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ボイトレ指導の本質|再現できる状態に導く指導が上達につながる理由【VT-RV第3期レポート】

こんにちは。VTボイストレーナーの三浦優子です。2026年3月、ボイストレーナー養成講座【VT-RV】第3期がスタートしました。今期は約50名が参加し、プロとして活動する方から会社員や子育てと両立しながら学ぶ方まで、さまざまな背景の受講生が集まっています。
これから数カ月間にわたり、【VT-RV】第3期の講義内容をお伝えしていきます。今回は第1回講義より、自分で再現できる状態に整える指導が、生徒さんの上達につながる理由をレポートします。

ボイストレーナー養成講座「VT-RV」とは?


VT-RVは、ボイストレーナーやシンガーを対象とした養成・育成講座です。発声技術だけでなく、「なぜそのエクササイズを行うのか」「どこを聴いて判断しているのか」「どう伝えれば変化につながるのか」といった、“指導の根拠”まで言語化して学べることが大きな特徴です。
講座は約1年半のカリキュラムで構成されており、実践と理論の両面からスキルを深めていきます。
「感覚」ではなく、再現できるスキルとして身につけていく講座です。さらに、指導方法や生徒への伝え方も学び、ボイストレーナーとしての指導力を磨いていきます。
▶︎VT-RVの詳細はこちら
https://voicetrainers.jp/vt-team-recognized-voice-trainer/
 
 

VT-RV受講生の背景と、それぞれが目指している未来

講座スタートにあたり、コミュニティ内で自己紹介が行われました。参加者の背景はさまざまです。
・すでにボイストレーナーとして活動している方
・会社員として働きながら音楽活動をしている方
・子育てと両立しながら学びに挑戦されている方
など、それぞれ環境は違っても目指しているものは同じ。声のこと、ボイストレーニングのスキルを深めたいという想いは、皆さんに共通しています。これから1年半をかけて、それぞれの目的や目標を達成していく時間になるはずです。

ボイストレーニングの評価方法|5Tone Ahによるアセスメント


初回は、VT代表・桜田ヒロキインストラクターによるレッスン解説でした。第3期スタート前の予習として、いくつかのレッスン動画が事前に配布されており、今回はそのうちの1本をもとに解説が行われました。
まずは「5Tone Ah」を用いて、ボイスタイプを評価するところからスタートします。ハリウッド式ボイストレーニングではおなじみの手法ですが、今回は「なぜこのアセスメントを行うのか」「どこを聴いているのか」といった視点まで丁寧に解説されていました。
今回のレッスン動画に登場したのは、声楽の経験があり、地声でもしっかりと歌う力を持つ女性。ただ、裏声に寄りすぎてしまうこともあれば、地声が強く出すぎてしまうこともあり、その“ちょうどいいバランス”を探している段階でした。
すでに歌える力があるからこそ、もう一歩先に進むためのバランスを模索している状態でした。
 
 

自分で再現できる状態をつくる指導とは?|ボイトレ指導の本質

オンライン講義は、受講生がチャットで質問をし、それに答えていく形式で進みます。その中で、「舌に力が入っている気がします」という質問がありました。
これに対して桜田インストラクターは、「舌に力が入っていることは把握していたが、あえて指摘していなかった」と話されていました。
その理由は、「舌の力を抜いて」という指示は一見わかりやすいようでいて、実際には「どうすればいいかわからない」から。むしろ、舌に意識が向くことで、余計に力が入ってしまうこともある。そのため、あえて「舌の力を抜いて」とは言わず、自然と力が抜けるようなエクササイズや発声へと導いている、という解説がありました。
ここで印象的だったのが、指導に対するこの考え方です。
「しないでほしいことは言わない。してほしいことを言う」
NGを指摘するだけの指導は、あくまでも感覚的な理解にとどまりがちで、再現性という意味では弱くなりやすい。一方で、「どうすればできるか」をエクササイズや発声で提示することで、「いつの間にかできていた」と感じられる状態へ導いていく。
生徒さんが、「自分で再現できる状態へ整えていくこと」が、ボイストレーナーの役割だと教えていただきました。
受講生からも、 「今まで、しないでほしいことを言ってました」という声が上がっていましたが、私自身も、つい言ってしまう場面があると感じたポイントでした。
課題を指摘するのではなく、どう導くか。この視点は、レッスンで常に意識していきたいと感じました。

声はなぜ変わるのか|エクササイズによる変化と調整


エクササイズをいくつか行った後、歌唱へと進みました。実は、5Tone Ahの後にも一度歌ってもらっていたのですが、その時は低音の地声が重く、やや躍動感に欠ける印象がありました。そこでエクササイズでは、地声を軽くし、動きのある声にしていくアプローチが取られていました。
その結果、声は軽やかに変化していきます。ただ一方で、今度は地声が抜けてしまう場面も見られました。そこで再度エクササイズで地声の要素を補い、改めて歌唱すると、ちょうど良いバランスで地声が入る状態に。
生徒さん自身も変化を実感されており、「3回目が一番歌いやすい」と話されていました。
ここで印象的だったのが、桜田インストラクターのこの視点です。
「すぐに声が変わることは良いこと。ただし、それはまだ安定していない状態でもある」
エクササイズによって声が入ったり抜けたりするのは、まだその人の歌い方の傾向が固まっていない可能性があるということ。だからこそ、その都度“狙ったバランス”に導いていくことが重要になります。
私自身のレッスンでも、同じようなタイプの方はいらっしゃいます。その中で、欲しい声の状態に対してどのようにアプローチし、どう調整していくのか。桜田インストラクターの視点には、指導に活かせるヒントが詰まっていると感じました。

