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あなたに合ったキーを決める時のポイントとは?

カラオケを歌う時やオーディションで提出する曲、またオリジナル曲を書いている時にどのキーが自分にとって適切なのか悩まれたことはありませんか?
プロのアーティスト達のボイストレーニングを担当していると、楽曲を歌うにあたってその人の良さを出すための「キー決め」と言われる仕事を依頼される事があります。
「歌い手の歌声の持ち味を活かせるキー設定」というのが重要になってくるので、参考になるかと思います。
キー決めとは多くの場合で、オリジナル楽曲であったり、もしくはミュージカルなどの公演の中で歌う曲のキーを設定する作業です。

ミュージカルの場合、多くの場合で決められたキーで歌う事が原則となりますが、アーティストや名前や歌声が非常に有名な方の場合「アーティストの歌声の持ち味を活かせる曲」にするために、現実的な話しとしてキー変更はよくあります。
ではキー設定をするにあたり何が重要な要素になるのでしょう?

キーを決める時のポイント

1 アーティスト自身がストレスなく快適に歌える事
あまりに低すぎる、高すぎると言ったキー設定では歌う事がストレスになってしまうので、一般的には快適に歌える事が最優先されると考えられます。
2 誰が聴いてもそのアーティストのカッコいい歌声である事
キー設定をする上で最も重要なことは、プロの現場でアーティストの歌声がカッコ良く聞こえる事です。

目をつむっていても「あ、この人の歌声だ」と好きなアーティストの歌声を聴くと気付くと思います。
それがそのアーティストの「根本的な声」と言えるでしょう。

それがボイストレーニングを教える際にとても参考にしているジュリアード音大のオーレン・ブラウン氏(既に亡くなっております)はこの声をPrimal Sound, Primal Voice(根本的な声)と呼びます。
私のボイストレーニングの中ではこのPrimal Soundをクライアント様と一緒に探す事に重きを置いています。

根本的な声【Primal Sound】とは?

試しに好きな音程で「あ〜〜〜〜」と声を伸ばしてみてください。
今出した声は本当にあなたの声でしょうか?
恐らく多くの人は「YES」と言えると思います。
では、出していただいた「あ」の母音はあなたが歌手として誇れる声でしたか?
と聞かれれば多くの人が「YES」とは即答できず悩むと思います。

「あ〜〜」と言う発音でも、いろいろな「あ」の母音が出てきます。
声は非常に柔軟性がありますし、色々な声色を出す事ができます。
少し鼻に掛けたり、顎を開いたり、軟口蓋を挙げたり、唇を横や縦に少し動かしてみてください。
その中であなたが歌手として誇れる歌声はどれだと思いますか?
「あなたと言うアーティストが誇れる声はいったい何でしょう?」と言うのを探す事がボイストレーニングの大きなテーマと言えると思います。
少し話しがそれましたが、キー決めというのはアーティストの最も魅力的な歌声を引き出せるキーを探す事です。

実際にレコーディングで1コーラス、キーを変えて歌ってもらい、そのアーティストにとってどちらがかっこいいか皆で相談する事はよくあります。
それくらい重要なプロセスなのです。
桜田は、Primal Soundが既に出ているアーティストについては、そのPrimal Soundが最も出てくるキー設定を行います。
キーが一つ違うだけで薄れて聴こえてしまったり、歌声にピタッとキーが当てはまると、まるで霧が晴れたかのように「誰がどう聞いてもそのアーティストを代表する歌声」になり印象も変わってきます。

美しい声と歌いやすさは一致しない事もある

「アーティスト自身がある程度快適に歌えるキー」「そのアーティストのかっこいい歌声であるキー」が合致しない事も時にはあります。
その場合、桜田が担当しているアーティストには「ちょっと難しいけど、僕にはこのキーが○○さんのかっこいい声に聞こえます。なので練習して歌いやすくしていくのが良いかもしれないね」と提案します。
どうしても公演までの時間がない場合は、今の時点で歌いやすいキーを選ぶ事もあります。
この様に「歌いやすいキー設定」と「カッコ良く聞こえるキー設定」でアーティストと話しならが折り合いをつけるように考えていきます。

効果的な練習法

もしキー設定に悩んでいたら、まずはご自身の歌声を録音をしてみてください。
そしてどちらが良い声で歌えているのかを判断すると良いと思います。
なんとなく良いキーが見つかったら試しに半音上・半音下でそれぞれ歌ってみて、歌った感覚や聴いてみた感じを観察してみましょう。
多くの場合、半音上にした場合、元キーよりも軽やかに歌う必要があり、半音下にした場合はどっしりと豊かめな声色で歌えると思います。

そしてキーを元に戻した時にそれらの要素を継承させられないか、よく検討してみて下さい。
低いキーで学習した「豊かさ」と、高いキーで学習した「軽やかさ」
この「豊かさ」と「軽やかさ」を元のキーにも引っ張ってこられないか考えながら練習してみてください。
きっとあなたの技術や魅力を活かすヒントになってくれると思いますよ。

まとめ

キー設定は、アーティスト本人が歌いやすい事・カッコ良く聞こえる事。
この両立を目指していきます。
プロのアーティスト達は何パターンも歌い比べてキー設定をすることはよくある事なのです。
なので、アーティストのオリジナルキーの設定だけではなく、あなたの歌声を最大限に活かせるキー設定を探してみてくださいね。

音域についてのブログも参考になると思います!
参考までにどうぞ!

解説しているインストラクター

桜田ヒロキ
桜田ヒロキ
セス・リッグス Speech Level Singing公認インストラクター(2008年1月〜2013年12月)
VocalizeU認定インストラクター

アメリカ、韓国など国内外を問わず活躍中のボイストレーナー。
アーティスト、俳優、プロアマ問わず年間2000レッスン以上を行うボイストレーナー。

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