高い声(ヘッドボイス)を訓練するメリットは?
2016.01.10
こんにちは!VT Artist Developmentの桜田ヒロキです!
今日は高い声を訓練するメリットについてお話しようと思います。
ほとんどの方が高音に悩みを持っています
結局のところ、ボイストレーニングに通う、多くの方が高音の開発で悩んでいます。
これはほとんどの人が「この音域が歌えたらいいな〜」とボンヤリ思っていると言う事かもしれません。
僕もバンドをやってた時に「そんな高い声出たら俺も歌うな〜」と特にギターリストに言われていました。(笑)
今日は高い声を出せるようになると得られる恩恵について書いてみます。
歌える曲が増えます
これは本当に単純な話ですが、世の中にある既存の曲を歌っていくとすると高音域が半音伸びるだけで、数百曲レパートリーが増えるのではないでしょうか。
VTのボイストレーニングに通うクライアント様では大体1年間毎週の「トレーニング+自己練習」で福山雅治さんの特に低い曲を選ばなくてはいけなかった方が現在はCHEMISTRYさんの曲を練習しています。
歌っている曲を比べれば音域がどのくらい拡がったか簡単に想像が付くと思います。
音程が良くなります
高音発声時に強く働く輪状甲状筋(CT)は声帯を引っ張ったり緩めたりする働きがあり、音程をコントロールする筋肉でもあります。
従って「音程が取りづらい」と言う方が高音のトレーニングを行う事により、音程を正確さを上げる事が出来ます。
ちなみに「いわゆる(耳で音程が聞こえない)音痴(TONE DEAF)の場合どうするのですか?」と質問を受けた事がありますが、僕はこのタイプにはお会いした事がないです。
「音程感が甘い」「スケール感や音楽的秩序が甘い」と言う人は多く見かけます。(この場合は音楽的な訓練が必要になります。)
しかし、2つ音を出して「どちらが高いかどちらが低いかわかりますか?」とドとソを出して不正解の人には未だお会いした事がありません。
一見、絶望的な音痴のように見えてもボイストレーニングを行う事によって状態の改善は十分に行う事が出来ます。
今のところですが。
声が明るくきらびやかになります
特に低い声種の方、もしくは高音域の訓練をほとんど行った事が無い方が大きく恩恵を受ける事です。
オペラ歌手(バリトン)の方を訓練した際にこんな感想をいただきました。
「バリトン歌手と言うのはG4までしか歌で出ないんだ。だからG4以降の音程をほとんど訓練する事がない。
しかしこの訓練を受けてC5を越える音程まで練習をするようになり、声が軽く感じ、音程が下がらないようになった。
そしてトーンがくぐもりやすかったのがとても明るくなったんだ。」
またベテランの演歌歌手の女性からもこんな感想をいただきました。
「今までどうしても歌わなくてはいけないヒット曲の高い音が怖くて仕方なかったけど、今では安心して歌えるようになった。
周りから声が明るくなったと言われてうれしい!」
このように男性も女性も共通して「声が明るくなった」との感想をいただいています。
高くなれば高くなるほど周波数は高くなり、それに含まれる倍音も高くなります。
歌で使わないような高音を訓練する事により、歌唱音域での倍音が多くなったと推測されます。
ちなみにきらびやかに聞こえる周波数は計測した結果、1kHzから5kHz程度でした。
声の悩みは深いものになりやすい
僕がボイストレーニングを行っていて思うのは、声の悩みは周囲の人達が思う以上に本人は悩み、落ち込む傾向にあると言う事です。
「高い声が出るかどうかなんて音楽的には関係ないよ」「高い声を出したいなんて幼稚だよ」と周りが言っても本人はその音が出したいものですし、それがコンプレックスになってしまう事も多々あるようです。
歌手はきちんと訓練して自分の喉で出せる音域は極力広くしておく必要があると思います。
その訓練を踏んだ結果、その人の最も魅力的な音域が見つかってくるものだと思います。
そして世の中の男性のほとんどはテナー(男声高音)であり、女性はソプラノ(女声高音)です。
音域がテナーやソプラノでない場合、ほとんどの場合で発展途上のテナーかソプラノです。
つまりは世の中にいるほとんどの人は訓練をすれば高音が出るようになるポテンシャルを持っています。
余談になりますが
クラシックやミュージカルではキーを変える事は出来ません。
歌いたいキャラクターの高さで歌えなければオーディションで選ばれる事はありません。
またジャズやオリジナルのポップスは、そのシンガーの声に合わせてキーを設定しますが、これが2つの種類のシンガーを生んでいるように見える事があります。
1 きちんとトレーニングをし、広い音域を持ち、そしてその中で自分の1番美味しい声の音域を知っている方。
2 自分のキーに合わせてもらえるからボイストレーニングを行わなくなってしまう方。
後者のケースで長年歌ってきてしまうと、
音程が悪く、声量の無い、そしてくぐもった暗い声のシンガーになってしまいます。
まとめてして
単純に「高い声」だけと言ってもこれだけ多くの恩恵を受ける事が出来るのです。
シンガーは低い声も高い声もしっかりと広いレンジでトレーニングをしておいた方が、寿命の長い、そして美しく華のある声であれるように感じます。
さて、あなたはどうでしょう?
末永く素晴らしい声で、そして自分の声を本当の意味で熟知したシンガーを目指していきたいですね!
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解説しているインストラクター
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セス・リッグス Speech Level Singing公認インストラクター(2008年1月〜2013年12月)
VocalizeU認定インストラクター
アメリカ、韓国など国内外を問わず活躍中のボイストレーナー。
アーティスト、俳優、プロアマ問わず年間2000レッスン以上を行うボイストレーナー。
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