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【INTERVIEW】田栗ななえインストラクター「今の声」からスタートし、理想を追求。再現性にこだわるボイストレーニング

日本でも数少ない、SLS(Speech Level Singing)認定ボイストレーナーである田栗ななえインストラクター。この3年間、SLSのマスターティーチャーであり世界的ボイストレーナーでもあるグレッグ・エンリケ氏のプログラム「PROFTY」で学びを深めてきました。
2025年、カリキュラムを修了し、その世界基準の学びは、現在のレッスンにどのように活かされているのかをお聞きしました。

技術だけではない。「再現できる」指導設計を学んだ3年間

―― グレッグ・エンリケ先生の「PROFTY」講座を修了されたそうですね。どのようなことを学ばれたのですか?

田栗:発声技術はもちろんですが、教える側の「哲学」や「教え方」も学ぶ講座でした。実際に歌うのは私ではなく生徒さん自身ですから、いかにご自身で変化に気づき、新しい感覚を発見して、それを再現してもらうか。そのための導き方を徹底して学びました。

あとは指導の「フロー」ですね。声のタイプに合わせて、どのような順序でアプローチを組み立てれば最も効果的かという、論理的な流れを数多く見せていただきました。

ーーボイストレーナーのためのプログラムなのですか?

田栗: 現役のトレーナーや講師を目指す方も多いですが、プロのシンガーの方も参加していました。教える立場の人にとっても、歌い手としてスキルを磨きたい人にとっても、非常に実践的な内容でした。
プログラムは大きく「3つの柱」に分かれていて、1つ目は、グレッグ先生から直接教わる「ボイストレーニングの技術と教育法」。2つ目は、歌詞の世界をどう解釈し、どう表現へつなげるかというパフォーマンスの講義。そして3つ目は、曲の魅力を引き出す「歌唱スタイル」の磨き方です。

毎週課題曲の録音を提出し、世界中の受講生と聴き合いながらフィードバックを受けました。同じ課題でも表現は本当にさまざまで、「こんなアプローチがあるんだ」と刺激を受け続けた3年間でした。

―― 世界各国の受講者と学んだことで、何か発見はありましたか?

田栗: 実は、日本人の受講者は私ひとりだけだったんですよ。オンラインでさまざまな国の人たちと学びましたが、言語による発声の違いは多少あっても、「悩みの本質」は世界共通なんだと感じました。どこにいても、みんな同じように悩み、歌と向き合っているんだなと。

2025年にプログラムは修了したのですが、11月にグレッグ先生が来日された際、修了証の盾を「スペインから持ってきたよ」と直接手渡してくださったんです。想像以上に大きくて立派な盾で(笑)、わざわざ持ってきてくださったお気持ちが本当に嬉しかったです。

―― グレッグ先生の「教える哲学」で、特に心に残っていることは?

田栗:「その人が今いる場所から始めましょう」という言葉ですね。今の現状を否定せず、理想とのギャップをどう埋めていくか。その真摯な向き合い方を、3年間を通して繰り返し教えていただきました。

【レッスンの進化】声の「要素」を磨く具体的な指導

グレッグ・エンリケ先生のプログラムでの学びは、田栗インストラクターのレッスンにどのように反映されているのでしょうか。そこには、「なんとなく良い」を構造でひもとくアプローチと、発見を“再現できる力”へ変えていく指導設計がありました。

―― 「PROFTY」での学びは、現在のレッスンにどのように活きていますか?

田栗: そうですね……生徒さん本人が「腑(ふ)に落ちているか」という部分を、今まで以上に大切にするようになりました。レッスンの中で「あ、これだ!」と気づいた感覚を、その場で整理して、ご自身でも再現できる形にして持ち帰ってもらう。そこを一番に考えて、レッスンを組み立てています。

―― 具体的には、どのように課題を整理してレッスンされていますか?

田栗:例えば、生徒さんが「いいな」と感じる曲があったら、まずは「曲の中にある要素」を一緒に見ていきます。音域、リズム、強弱、ビブラートなど、音楽はさまざまな要素の組み合わせで成り立っています。それを分解して理解することで、「今、何を磨くべきか」が明確になるんです。
最終的には自分が「なぜ良いと感じるのか」を分析し、選択できる力を身につけてほしいと思っています。

――要素を絞り込むことで、練習方法も変わるのでしょうか。

田栗: はい。リズムを強化したいなら、一度メロディを外してリズムだけで歌ってみる。メロディと混ざらないように分けて整えてから、また曲に戻すんです。ビブラートを磨きたいなら、それに適した選曲をする。強化したい要素に合わせて練習のステップを組み立てることで、「今、何をすればいいのか」が明確になります。

―― それは、シンガーとしてのスキルアップにも直結しそうですね。

田栗:実はこれ、私自身が講座で体感したことなんです。「リズムだけを変えて面白く聴かせてください」といった課題に向き合う中で、それまで一つの「塊」に見えていた音楽が、いくつもの要素の組み合わせで成り立っていると実感しました。

「リズムはもっと自由に動いていいんだ」とか「強弱の組み合わせで、こんなに人を惹きつけられるんだ」と気づいたとき、見え方が変わったんです。だからこそ今は、生徒さんにも「なんとなく良い」から一歩進んで、自分の声や音楽の「どこが良いのか」を、しっかり見える形にしていきたいと思っています。

―― 他にも、印象的だった学びはありましたか?

