レッスン予約
LINE 友だち追加
初回体験のお申し込みはこちら LINE
HOME/ ブログ一覧/ プロボイストレーナー養成と指導技術(VT-RV)/ 声帯は、成長でどう変わる?カレン・ブランセン先生講義レポート【ボイストレーナー養成講座VT-RV第3期】
★ プロボイストレーナー養成と指導技術(VT-RV)
VT-RVレポート 2026.08.03 公開

声帯は、成長でどう変わる?カレン・ブランセン先生講義レポート【ボイストレーナー養成講座VT-RV第3期】

こんにちは!VTボイストレーナーの三浦優子です。前回に引き続き、ボイストレーナー養成講座【VT-RV】第3期で行われたカレン・ブランセン先生の講義レポートをお届けします。
前回は、「生涯にわたる歌手の声の発達の変化」というテーマのもと、年齢によって変わるホルモンバランス、体、呼吸について学びました。今回のテーマは、声帯の振動と共鳴です。
赤ちゃんから子ども、思春期、成人、高齢期へと成長していく中で、声帯や声道、口の中、骨格はどのように変化していくのか。そして、その変化が声の響きや歌い方にどう関わっていくのかを学びました。

声帯は成長とともに変化する|赤ちゃんと大人の違い


まずは前回の復習と、子どもと大人の喉頭の違いについて学びました。その後、脳から体へどのように情報が伝わるのかという神経系についても解説がありました。
続いて取り上げられたのが、大人と子どもの声帯の変化です。声帯は下記のようにいくつかの層に分かれています。

大人の声帯はこのように層に分かれていますが、赤ちゃんの声帯はまだ明確な層に分かれていません。ゼラチンのように柔らかく、泣いたり音を出したりすることが刺激となって、細胞が少しずつ変化していきます。

そこから段階を経て声帯の層が形成され、思春期である13歳頃になると、大人と同じような層の比率になっていきます。甲状披裂筋も、この時期に完成へ向かっていくとのことでした。この間にさまざまな変化が起きるため、声変わりにも関わっているそうです。

 
思春期の女子に見られる声帯の特徴
特に印象的だったのは、12〜13歳くらいの女子の声帯についてです。この時期の女子は、声帯の後ろ側が閉じきらず、隙間ができているケースがあるそうです。
人の成長は、筋肉、骨格、神経伝達など、すべてが同じスピードで進むわけではありません。そのため、一時的にこのような現象が起こるとのことでした。
この時期の女子が息っぽい発声になっている場合、無理に声帯を閉じさせようとする必要はありません。
大切なのは、その子にとって快適な発声に導いていくこと。
声の状態を「直すべき問題」としてとらえずに、発達段階の中で起きている変化として理解することが大切なのだと感じました。

共鳴は年齢とともに変わる|赤ちゃんと大人の声道の違い


続いては、共鳴について学びました。赤ちゃんと大人では、声道の形が異なります。成長するにつれて喉頭の位置は下がり、舌は大きく強くなり、細かい動きができるようになります。また、軟口蓋(なんこうがい)は長くなり、発音の仕方にも変化が出てくるそうです。

顎の形も赤ちゃんから成人、そして高齢期にかけて変化していきます。共鳴は、口の中や喉の奥の空間、舌、軟口蓋、顎など、さまざまな要素によって変化します。
声の響きは、年齢とともに変わる体の構造とも深く関係しているのだと感じました。

 
シンガーは自分の口の中を知ることが大切
ここでカレン先生は、シンガー自身の体の認識について、とても印象的なお話をされました。

カレン先生「シンガーは、自分の口の中の状態を知らない人が多い」

歌には、必ず子音や母音があります。そのとき、舌がどの位置にあるのか。口の中をどのような形にできるのか。軟口蓋や顎がどのように動いているのか。
こうした小さな変化だけでも、音や振動、共鳴に大きな影響を及ぼします。だからこそ、生徒さんが自分の口の中や舌の動きを鏡で見て確認することは、とても大切だとカレン先生は話されていました。

