
④ストローエクササイズ
⑤ラックスボックス
Semi-Occluded Vocal Exercisesは、頭文字を取ってSOVTと呼ばれることもあります。Occludedは「閉鎖された」という意味を持つため、「半分閉鎖されたボーカルエクササイズ」と考えられます。声帯より上のどこかで閉鎖されている部分があり、それによって息の流れや声の出力が部分的に妨げられます。
これにより、リップバブルを行うと声帯と唇に圧力が生まれます。
・ 圧力の助けにより声帯を左右対称な滑らかな振動を作りやすくする
・ 空気力学の力により声門の閉鎖期を補助できる
声帯は筋力で無理に閉じるのではなく、一定のところまで筋肉で声帯を引き寄せた後、空気の力で声帯が自ら内側に吸い寄せられることを促すのが理想とされています。実際に声門閉鎖率を計測すると、セミ・オクルーディッド・ボーカルエクササイズを行っている際、本人がリラックスした発声状態だと認識していても、声門閉鎖率は比較的高くなることが分かっています。
【SOVTをボイストレーニングに応用するコツ】
歌唱に耐える発声法としてSOVTを使う場合、SOVT→楽曲、もしくは通常のボーカルエクササイズを行う、これを交互に行うことです。
①これによりSOVTで効率的な発声法を行う
②楽曲で歌う(実環境に適合させる)
これにより、高い効果を得られると思います。
三浦優子2024年12月22日 12:23 am
【地声と裏声のばらつきがある人にオススメ】
スタッフちゃんとゆうり先生のレッスンでは塔の上のラプンツェルの「自由への扉」を練習しています。
高音ではヒョロヒョロな裏声になってしまい、逆に低音ではウエイトの重い地声になってしまっています。
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【裏声から地声へ下降するエクササイズ】
「Wee」という言葉を使い裏声から地声へなめらかにチェンジする練習をしています。
この時のポイントは、地声へ切り替えていく時に声色が急激に変わらないことです。
地声へ下降していくにつれて、舌が奥まってしまったり、口の形が変わっていかないように気をつけましょう。
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【地声から裏声へ上昇するエクササイズ】
裏声から地声で発声した時のクオリティをキープするように上昇するエクササイズを行いましょう。
このように、まずはエクササイズのツールを使って地声と裏声の声の質を統一できるように練習しましょう。
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【エクササイズで使った言葉で歌う】
いきなり歌詞に戻してしまうと、母音によってバラつきが出てきてしまったり、チェンジが上手く行かなくなってしまうことがあります。
なのでまずはエクササイズで使った言葉で歌い、地声と裏声のバラつきを防ぎながらスムーズに行き来できているか確認してみましょう!
その後に歌詞に戻して歌うと、歌いやすくなりますよ♪
桜田ヒロキ2024年12月17日 5:17 pm
【ビブラートのトレーニング方法】
ビブラートのトレーニング方法は沢山の方法が考えられます。
ボイストレーナーによっては「自然な発声法を修得すれば自然に出来るようになる」と考える方が多いです。
確かに声が過緊張な状態ではビブラートは掛かりにくいので、これの考え方には一定の真理はあると思います。
桜田個人的には、ビブラートやトリル、リフのトレーニングを取り入れる事によって間接的に声にリラックス状態を作る事が出来ると考えています。
逆説的に考えると、「発声のリラクゼーション⇔声の瞬発系のトレーニング」を交互に積極的に行う事によって双方ともにメリットが生まれると考えられます。
【中音域での練習】
ビブラートは「拮抗する発声筋群の震え」と言う考えが現在の主流です。
こう考えると、「低音時に優勢になりやすい筋肉群」「高音時に優勢になりやすい筋肉群」が入り交じる中音域くらいでのトレーニングが成功しやすいと思います。
一般的な男性は G3からE4くらいがコントロールしやすいでしょうし、
女性の場合C4からG4くらいがコントロールしやすいでしょう。
【大げさに音程を振る】
ビブラートは音色を豊かにする事を目的にする場合は通常、半音程度。
しっかり聴かせる事が目的であれば全音幅(半音2つ分)程度になります。
「低音時に優勢になりやすい筋肉群」「高音時に優勢になりやすい筋肉群」をそれぞれ活性化するのが目標であれば、振るピッチも普段行わないくらい大きく降るのも作戦になりそうです。
大げさに5度幅(ドからソの幅で半音7つ程度)を素早く振る方法も良い作戦だと思います。
技術的に可能であれば1オクターブ幅ですら素早く振る練習も効果的だと思います。
この様に発声時のフィジカルに起こる事を考えていけば、そこからトレーニング方法を検討する事が出来ます。
もちろん、トレーニングの設計時には多くのトライ&エラー、検証を行う事が大切です。
金子 恭平2024年12月16日 10:45 am
「歌とエクササイズが一致しない」というのはボイトレのお悩みあるあるです。高音発声においてそう感じている人が多いのですが、そもそも歌唱のときとエクササイズのときで歌い方全般が違ってしまっているケースがよく見られます。
歌唱法と発声は切り離せないものなので、エクササイズもなるべく実戦に即した形で行いたいものです。
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【ゆうり先生の動画】
前半の悪い見本と、後半の良い見本の違いをよくよくよく聴いてみてください。音の切り方にフォーカスした説明をしていますが、切り方を意識することでスケール全体の躍動感が増し、母音が整い、とても美しい歌声になっているのが分かると思います。
「声の躍動感」も「整った母音」も、高音発声には欠かせない要素です。
結局のところ、「上手に歌ったほうが上手に発声できる」ということなんです!
