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【ボイストレーニング講座レポ】世界的トレーナー・グレッグ先生から学ぶ“教える技術”とは?

こんにちは!VTインストラクターの三浦優子です。 世界的ボイストレーナーであるグレッグ・エンリケ先生の来日ワークショップ【2日目】のレポートをお届けします!
この日は、私たちVTチームのボイストレーナー育成・認定講座「VT‑RV」受講生限定で行われた、超・実践的な特別プログラム。1日目はライブレッスンを通して「声の変化」を体感する内容でしたが、2日目の今回は、「教えることの本質=教育学」について深く掘り下げる時間となりました。

教える前に知っておきたい「教育学」ボイストレーナーに必要な視点とは?

今回グレッグ先生から学んで、あらためて「教える」ということの本質に触れたように感じました。 先生はまず、大抵の教育学では「どう歌うか」という“技術”にばかり目が向きやすいと指摘されました。
しかし、本来の教育学は「どう教えるのか」を扱う学問。 技術(何を教えるか)教育(どう教えるか) が混ざってしまっているケースが多いのだと話されていました。
たとえばボイストレーナーであれば、ホイッスルの出し方やベルティングの方法など、技術的な説明が中心になりがちです。 でも本来必要なのは、「どう伝えるか」や「どう気づかせるか」といった “教え方の技術”=教育学 の部分だと先生は強調していました。

さらに印象的だったのが、「何を考えるか」と「どう考えるか」の違いについてのお話です。
生徒から質問を受けたとき、その質問に至るまでの経緯や根拠は何なのか?
使われている単語は、同じ意味として共有できているのか?
まずそこを丁寧に確認し、そのうえでどう解決へ導くかを一緒に考える。このプロセスこそが教育である と先生はおっしゃっていました。
また、生徒が今どんな感覚をつかんでいるのかを正確にキャッチするためにも、 日頃から「耳」と「喉」を鍛える必要があるというお話も非常に心に残りました。
実は、こうした視点は【VT-RV】2期のアマンダ・フリン先生の講義内容とも重なっています。 アマンダ先生から学んだことと、グレッグ先生が伝えてくれたことには共通点が多く、 「教えるとは何か」という本質がより深く腑に落ちた気がしています。
 

【ボイストレーニング実践】4つのエクササイズ分類と6つの歌唱アプローチを整理

講義の後半はお待ちかねのライブレッスン。 1人目の受講者の女性は「5tone Ah」で気流の不安定さが指摘され、4つのカテゴリーに基づいたエクササイズが行われました。

4つの発声エクササイズ・カテゴリー・Ney(ハイラリンクス)オクターブリピート
・Mum(話し声)オクターブリピート
・Gee(ローラリンクス)オクターブリピート
・リップバブル(SOVT)1.5オクターブ

まず最初に行われたのは、ハイラリンクス(喉頭を上げる)エクササイズ。喉頭を上げることで音としては好ましい響きにはならないものの、気流が一定に保たれるため、非常に効果的なアプローチであると解説してくださいました。
続いてMumを使ったエクササイズに移りましたが、この段階では母音のばらつきが見られたため、ローラリンクス(喉頭を下げる)エクササイズで声の位置を整え、最後にSOVTのリップバブルへ。 この流れで声と息のバランスをリセットしていきます。
それぞれのエクササイズの「目的」をグレッグ先生が明確に解説してくれたことで、一つひとつが“何のためにやるのか”が見える化されました。

再度「Mum」を行うと…場内から「おお〜!」と歓声が上がるほど、音が見違えるように変化しました。
続く歌唱パートでは、「この感覚で歌ってみて」と先生が伝えると、本人も驚くほど軽やかに歌えていました。
ここでグレッグ先生が、ふと手を止めてこうおっしゃいました。
「生徒とレッスンをしている時、歌唱でできるアプローチは6個しかないんだ。」
そして、一つずつ丁寧に6つの項目を解説してくださいました。

グレッグ先生が伝えた「歌唱に対する6つのアプローチ」1.姿勢を調整すること
2.余計な動きを取り除くこと
3.問題のある箇所に“気を逸らす”アプローチを入れること
例:特定の箇所だけクライング法で発声する
4.子音・母音を調整すること
5.音楽性を調整すること
(キーチェンジ、ビブラート、強弱、スピードなど)
6.エクササイズの代替案を見つけること
例:歌詞を「Now」に置き換えて歌う

グレッグ先生によると、
「歌唱アプローチは6種類、エクササイズのカテゴリーは4種類。
だからボイストレーナーとして焦る必要はないんだよ。」

この言葉を聞いた瞬間、頭の中がスッと整理された感覚がありました。 複雑そうに見えていたレッスンの組み立ても、実はこの“10個の基本セット”の中で完結している。そう考えると、驚くほどシンプルです。
実際に先生の指導を見ていると、「分かりやすく、効果的で、そして無駄がない。」 そう感じられた理由は、この明確な整理と体系化にあるのだと納得しました。
 

