金子 恭平2025年2月12日 8:38 pm
【ビブラートを速くするエクササイズ!】
歌唱を聴いて「ビブラートがくどい」と感じることがあったら、音程変化の速さに注意してみてください。たいていの場合、不快に感じるビブラートは遅いはずです。音程の波が大きすぎるんですね。
※海外では、適正な振幅数(1秒間に6回前後)で揺らした声を「Vibrato」、速すぎるものを「Tremoro」、遅すぎるものを「Wobble」と呼び分ける先生もいるようです。
真太郎先生が、ビブラートの速さを上げる(音の波を小さくする)エクササイズを紹介してくれています。一緒に動画を観ていきましょう!
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スタッフ後輩ちゃんのBefore歌唱は、遅いビブラートが悪目立ちしています。
スタッカートを使ったフレーズの伸ばす部分を揺らして練習します。スタッカートそのものがビブラートに近い動きなので、自然な音程変化を誘発してくれるでしょう。
このときの母音は「い」です。
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その後は歌詞に合わせて、母音を「あ」に変更して同じ練習をします。
「あ」は「い」よりも声帯が強く合わさりやすいので、ビブラートも遅くなりがちです。意識して先ほど作ったスピードを維持しましょう。
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Afterの歌唱では、ビブラートの速さが適切になりました!語尾が生き生きと、躍動感をもって響いていますね。
桜田ヒロキ2025年2月9日 9:58 pm
高音を歌うとき、顎が痛くなったり噛み締めていませんか?
歌うときにストレスがかかりやすい場所のひとつが「顎」です。特に高音を出すとき、つい顎に力が入ってしまって、口がうまく開かず痛みを感じることもありますよね。
顎を開ける筋肉には次のようなものがあります。
1. 外側翼突筋:顎を前方にずらしてワニのように大きく開く動きを助ける筋肉
2. 舌骨上筋:舌骨を支点に顎を引っ張って口を開ける筋肉
でも、実は「力を抜く」だけでも口はかなり開きやすくなるんです。
顎は下顎骨自体が重たいので、噛み締める力を抜くだけで十分効果があります。
今回紹介する動画では「咬筋」のストレッチを解説しています。咬筋は、体の中でも特に強い力を発揮する筋肉で、100〜200kgもの力を生むと言われています。
この筋肉が少しでも緊張していると、歌うときに口を開く動きを邪魔してしまうんです。
このストレッチを行うことで咬筋をリラックスさせ、歌いやすい状態を作ることができます。また、食いしばり癖がある方にも効果的です。
ぜひウォーミングアップに取り入れて、リラックスした発声を身につけてみてくださいね!
三浦優子2025年2月8日 8:20 pm
【地声強化したい人にオススメ】
スタッフちゃんのお悩みは地声をしっかり出したいとのこと。
女性の歌の悩みについてアンケートを取ったところ、この悩みは特に多かったです。
ビフォーでもキレイに歌えていますが、もっとかっこよく歌うためにも地声強化は大切になります!
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「あ」と「え」の間で発声をして声門閉鎖の強度を高めています。
このトレーニングではアニメっぽい声になっているので、直接歌声には結びつきません。
ここでの狙いは、声門閉鎖の強度や声と息のバランスを整えることなので、アニメっぽい声での発声時に息が抜けたような声にならないことを特に気をつけます。
口をワイドに開いて「あ」と「え」の間を狙うと息っぽさを減らすことができます!