音楽的な声を作る過程では、「切り方」や「ビブラート」など、意識しやすいものを一つ選んで取り組んでみるのがオススメです。一つを意識すればそれが引き金となり、他の部分も良くなってきますよ!
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※例外
そもそも「上手な歌い方」を勘違いしているケースだと、音が移動するたびに母音が歪んでしまったり、強弱がつきすぎたりしてしまいます。そうした場合は、エクササイズの際に講師から「あまり歌いすぎないで」と指導されるかもしれません。
よくある勘違いの例としては、「アー」と歌うときに必ず「ハアー」と言ってしまう癖などがありますね。
三浦優子2024年12月15日 12:03 pm
【裏声に逃げない対策】
後輩ちゃんと真太郎先生のレッスンでは、ケロっと裏声にひっくり返ってしまう時の対策をしています。
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【Hの子音が入ってしまう】
「君にいま」の「いま」の部分が「ひま」に聴こえています。
これは声帯を閉じる力に対して、息の流れる量が増えてしまっているからです。
このようになるとひっくり返りが起きてします。
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【Gの子音で調整】
Gは声帯を閉じる力を助けてくれる子音なので「いま」を「ぎま」にして練習をしています。
ここで息の抜けすぎを調整しています。
声帯を閉じる力と息の量のバランスを調整することでひっくり返りを防ぐことができます。
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このように濁点をつけて練習することで裏声に逃げずに歌う事ができます。
今回の動画では歌の一部分に「H」が入ってしまっていますが、歌うと全体的に息漏れをしてしまう場合にも応用が効きます!
その場合も、息が漏れてしまうフレーズを濁点をつけて歌い、息の流れを調整してからまた濁点を外して歌ってみてください♪
加藤真太郎2024年12月13日 8:23 pm
陽香先生とスタッフちゃんによる、高くて強い声を作り上げていくレッスンになります。
「BABYMONSTER / SHEESH」
YG Entertainment発、BLACKPINKの系譜を継ぐBABYMONSTERの王道ガルクラです! さすがにYG発というだけあって、歌もラップもめちゃくちゃ上手いです笑。
さてそんなBABYMONSTERのデビュー曲、SHEESHではBridge(Cメロ)の部分で非常に高い音で、なおかつ力強く歌うフレーズが出てきます。「Fly away, オン セサグル ティジボ, Come on let's ride〜」のところですね。ここずっと高い笑。
【舌の位置とそれが声に与える影響】
そんな難しいフレーズに挑戦しているスタッフちゃんでありますが、入りはすごく綺麗にまとまった声で歌えていますよね。ただその反面、Come on let's rideのところでパワーを作るのが難しくなってしまい、思いっきり声が抜けてしまっているなという印象です。
このbeforeのスタッフちゃんの声を聞いて、なんとなく歌のお姉さんを想起しませんか? いわゆる喉が開いた声というか。
喉はすごくリラックスした状態を作れていると思います。ただこのバランスだと、ここのフレーズを歌うのは難しい。なんとかしてこの声にもっとパワーを入れたいと考えたとき、陽香先生は「YAY(イエイ)」という言葉でエクササイズを行っています。
イとエの母音を発音しているとき、舌は口の中の前の方にポジションを取ります。舌が前の方にあるとき、声色としては明るい音色を作りやすいです。この明るさが声にパワーを与えてくれます。
しっかりYAYでパワーを入れていきますが、練習する音の高さを考えると非常に強度が高いです。そこでビブラートを使ってあげます。
ビブラートが、パワーが入りすぎないように上手く力を分散させることで、声にしなやかさを与えます。力強いかつしなやかな高音の完成です。最初とは全く印象の違うパワフルな歌声になりましたね!
田栗ななえ2024年12月13日 4:09 pm
【歌用の「い」 母音の作り方】
大阪の長谷川先生と後輩ちゃんが、
『い』母音の調整法についてレッスンをしています。
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歌う時の『い』母音は、「縦に開く」形を作っていきます。
縦に開くことで強くなりすぎず、他の母音との共鳴腔も揃えていけるので
声に統一感のある音色をつくっていく事が出来ます。
母音の特性に
「横広がり」→地声に引っ張られる(ex.あ、え)
「縦に開く」→高音に引っ張られる(ex.い、う、お)
というのがあります。
母音の特性を考慮しながらうまく調整していくことが大切です◎
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最後に、『い』母音の作り方のポイントです。
1、歯と歯の間に隙間を作る(手の親指縦1本分ほどの幅)
2、少し唇を前に突き出す
普段喋る時の『い』母音は、歯と歯の間が狭くなりますが、
長谷川先生のデモンストレーションでは、ポイントのように逆方向に開いているのがわかると思います。
そして、舌の位置で母音の調整しているのも見えますね。
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初めて練習する時は、逆方向動きが違和感のように感じるかもしれません。
でも、やっているうちに動きに慣れてくるのでご安心ください!☺︎