カラオケで練習すると歌が下手になる!?その2
昨今流行っているカラオケ採点番組。
あれを見ていると私は悲しくなります。
生身の人間が機械音を伴奏に歌って、機械にジャッジされているのを観て、一喜一憂する様子。
いや、全然良いんです。ゲームをする感覚として観ていて楽しいし番組としてはとても。
でも音楽的には×です。
人間の歌にはカラオケでは採点出来ない技術が満載
一般的な理解で観ると、カラオケ王者覇者=一番歌うまい人という勘違いを起こしてしまいますよね。
下手ではないから高得点なんでしょうけどね。
最近は色んな機能で精密に作られてるとはいえ、さすがにグルーヴやスライド、ポルタメントなど”歌の技術“を入れるとそれをズレと捉えてむしろ特典が落ちるようです。
それに、原曲よりも素晴らしいメロラインが思いついて歌いたい場合、どうすればいいの?笑
音楽はなぞるものではなく、生み出すもの。
そう、ミュージシャン達は生み出す事に命をかけているのです。
プロのアーティストとカラオケへ
少し前に「カラオケならうまく歌えるのに、本番うまく歌えない」と訴えるアーティストと一緒にカラオケ店に行ってみました。
カラオケのマイクは高音成分をよくピックアップする
二人で色々検証。
原因のひとつはマイクでした。
カラオケのマイクは声の要素のHig(キラキラした部分)をとても吸い取りやすく、ハイラリで(アニメのキャラクターの様な声)歌うとまぁ上手に響く事!!!
マイクを外して「ねぇ、私今こんな声で歌ったんだけど」と同じ歌い方でで歌ってみせると、実音は本当に「萌え〜」
という声。
一緒に行った子は目をぱちくり。
そして次に私が、自分の声でいつも通り歌ってみました。
抑揚をつけると小さく繊細に歌ったところを全く拾いません。
これには私も目をぱちくり。
「ちょっと貸して」とアーティストがたまにマイクで歌ったり、実音で歌ったりしてみる。
「やばい!!!もうあたし絶対カラオケで練習しない!」
そして次の日からスタジオ練習に切り替えました。
スタジオ練習に切り替えてからの上達は目覚ましいものでした。
アーティストを目指そうと思えば、CDを作ったりします。
CDはコンデンサーマイクと言って小さなノイズや吐息すらもしっかりキャッチします。
そういう世界を目指す人がカラオケでいくら練習しても、繊細な歌い方や細かい表現を体得できる訳がありません。
サッカー選手になりたくてスケートリンクでボールを蹴っているのと同じ位おかしな話です。
歌に重要なのは繊細な表現力
もうひとつはベロシティー(音量の大小)。
打ち込みで作られた音楽は歌い手の感情を無視して打ち込まれた様に何回でも同じ伴奏をします。
歌い手もまた、そんな音楽に耳を傾けるはずもなく、大音量で歌います。
オケがこの詩に対してどんな風に作られているのか、このフレーズはこの情景を思い浮かべたからこういう伴奏なんだなーなどと考えて歌う人はほとんどいないはず。
そう、全く歌を煽ってくれません。
歌が揺れてうねって、楽器が心地よく揺れる。
それこそが心に響く音楽です。
プロ歌手を目指す皆さん、趣味でもとびきり歌が上手になりたいあなた、是非参考にしてみてください。
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