オーディション詐欺に注意!実は養成所の生徒募集!?
今回は、オーディションについての動画をアップします。
誰もがインターネットが使えるようになり、オーディション情報も気軽に探せるようになりました。しかし、オーディションの中には注意が必要なものも多くあります。
「投資家を探すためのオーディションなのに、気がつけば数十万円を支払って養成所に通っているだけ」といった状況にならないために、
・オーディションを受ける本来の目的
・気をつけるべきポイント
を解説します。
オーディションにご用心!ありがちな落とし穴とは
「オーディション選考の結果、合格です!」
頑張って挑んだオーディションを受けた後、こんな連絡が来たら嬉しくなりますよね。
でも、その後にこんな言葉が続いたら要注意です。
「◯◯さんには才能がありますが、磨く必要があるので事務所が提携する養成所に通ってください。本来のレッスン料は1年間で100万円です。
でも、特待生として通ってもらうので、特別に50万円で通えます」
文字にしてみると怪しさ満点ですが、実際にいわれてみたらどうでしょうか。
オーディションのために毎日練習して、頑張っていた人ほど「頑張りを認めてもらえた」といった気持ちになってしまうかもしれません。
そうして、本来オーディションを受けた目的からズレて「お金を支払って養成所に通い続けているのに仕事はもらえない」といった状況に陥ってしまうことがあるのです。
オーディションを受ける本来の目的は…
オーディションを受ける本来の目的は「投資家(スポンサー)」を探すことです。
アーティストのスタイルはさまざまですが、一般的に「プロ」といわれている人たちの仕事は自分の歌やパフォーマンス、雰囲気、あり方などを商品化して、それを多くの人に売ることです。
多くのアーティストが事務所に所属するのは「商品化して多くの人に売る」という個人では難しいプロセスをサポートしてもらうためといえるでしょう。
大切なのは事務所がどこから利益を得るかという点です。
オーディションを開催して「その歌手の歌を聴きたい」「活躍を見たい」と思ってもらえる人材を発掘し、将来的に曲を配信すれば飛ぶように売れる、ライブを行えばチケットが完売するようになれば事務所はファンの方々から利益を得て、事業を好調に回していくことができます。
将来的な利益を生むために、事務所は才能があると見込んだ人材に投資して育成します。
これは歌手と事務所にとって理想的な関係ですが、事務所の中にはこうしたことを始めから目的とせず、オーディションを受けた人からお金をとって運営しているところもあるのです。
オーディションを受けて合格したとしても、これでは目的を果たせません。
オーディションビジネスはどう判断したらいいの?
オーディションの合格者に養成所を案内するなどして数十万円〜のお金をとること自体は、実際にレッスンを行っているのであれば詐欺とはいえません。
しかし、メジャーデビューや歌手としての活躍を夢見てオーディションを受ける人を利用していることに違いはありません。
こうしたオーディションビジネスは非常に多いため注意しましょう。
知識は社会経験を積んでいくうちに身についていきますが、若いうちは判断が難しいものです。
合格者からお金をとろうとする事務所はそこを利用します。
そのため親に直接交渉することはほとんどなく、社会経験の少ない子どもに親を口説かせるのです。
オーディションに受かった場合には、たとえ大手事務所でも運営会社についてネット検索や口コミなどできちんと調べることが大切です。
大手の事務所だからといって、養成所だけで特別なトレーニングを行っているとか、養成所に通わないと教えてもらえないメソッドがある、なんてことはありません。
こんな事務所には注意!オーディションビジネスを見極めるポイント
ここで、具体的にどんな事務所に注意すべきかお話しします。
当てはまるからといって一概にオーディションビジネスとはいえませんが、大きな決断をする前の判断材料としてみてください。
・決断を急かす
オーディション合格後にガンガン電話がかかってくる、「明日までに決めてください」などと急かされる場合には注意しましょう。
親や知識のある人に相談されたくない場合、本人にいち早く判断させようとすることがあります。
・広告でよく出てくる
「オーディション」と検索したとき、広告で出てくるオーディションには注意しましょう。
頻繁に出てくる場合、多額の広告費をかけています。
事務所やオーディション自体のプロモーションという可能性もありますが、「どうしてオーディションにそんなにお金をかけるのか?」と考えてみましょう。
・所属料やレッスン代が高額である
事務所の所属料として5万円がかかる、レッスン代の内容が不透明など、お金の面で不信感を抱くことがあれば所属しないことをおすすめします。
一般的なボイストレーニングやダンスレッスンと比較してみることも大切です。
・年齢不問・未経験可
「年齢不問・未経験可というオーディションはどうなんでしょう?」という相談が多くなっています。
たしかに、ネット上の広告で「年齢不問・未経験可」という募集が非常に多く見られますが、そうした募集のしかたで事務所が多額のコストをかけて投資したいと思える逸材を発見できるでしょうか。
こうしたオーディションでは「合格」を告げられた後に、作曲・アレンジ・レコーディング・プレゼンライブなどで50〜70万円がかかるといわれています。
もちろん、お金を支払って自分のオリジナル曲を作って満足できるならそれもよいでしょう。
しかし何度もいうように、本来の目的が投資家を探すことであればこうした募集には応募しないことをおすすめします。(70万円もあれば、大きなライブハウスで土日にライブをしてもお釣りがきますよ…)
自分の能力と向き合うことが大切
オーディションビジネスに引っかからないためには、上記のポイントと合わせて自分の能力としっかり向き合うことが大切です。
自分を客観的に見て、多くのお客さんが惹きつけられるような歌手であるか、あるいは今後そうなれると思えるか考えてみましょう。
そして、「実力が足りない」と思ったらそれですませるのではなく、「何が足りないのか」「どうしたら思い描く自分になれるのか」を突き詰めましょう。自分一人では無理だったら、トレーナーや歌の先輩、家族、友達など信頼できる人にアドバイスを求めるのもおすすめです。
「養成所に通って」といわれたとしてもオーディションビジネスではなく、本当に「魅力はあるけど実力が足りない」といった場合もあります。そんなときも、自分の能力を正確に把握していれば間違いのない判断ができるでしょう。
今回のポイントは?
今回は、ボイストレーニングとは直接関係がないものの、非常に多く質問や相談が寄せられる「オーディション」と「オーディションビジネス」についてお話ししました。
重要なポイントは3つです。
オーディションの目的は投資家を探すこと
オーディションに受かった後、お金がかかる場合には注意
自分の能力としっかり向き合おう
1回のオーディションが人生のターニングポイントになることもあります。よい方向に変わるターニングポイントとなるよう、目的に沿ったオーディションかどうかしっかりと見極めましょう。
解説しているインストラクター
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セス・リッグス Speech Level Singing公認インストラクター(2008年1月〜2013年12月)
VocalizeU認定インストラクター
アメリカ、韓国など国内外を問わず活躍中のボイストレーナー。
アーティスト、俳優、プロアマ問わず年間2000レッスン以上を行うボイストレーナー。
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