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これができたら、ここから歌唱で使える声色に戻していきます。
ここでは「え」→「あ」→「ざ」(歌い始めの歌詞)と段階を踏んでいます。
この時、できるだけ声と息のバランスが変わらないようにと意識することで、歌詞になっても、地声が出しやすくなります。
ぜひお試しください。
田栗ななえ2025年2月6日 8:46 am
【楽曲に合った音色を作るって楽しい!】
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恭平先生とスタッフちゃんが、SixTONES /マスカラの楽曲にあった音色を作るレッスンをしています。
Beforeの歌声は、元気なパキッとした印象です。恭平先生も挙げているように、この曲は明るいと言うよりは少しダークな印象がある方が楽曲にマッチしそうです(この曲のPVも、薄暗い部屋や濃いめピンクの薄明かりの世界観 ☺︎)。
エクササイズでは、Nuで喉を少し落とすことで声門閉鎖を弱め、音色に柔らかいニュアンスが出るように進めています。
恭平先生は、母音を「Noの口のままNuを歌う」ように伝えています。「o」の母音に寄せる事で、声門閉鎖を緩ませすぎないように。そして、その後のMaの母音でも応用しやすいように。そしてその先の歌詞にそのまま繋げられるように、工夫しています。「u → o → a」と母音が広くなるので、中間の母音を意識してもらっている感じです。
逆にuの母音に寄せすぎてしまうと、声門閉鎖が緩みすぎてしまい、歌に応用するときに声が抜けてしまう可能性があります。また、抜けた声を入れようとして力が入りすぎてしまう可能性もあります。歌に応用できる感覚を保てるエクササイズを処方することがとても大切なのです◎
Afterのスタッフちゃんの音色と声の動き、違いがすごいです!そして、柔らかい声になったことでの雰囲気のある妖艶な印象と、オケで聴こえてくるかっこいいベースの動きとのマッチングが聴こえてきますよね☺︎
加藤真太郎2025年2月5日 7:15 pm
低音→高音に入っていくときに、低音で使っているチェストボイス(地声)をそのまま持ち上げて高音を歌おうとする方は多いかなと思います。特に1st Bridgeと呼ばれる中高音域のエリア(男性だと高いミ〜ソ、女性であれば高いラ〜ド)であればそれは顕著です。
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このレッスンでは、tuki.さんの晩餐歌をスタッフくんの声の良さが出るようにキーを5つ下げて歌っています。Beforeでは、「最高のフルコース」というフレーズをチェストボイスを持ち上げるように歌っています。キーを下げたことにより、このフレーズの音程がちょうど男性の1st Bridgeのところに差し掛かってくるので、こういう歌い方になりやすいんですね。
このフレーズをtuki.さん本人のように途中でチェストボイス→ファルセットに切り替えて歌いたいということで、ゆうり先生はFO(フォ)という言葉でエクササイズを行っています。Fの子音をくっつけてあげることで声帯間の息の量を増やし、うまく声の力が抜けるように誘導してあげます。
このエクササイズのポイントはバランス良くつながった声で歌うのではなく、逆に低音と高音で差をつけて歌うことにあリます。
上がってくる途中の音を地声で強く歌うことで、あえて上で急に裏声にひっくり返ったように聞かせます。tuki.さんの歌い方を再現するために、普段のレッスンとは少し違ったディレクションをしているのだと思います。
Beforeでは力強いエモーショナルな歌唱、Afterではアーティスト本人のような柔らかく切なさを感じる歌唱。どちらが正解ということはなく、どちらにも良さがあり自分はどう歌いたいのかを考えることが大切なのかなと感じます。
長谷川ゆうり2025年2月3日 4:57 pm
お手本の歌手の方の、力強い、太いリッチな声の印象をマネしようとして、
この動画のスタッフちゃんのように、重々しく、声を掘りすぎてしまっている方は結構いらっしゃいます。
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Before の声の状態を分析してみると、
・喉頭が下がりすぎている
・母音が深くなりすぎている
・舌が奥まりすぎている
リッチな音色というよりは、こもった感じの音色になってしまっていますね。
マイクのりもあまり良くなさそうです。
