声をどう聴く?声の評価法を学ぶ!ボイストレーナー育成&養成講座【VT-RVレポート第4回】
2025.05.16
こんにちは!VTボイストレーナーの三浦優子です。
3月からスタートした「ボイストレーナー育成&認定講座」【VT-RV】第2期。
いよいよ実践編に突入し、桜田ヒロキインストラクターによる講義がスタートしました!
このクラスでは、ボイスタイプごとの見極めや、適切なエクササイズの組み立て方、歌唱指導の見学などを体験し、現場で即使える知識を全9回で学びます。
初回テーマは、トレーナーにとって最も重要なスキルのひとつ、「声をどうやって聴くのか?」でした。
声をどう聴く?ボイストレーナーに必須の「耳」を育てるトレーニング
初回講義では、まず「5 tone Ah」という基本エクササイズを使用し、声の状態をチェックするワークを行いました。
「5 tone Ah」とは、「ドレミファソファミレド」を「あ」で歌う、発声チェックの基本エクササイズです。
声の震え、息漏れ、力み、音程の不安定など、さまざまな課題がシンプルに浮き彫りになるため、ボイストレーナー育成でも実施するチェック法です。
参加された方の中には、すぐに特徴を挙げられた方もいれば、どこを聴けばよいか戸惑った方もいらっしゃいました。
実は、私自身もVTの研修を始めた当初、同じような壁にぶつかりました。
「どこを聴けばよいのか」がわからず、他の方の声を聴く機会も少なかったため、「叫んでいる」といった明確な特徴しか捉えられなかったことを、今でもよく覚えています。
でも、繰り返し「5 tone Ah」を聴くことで、声の震えや力みだけでなく、より繊細な特徴や課題にも気づけるようになりました。
声を聴き分ける耳は、すぐに身につくものではありませんが、だからこそ時間をかけて育てていくプロセスに、ボイストレーナーとしての醍醐味と成長の実感があると感じています。
メソッドにとらわれず、声に合わせた最適なエクササイズを選ぶ
次に、声種の理解と、課題に合わせたエクササイズの考え方を深く学びました。
声を聴き、状態を見極めるだけでは、トレーナーの仕事は完結しません。
その声にどんなエクササイズを選び、どの順序で取り入れるかが、成果を左右する重要なポイントだと実感しました。
桜田ヒロキインストラクターは、SLS(Speech Level Singing)をはじめ、国内外のさまざまなメソッドを長年学び続けています。
だからこそ、特定のメソッドにとらわれず、声の状態に合わせて最適なエクササイズを選ぶ重要性を教えてくださいました。
私自身、桜田インストラクターのレッスンで新しいアプローチを教えていただくたびに、自分の声の変化に驚かされています。
また、生徒さんに試すと、思いがけない改善につながることも多く、指導の引き出しを増やす大切さを改めて実感しています。
桜田インストラクターから学ぶ、「柔軟に学び、最適を選ぶ姿勢」は、 これからトレーナーを目指す方はもちろん、すでに指導にあたっている方にも、大きな気づきと学びになると感じています。
なぜ「5 tone Ah」なのか?声の評価に欠かせない音響学・音声学の視点
「5 tone Ah」は、シンプルだからこそ、声の課題が浮き彫りになる基本的なエクササイズですが、VT-RVで最初に学んだ音響学・音声学の知識が、まさにここで活きてきます。
声の仕組みや音の成り立ちを理解していることで、声を単なる「感覚」で聴くのではなく、以下のような構造的な視点から捉えられるようになります。
声帯はどのように動いているか
息の流れや共鳴がどう影響しているか
どの音域で、どの母音がどのように関与しているか
この違いを、受講生の方々は、特に実感されたのではないでしょうか。
その結果、同じ「5 tone Ah」を聴く場面でも、声の震えや力み、息漏れといった特徴に対して、「なぜそうなるのか?」を理論的に分析しながら聴けるようになり、より細かな変化やクセにも気づきやすくなります。
こうした耳と理論を結びつける学びは、声を「聴く」から「見抜く」へと進化させるための土台となり、ボイストレーナーにとって欠かせないスキルであると改めて感じました。
この日は、最後に声帯やその周りの筋肉について学び、講義は終了です。
次回の講義ではボイスタイプについて詳しく学びます。
声の緊張状態、母音、喉頭の位置など、ボイスタイプごとの特徴や違いを深く理解する内容となり、こちらもボイストレーナーにとって不可欠な知識となるため、今から非常に楽しみです。
次回のレポートでは、ここまでのRV2期生の感想などをお届けします!
次回はここまでのRV2期生の感想や、さまざまなモデルの「5 tone Ah」を聴き比べ、意見交換を行った様子をお届けします。
受講生は、どのような気づきを得たでしょうか?お楽しみに!
投稿者プロフィール

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大阪音楽大学短期大学部ミュージカルコース卒業
宝塚音楽学校附属宝塚コドモアテネ卒業
幼少の頃からクラシックバレエを習い、毎年行われる発表会やその他数々の公演、業界最大手の舞浜大手テーマパークのショーやパレードに出演。
ダンスパフォーマンスにおいては特に活躍を遂げ、忙しい日々を送ると同時にボイストレーニングを続けるが、自分の悩みを解決できる先生となかなか出会えず「これで上達できるのか?」と不安を感じ、次第に歌を諦めてしまう。
そんな中、発声を科学的に捉え、的確なトレーニングを行えるVTチームの存在を友人から聞き、VTチームのレッスンを受講。
ハリウッド式ボイストレーニングに感銘を受ける。
現在は自身の「踊りながら歌う難しさ」を克服した経験を活かし
「ダンサーとしてミュージカルの舞台に立ちたい」
「ミュージカルに出演しているが、シンガーの枠に入りたい」
という方々を中心としたサポートに向け、勢力的にトレーニングを行っている。
全米ヨガアライアンスRYT200を取得し、ヨガインストラクターとしても活躍中。
クライアント一人ひとりに合った姿勢矯正を行うことにより、発声の改善、呼吸の改善、ダンスの改善を行い、クライアント様から高い評価を得ている。
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