田栗: パフォーマンスの講義も心に残っています。自分の内面をさらけ出すような、どこかセラピーに近い感覚がありました。歌って本当に「自分自身と向き合うものなんだ、自分がそのまま出てしまう場所なんだな」と改めて感じました。

歌詞の世界で自分を出していくのは、今もチャレンジングなことです。でも、その人の内面が見えたとき、聴き手とリンクする瞬間がある。音楽と言葉がその人自身とつながって出てきたとき、それはただの音ではなく、誰かと響き合い心に「届く」ものになるんだと思うんです。

発​​声の技術は、そのための大切な土台だと思っています。要素を磨き、再現できるように整えていく。その先で初めて、その人らしい表現が立ち上がるのだと思います。

【レッスンの強み】「腑に落ちる」まで伴走し、再現できる形にする

「その人が今いる場所から始める」という哲学は、実際のレッスンの中でどのように形になっているのでしょうか。田栗インストラクターのレッスンで大切にしていることを伺いました。

――田栗インストラクターの生徒さんは、どんな方が多いのですか?

田栗:初心者からプロで活動されている方まで幅広いです。「もっと歌がうまくなりたい」という方もいれば、ボイストレーナーとして指導者を目指す方もいらっしゃいます。

―― 生徒さんは、どんな目標を持って通われていますか?

田栗: 「自由に歌を歌いたい」という方が多いですね。理想の歌はあるけれど、どう近づけばいいのかわからない。そのギャップに悩んで来られる方が多いです。

「自分のいい声ってなんだろう」「自分の歌をどう確立すればいいんだろう」と探求される方もいますし、プロの方だと、オーディション対策や「消耗せずに歌える声」を整えたいという方もいらっしゃいます。

―― レッスンの中で特に大切にしていることはありますか?

田栗: レッスンの中で「今すごくいい状態になったな」という瞬間があるんです。その一瞬を見逃さないようにしています。なぜうまくいったのかを整理して、ご自身でもできる形に整えていくことを大切にしています。

―― 生徒さんとの距離感や雰囲気づくりで意識していることはありますか?

田栗: 安心できる空間というか、緊張しないでいられる場所であることは大事にしています。あまり踏み込みすぎない、程よい距離感も意識しています。生徒さんが、ふとした疑問を気軽に聞ける、そんな関係でいたいですね。

―― 長く続いている生徒さんには、どんな共通点がありますか?

田栗: レッスンで持ち帰ったことを、ご自身でも楽しみながら探求してきてくださる方ですね。「これでいいのかな?」「この方向で合っていますか?」と問いを持って次のレッスンに来てくださる。
声は取り組むほど感覚が変わっていくものなので、その変化を一緒に確認していく時間が、私もとても楽しいです。

―― これから、どんなレッスンを届けていきたいですか?

田栗:声を整えることはもちろんですが、その人それぞれの「ストーリー」で歌えるようになってほしいと思っています。 同じ曲でも、解釈は一人ひとり違いますよね。その人の経験や感じ方と言葉が結びついたとき、ただの音ではなく、誰かに届く「言葉」に変わります。そんな「その人だから歌える歌」につながるレッスンを、これからも届けていきたいですね。

―― 最後に、受講を検討されている方へメッセージをお願いします。

田栗:お一人おひとりに合わせたレッスンを大切にしています。もし今、歌うことで困っていることがあれば、ぜひ一度ご相談ください。まずはあなたの「今の声」を聞かせてほしいです。技術を磨いたその先にある、あなたにしか歌えない「ストーリー」を、一緒に見つけにいきましょう。

【お知らせ】田栗ななえインストラクター「レッスン料金改定」のご案内

SLS(Speech Level Singing)認定インストラクターとして指導を重ね、さらに「PROFTY」での3年間にわたる研鑽を積み終えた田栗インストラクター。
このたび、これまでの学びを反映した新体制のレッスンへと移行することに伴い、2026年4月よりレッスン料金を改定させていただくこととなりました。


※改定時期は4月予定。

最新の料金体系および受付状況につきましては、下記プロフィールページよりご確認ください。
▶ [田栗ななえ プロフィール・料金詳細ページはこちら]

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