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陽香先生のレッスンでは、
ケッ、ケィ を使って、声色を明るくするトレーニングをしています。
このエクササイズで、
下がりすぎた喉頭を引き上げ、舌の位置を高めに持っていくことにより、明るく鋭い響きに寄せていきます。
大切なのは、それぞれの持ち声にあったサイズ感の「リッチな声」を出すこと。
After は、スタッフちゃんの持ち声にあう「リッチな声」になった事により、ビブラートのかかり具合が軽やかになり、グルーヴ感もグッと良くなっています♪
金子 恭平2025年2月3日 1:14 pm
【メロディをブツ切りにしないで!】
歌は基本的にレガート(滑らか)であるべきです。速い曲でも、グルーヴが売りの曲でも。
「レガートかつリズムコンセプトが伝わる歌唱」が多くの人に好まれるので、プロ歌手は大抵そのように歌っています。
※例外パターン
僕が10代でアイドルをやっていた頃は、プロデューサーからとにかくアタック(音の立ち上がりの強調)を沢山つけるよう指示されていました。僕の歌唱力が低かったので、ブツ切りにしてでもリズムを引き出してくれていたのだと思います。
また一部の音楽ジャンルでは拙い雰囲気が好まれるので、そうした狙いがある場合はあえてチョッピ―(ブツ切り)に歌うのもアリでしょう。
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さて、今回は滑らかな歌唱の効果を実感させてくれる動画を観ていきましょう。スタッフ後輩ちゃんが、ちゃんみなさんの『Never Grow Up』を練習しています。
Beforeはまさにブツ切り歌唱ですね。
アタックが付きすぎていますし、語尾の余韻も感じられません。下手ではないけれど、子供っぽい印象を受けるのではないでしょうか。
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奈加先生の指示は
・リラックス(正門閉鎖をゆるめる)
・語尾を意識して柔らかさを出す
です。レガートになるよう導いていますね。
ちなみに奈加先生の「狂わせた」の伸ばし方がめちゃくちゃ格好いいです!ハスキーな声とほんの少しのしゃくり上げで、ニュアンスが爆増しています。
先生の指導を受けて、スタッフ後輩ちゃんの歌い方も少しずつよくなっていきます。
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「最後のキス あぁ」の「あぁ」の頭に、あえてHをつけるように指示が入りました。
ウィスパー成分が増して、やるせない感情が強調されています。
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After歌唱、すごく良くなっていますね!
切なくてセクシーで、それでいてしっかりリズムコンセプトが聞こえてきます!
桜田ヒロキ2025年1月27日 1:08 pm
【ボイストレーナー向け】
鼻声、生徒さんに多くないですか?
鼻声に悩む生徒さん、結構いませんか?
今回の例は「開鼻声」といって、鼻に音を導きすぎた結果、濁った鼻声になってしまうケースです。
開鼻声になると、声の出力が弱まるだけでなく、声色も鈍くなってしまうため、効率的な発声とは言えません。
ただし、「ま行」や「な行」のような子音は鼻声になるのが正しい場面もあります。これらは鼻声子音と呼ばれ、発音時に鼻に響く必要があります。
しかし、母音を発声しているときに鼻声になってしまう場合、それは改善が必要です。
鼻声を治すエクササイズ
効果的な方法のひとつが、B子音やG子音などの破裂音を使ったエクササイズです。鼻声は母音を発声する際に口蓋帆(こうがいはん)が下がることで起こります。
破裂音を発音する際には口蓋帆が自然と上がり、口腔内の気圧を高めてから音を出すので、鼻声を防ぐ助けになります。
ただし、口蓋帆が下がりすぎると「んがぁ〜」のような濁った音になりやすいので注意しましょう。
このエクササイズを繰り返すことで、口蓋帆を正しくコントロールできるようになり、鼻声を改善できます。
コツは「お手本」を作ること
まずは鼻声になりにくい発声をしっかり練習して、自分の中に「正解の感覚」を作りましょう。
一度お手本ができると、正解と不正解を明確に区別できるようになるので、練習の質がグッと上がります!
鼻声の改善は時間がかかることもありますが、地道な練習で確実に変化が出ます。生徒さんのサポートにぜひ役立ててください!