カレン先生「大切なのは、レッスン中に鏡の確認を取り入れること」

この話を聞いたとき、本当にその通りだと感じました。私自身も、鏡を見ながら舌の動きを確認したことで、意外と口が開いていなかったり、舌の奥まで意識が届いていなかったりすることに気づいた経験があります。
口の中を意識することで、言葉や声がクリアになった記憶があります。先生に指摘されても、自分自身が理解しきれていないと、自分のものにするのは難しいものです。早速、自分の生徒さんにも、口の中や舌の動きを積極的に確認してもらいたいと思いました。

 
高齢者の骨格変化と声への影響
次に、30代女性と高齢者の横顔の骨格を比較した資料を見せていただきました。前回の講義でも学んだように、高齢になるにつれて細胞などの組織は再吸収されづらくなり、形状にも変化が起こります。
比較画像では、特に目の周りの窪みや、顎の角度に変化が見られました。ここでカレン先生から、歌を教える人が知っておくべき大切な視点の共有がありました。

カレン先生「高齢者を教えるときに、若い人と同じように顎を下に下げることが物理的に難しい場合があることを把握しておくことが大切です」

高齢の生徒さんに対して、若い人と同じ姿勢や口の開け方を求めても、体の構造上、難しい場合があります。
声の出し方や発音の指導では、年齢による骨格の変化も踏まえて考える必要があるのだと感じました。

 
思春期の声の特徴と、年齢に合わせた期待値
最後に、思春期の男女別の声の特徴と、それに対するおすすめのアプローチ方法も教えていただきました。思春期は、声帯、喉頭、骨格、神経系などが大きく変化する時期です。
この時期の声は不安定になりやすく、本人も戸惑うことがあります。カレン先生は、教える側の期待値についても大切なことを話されました。

カレン先生「目の前にいる方の性別や年齢による特徴を踏まえて、教える側はそれに応じた期待値を構築していくことも非常に大事です」

年齢や発達段階によって、できること・まだ難しいことは変わります。ボイストレーナーは、今その生徒さんに何を求められるのか、どこまで導くのが現実的なのかを見極める必要があります。

質疑応答|子どもの歌い方をどう捉えるか


本編後は、質疑応答の時間が設けられました。その中で印象的だったのが、「子どもの歌い方」についての質問です。質問の内容は、次のようなものでした。

質問:子どもは大人と比べて気管が細く、声門下圧が高いと思います。子どもが大人のようにボリュームやダイナミクスをつける繊細な表現をするのが難しいのは、それが原因の一つになりますか?

これに対してカレン先生から、「声の変化は一つの要素だけで決まるものではない」との解説がありました。
大人になると、咽頭の後ろの空間が広くなったり、声帯の構造が変わったりします。
そうしたさまざまな要素が、息・振動・共鳴に関わり、それが歌として表れてくるとのことでした。
たとえば、乳歯が抜けて永久歯に変わる過程でも、共鳴や声の音色は変わっていくそうです。
子どもの体は発達途中にあります。そのため、大人と同じ技量を期待せずに、その子にとってどのような声が気持ちよいのかを、直感的に探っていく必要があるとアドバイスをいただきました。

体の変化を知ることは、声の可能性を知ること


今回の講義では、赤ちゃんから思春期、成人、高齢期まで、体がどのように変化していくのかを学びました。
声帯、骨格、筋肉、神経、ホルモン。体のさまざまな要素が、声に関わっています。
前回の講義の前に、カレン先生は「声というものは楽器になりえる奇跡のものだということを感じ取ってほしい」と話されていました。今回の講義を受けて、その言葉の意味が少し分かった気がします。
声には、その人の年齢、体の発達段階、骨格、筋肉、神経、ホルモンなど、さまざまな背景が関わっています。だからこそ、目の前の生徒さんの声を聴くときには、発声のメカニズムに加えて、その人の体の背景も見ていきたいと感じました。
カレン先生から学んだことと、これまで学んできた発声の知識をつなげながら、これからも一人ひとりの生徒さんと向き合ってレッスンを進めていきたいと思います。

次回は、楽曲の選定法について学びます

次回は、VT代表・桜田ヒロキインストラクターによる「楽曲の選定法」についての講義です。こちらも【VT-RV】で初登場のコンテンツなので、今から楽しみです!

VT-RVの詳細はこちら

ブログ一覧へ戻る

CONTACT

レッスンをご希望の方はこちらまで。