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【VT-RV】ティーチングクリニック実践レポート「経験だけでは教えられない?」ボイストレーナーに必要な指導力とは

こんにちは!VTボイストレーナーの三浦優子です。3月から始まった【VT-RV】第2期は全19回の講義を終え、いよいよ実践授業「ティーチングクリニック」がスタートしました。
ティーチングクリニックとは、ボイストレーナーとしての指導力を磨くための「先生のためのレッスン」です。VT代表・桜田ヒロキインストラクターの指導のもと、受講生は実際にレッスンを行い、さらにディスカッションを通して学びを深めていきます。
今回は、9月末で修了する1期生と、今回から実践授業に入る2期生、合わせて6名が参加しました。 その様子をレポートします!

ティーチングクリニックとは?ボイストレーナーが実践的に学ぶ指導の場

ティーチングクリニックでは、実際に生徒役の方を招き、30分ずつ模擬レッスンを行います。 自分が指導していない時間は、他の受講生のレッスンを見学しながら学ぶスタイルです。
初めて参加する2期生の皆さんは、やはり少し緊張気味。 まずは1期生の模擬レッスンからスタートしました。
 
エクササイズ選びの本質は「目的」と「手段」生徒役さんの声を聴いたあと、桜田ヒロキインストラクターと一緒に、低音・中音・高音それぞれでどんな課題があるかをディスカッション。
その上で「リップバブル(唇をプルプル震わせながら声を出す発声練習)」を選択しました。ここで桜田インストラクターから大切なアドバイスがありました。
「エクササイズは目的があってこその手段である」
なんとなく「リップバブルをやればよさそう」と選ぶのではなく、 「声帯を閉じたいからリップバブルを使う」といったように、必ず目的に結びつけることが重要とのこと。
選択したエクササイズのクオリティを上げることはもちろん大切ですが、「なぜそのエクササイズを選ぶのか」を忘れないことが、指導において一番のポイントだと教えてくださいました。これはボイストレーニングに限らず、あらゆる学びや実践に通じること。
改めて「目的と手段が混ざってしまわないように気をつけたい」と気づくことができました。
 

2期生も挑戦!ディスカッションとエクササイズの選択

1期生の模擬レッスンが終わると、いよいよ2期生の出番です。 先ほどの「目的と手段」の話を聞いていたこともあり、ディスカッションもとても明確で、エクササイズの選択も的確でした。

桜田インストラクターのアドバイス「途中でも修正してよい」ここでの桜田インストラクターからのアドバイスは、「エクササイズ中でも、望む方向に歌えていなければその場で修正する」ということ。
実はVTのメソッドの原点である SLS(Speech Level Singing) では、指導の流れの中では修正を入れずに、ツールを変更して声を整える傾向が強まっていました。
ですがSLSの創始者セス・リッグス氏や、弟子であるグレッグ・エンリケ氏は、実際にはツールの途中でも修正をしていたそうです。
両氏から直接学んだ経験のある桜田インストラクターだからこその、貴重なお話を伺うことができました。
 
「決断」ではなく「仮定」するというスタンスさらに、SLSでは生徒の声を聴いて「ボイスタイプを決断する」流れが一般的ですが、桜田インストラクターはあくまでも「仮定する」というスタンスをとります。
これも多様なメソッドを学び尽くし、最適なアプローチを突き詰めてきた桜田インストラクターならではの視点だと感じました。
 

さまざまなレベルの生徒役から学ぶ指導法【ティーチングクリニック】

今回のティーチングクリニックでは、生徒役として参加された方々のレベルもさまざま。
音程を取るのが苦手な方から、すでに高いスキルを持つ上級者まで、幅広いタイプが揃っていました。

音程が合わない人への改善アプローチ音程が合わない方に対しては、まず「声そのもの」を矯正するのではなく、歌い始めのマインドを整えるところからスタートしました。
声を出す前の意識を変えるだけで、音程のズレが自然と改善されていくのはとても印象的でした。
音程の不安定さは、必ずしも耳や技術の問題だけではなく、心理的な準備や意識の持ち方によっても左右されることを実感しました。
 
上級者への指導は「タスクを与えて伸ばす」一方で、上級者の方に対しては「課題を探す」というよりも、次々と新しいタスクを与えて挑戦させるスタイル。より高度な表現や声の使い方を求めることで、本人が気づかなかった可能性を引き出していくようなレッスンでした。
受講生にとっても、レベルによってアプローチを大きく変える必要があることを学べる、とても実践的な機会になったと思います。
これまでの講義で基礎を積み上げてきた【VT-RV】2期の受講生たちが、実際の現場で学んだことを応用し、目の前の生徒に合わせて工夫していく姿に、大きな成長を感じました。
 

ボイストレーナーに必要な力とは?経験だけでは教えられない指導の本質

こうして3時間にわたるティーチングクリニックは、あっという間に終了しました。 最後に桜田インストラクターが伝えてくれた言葉が、とても心に残りました。
 
「経験だけで教えることはできない」桜田インストラクターの言葉「ボイストレーナーは、自分より上手い人を教えることもある。
自分が悩んだことのない段階でつまずいている人を相手にすることもある。
だからこそ、自分の経験だけでは教えられない。」

 
ボイストレーナーに求められるのは、自分の体験に基づく指導だけではありません。 多くの声を聴き、多様なケースを見てデータを積み重ねることで、初めて対応できる場面が増えていきます。

 ティーチングクリニックがもたらす成長ティーチングクリニックは、模擬レッスンの場でもあり、情報収集と成長の場でもあります。 自分以外のインストラクターのレッスンを見学することで、新しい視点やアプローチ方法を学び取ることができるのです。
さまざまな生徒役のケースを共有し合うことによって、受講生一人ひとりがボイストレーナーとしての引き出しを増やし、確実に成長していける。 まさに欠かせない学びの場だと実感しました。
 
これからのティーチングクリニックを通じて【VT-RV】2期生の皆さんが、どのように飛躍していくのか本当に楽しみです。 また機会があれば、その様子をレポートしたいと思います!
VT-RVの詳細はこちら

投稿者プロフィール

三浦優子
三浦優子
大阪音楽大学短期大学部ミュージカルコース卒業
宝塚音楽学校附属宝塚コドモアテネ卒業
幼少の頃からクラシックバレエを習い、毎年行われる発表会やその他数々の公演、業界最大手の舞浜大手テーマパークのショーやパレードに出演。
ダンスパフォーマンスにおいては特に活躍を遂げ、忙しい日々を送ると同時にボイストレーニングを続けるが、自分の悩みを解決できる先生となかなか出会えず「これで上達できるのか?」と不安を感じ、次第に歌を諦めてしまう。
そんな中、発声を科学的に捉え、的確なトレーニングを行えるVTチームの存在を友人から聞き、VTチームのレッスンを受講。
ハリウッド式ボイストレーニングに感銘を受ける。
現在は自身の「踊りながら歌う難しさ」を克服した経験を活かし
「ダンサーとしてミュージカルの舞台に立ちたい」
「ミュージカルに出演しているが、シンガーの枠に入りたい」
という方々を中心としたサポートに向け、勢力的にトレーニングを行っている。
全米ヨガアライアンスRYT200を取得し、ヨガインストラクターとしても活躍中。
クライアント一人ひとりに合った姿勢矯正を行うことにより、発声の改善、呼吸の改善、ダンスの改善を行い、クライアント様から高い評価を得ている。

>>詳しいプロフィールはこちら

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