リズム指導の本質|「拍を数える」ができない理由


講義の終盤では、リズム指導についての解説がありました。テーマは「拍を数えること」というシンプルなもの。
一見すると簡単なことのように思えますが、実はここができていないケースは少なくありません。その理由のひとつが、メロディを“感覚”で覚えてしまっていることにあります。
音楽のルールとして拍を捉えるのではなく、「なんとなく歌えている状態」になっていることが多いのです。
実際にこうした状態では、
・曲が変わると安定しない
・リズムが崩れやすい
・応用が効かない
といった課題が出やすくなります。
ここで重要なのが、「拍を数える」という基本に立ち返ること。さらに印象的だったのが、指導の考え方です。
「この曲ではこう歌う」という丸暗記させる伝え方ではなく、どの曲にも応用できるスキルとして指導すること。
桜田インストラクターは、こう話されていました。
「スキルが上がったかどうかは、次の曲の1回目で決まる」
この言葉が示しているのは、“再現できる力が身についているかどうか”という視点です。
メロディを覚えて歌えているけれど、リズムが安定しないというケースでは、「できているように見える状態」と「本当に身についている状態」を見極めること。
その違いをどう伝え、どう導いていくか。リズム指導の奥深さを改めて感じる場面でした。

単発レッスンと継続レッスンの違い|指導の考え方


講義の最後に、受講生からこんな質問がありました。「継続で通われる方と、単発で通われる方で、エクササイズの強度は変えていますか?」これに対して桜田インストラクターは、
「単発で来る人による」と前置きしながら、その考え方を話されていました。
例えば、過去に継続して通っていた経験があり、インストラクターの意図を理解できる状態であれば、現在の声の状態を説明したうえで、「こうすると良い」という具体的なアプローチを伝えることができます。
一方で、3ヶ月や半年に1回程度の頻度で通う初心者の場合、トレーニングの頻度やエクササイズの質が安定しないため、根本的な改善につながりにくくなります。そのため、「この通い方では大きな変化は難しいかもしれない」
といった現実をやんわりと伝えているそうです。一見すると厳しく感じるかもしれませんが、これは決して突き放しているわけではありません。
中途半端な関わり方のままでは、結果が出にくいだけでなく、「良くならない」という印象だけが残ってしまうこともあります。インストラクターとしての評価にもつながりますので、どのような関わり方であれば変化につながるのかを正直に伝える。それもまた、ボイストレーナーとしての大切な役割です。

まとめ【VT-RV】ボイストレーナー養成講座で学べること

【VT-RV】ではボイストレーナーやシンガーにとって必要な技術だけでなく、指導者としての考え方も学ぶことができます。レッスン中に「できる・できない」よりも、「自分で再現できる状態になっているか」という視点を持つことで、指導の質も、生徒さんの上達も大きく変わっていきます。
講義はこれから約半年続きます。受講生がどのように変化していくのか。その過程も、今後のレポートでお届けしていきます!
VT-RVの詳細はこちら

投稿者プロフィール

三浦優子
三浦優子
大阪音楽大学短期大学部ミュージカルコース卒業
宝塚音楽学校附属宝塚コドモアテネ卒業
幼少の頃からクラシックバレエを習い、毎年行われる発表会やその他数々の公演、業界最大手の舞浜大手テーマパークのショーやパレードに出演。
ダンスパフォーマンスにおいては特に活躍を遂げ、忙しい日々を送ると同時にボイストレーニングを続けるが、自分の悩みを解決できる先生となかなか出会えず「これで上達できるのか?」と不安を感じ、次第に歌を諦めてしまう。
そんな中、発声を科学的に捉え、的確なトレーニングを行えるVTチームの存在を友人から聞き、VTチームのレッスンを受講。
ハリウッド式ボイストレーニングに感銘を受ける。
現在は自身の「踊りながら歌う難しさ」を克服した経験を活かし
「ダンサーとしてミュージカルの舞台に立ちたい」
「ミュージカルに出演しているが、シンガーの枠に入りたい」
という方々を中心としたサポートに向け、勢力的にトレーニングを行っている。
全米ヨガアライアンスRYT200を取得し、ヨガインストラクターとしても活躍中。
クライアント一人ひとりに合った姿勢矯正を行うことにより、発声の改善、呼吸の改善、ダンスの改善を行い、クライアント様から高い評価を得ている。

>>詳しいプロフィールはこちら

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