ミュージカル俳優への指導に学ぶ「プロの声を引き出す」レッスン力


2人目の受講者は、ミュージカル作品で主要キャストを務めてきたシンガーです。
ここでもまずは「5tone Ah」からスタート。ここでグレッグ先生が、声の評価で真っ先に確認するポイントについて話してくださいました。
「レッスンで最初に探すのはたった一つ。ブリッジングができているか、できていないか。できていない場合は“筋肉を使いすぎている”か“使わなすぎている”か、そのどちらかだけなんだ。」
2人目の方はブリッジング自体はできていたものの、少し筋肉を使いすぎていたとのこと。そこで、4つのカテゴリーのエクササイズを組み合わせ、声のバランスを丁寧に調整していきました。
調整の途中、先生はこんな言葉も添えていました。
「彼女はすでに素晴らしいシンガーだから、私から学ぶことはないよ。 ただ、彼女の中にある“知っていること”を私が引き出しているだけなんだ。 もし私から学ぶことがあるとしたら、それは“一貫性”。 生徒がやりたいことを、どうすればもっと楽にできるか。いつもそれを考えている。」
その後の歌唱パートでは、実際に舞台で歌っていた曲を披露。ここで先生は、話し声との関係性について触れながら説明されていました。
「本来は話し声と同じ位置で歌えることが望ましい。 ただ、舞台ではより高い要求をされることがあり、結果として話し声とかけ離れてしまう場合もある。彼女の歌は修正があるとすれば、ブリッジングの難しい部分だけだろうね。」
そう言いながら、より歌いやすくするために必要なエクササイズを使い、少しずつ調整していく姿が印象的でした。
レッスンの最後には、その方に合いそうな曲の提案まで行われました。 “今の声”と“今後の可能性”を見据えたアドバイスで、まさに長期的な視点でシンガーを支える提案でした。
目の前で指導を見ていると、 グレッグ先生は常にシンガーへの深いリスペクトをもって接し、 その人の持つ良さを最大限に引き出すことに全力を注いでいる。そんな姿勢がはっきりと伝わってきました。
 

受講生の声「魔法のよう」「でも確かなロジックがある」参加者が感じた変化

ここでグレッグ先生は、再び「教える」という哲学について触れてくださいました。
「人は“楽器”であることを忘れてはいけない。なぜ技術を学ぶのか?それは、声に求められることをこなし、それを超えていくためなんだ。大切なのは、会話の中で正すのではなく、エクササイズの中で“どういう感覚になりたいか”を感じてもらうこと。生徒が迷っているときは、いくつかの選択肢を実際にやらせてみるんだ。 そうすると、だいたい答えは見えてくる。」
私たちボイストレーナーの背中をそっと押してくれるような、深く温かい言葉でした。

そのあと先生は、「エクササイズを組み立てるときの大事な順番」と「レッスン中にどこへ意識を向けてエクササイズをしていたのか」 についても丁寧に紐解いてくれました。
グレッグ先生の講義の2日間を通して感じたのは、 シンガーへの深いリスペクトです。そして、シンプルなのに、驚くほど的確な指導が生まれる理由が、理解できてきました。
受講生からも多くの声が寄せられていました。
「魔法のようなボイトレ!でも、その裏には確かなロジックとテクノロジー、知識と経験があると感じた」
「もっと考えながら、生徒さんのレッスンに向き合おうと思います」
「無駄のない洗練された技術は、音楽やシンガーへの深いリスペクトから生まれていると感じた」

参加した受講生は、これからの“音楽との向き合い方”や“生徒さんへの接し方”が変わっていくはずです。 もちろん、私自身もその一人です。本当にあっという間で、濃くて、充実した時間でした。
 

【VT-RV第3期決定!】世界的トレーナーから学べるボイストレーナー育成講座


ボイストレーナー育成・認定講座 「VT-RV」では、グレッグ・エンリケ先生のような、 世界的に活躍するトレーナーから直接学べる機会が用意されていることも、大きな魅力の一つです。
✅️技術だけでなく、「教える」という本質を深く学びたい。
✅️これからボイストレーナーを目指したい。
✅️すでに現場に立っていて、さらに自分の指導レベルを引き上げたい。
そんな方々にとって、間違いなく大きな成長につながるプログラムです。
好評につき、 第3期の開催も決定しました!
開催時期や詳しい内容は、公式から近日中に発表されます。 興味のある方はぜひチェックしてみてください。
 
▶ 詳細はこちら:VT-RV講座ページ

投稿者プロフィール

三浦優子
三浦優子
大阪音楽大学短期大学部ミュージカルコース卒業
宝塚音楽学校附属宝塚コドモアテネ卒業
幼少の頃からクラシックバレエを習い、毎年行われる発表会やその他数々の公演、業界最大手の舞浜大手テーマパークのショーやパレードに出演。
ダンスパフォーマンスにおいては特に活躍を遂げ、忙しい日々を送ると同時にボイストレーニングを続けるが、自分の悩みを解決できる先生となかなか出会えず「これで上達できるのか?」と不安を感じ、次第に歌を諦めてしまう。
そんな中、発声を科学的に捉え、的確なトレーニングを行えるVTチームの存在を友人から聞き、VTチームのレッスンを受講。
ハリウッド式ボイストレーニングに感銘を受ける。
現在は自身の「踊りながら歌う難しさ」を克服した経験を活かし
「ダンサーとしてミュージカルの舞台に立ちたい」
「ミュージカルに出演しているが、シンガーの枠に入りたい」
という方々を中心としたサポートに向け、勢力的にトレーニングを行っている。
全米ヨガアライアンスRYT200を取得し、ヨガインストラクターとしても活躍中。
クライアント一人ひとりに合った姿勢矯正を行うことにより、発声の改善、呼吸の改善、ダンスの改善を行い、クライアント様から高い評価を得ている。

>>詳しいプロフィールはこちら

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