2つのミックスの考え方? ヘビー VS ライト・メカニズム
2019.03.11
今日は2つのミックスボイスの考え方について解説してみようと思います!
ハリウッド式ボイストレーニングのブリッジの考え方
固定ブリッジの考え方は
「ブリッジは原則、この音程で発生します」
と言う考え方です。
Pitch Dependent Bridge(音程依存型のブリッジ)とでも名付けましょう。
僕たちVTチームもセス・リッグス氏のSpeech Level Singingではこちらを習いました。
ブリッジの位置はこちらをご覧くださいませ。
メリット
ブリッジが歌手が失敗をしやす音域なので、問題を発見しやすい
デメリット
歌うときに意識をし過ぎてしまい、その音程がトラウマになってしまう事がある
音色や音量の表現が甘くなってしまう事がある
音程に依存しないブリッジの考え方
移動ブリッジの考え方は
「歌唱音域内は、ある程度声帯の動きは自由度が高く、分厚い〜薄い(声帯で作られる)音色をコントロール出来る」
と言う考え方です。
ヨーロッパで人気のあるヴォーカル・メソッドEstill Voice Trainingはこちらのようです。
※歌唱音域とトレーニング音域は異なりますので、話し声〜歌唱〜トレーニング音域についてはこちらをご覧ください。
Pitch Independent Bridge(音程非依存型のブリッジ)とでも名付けましょう。
声帯をこの写真の様に厚さで考えて、
「甲状披裂筋が強く働くほど、声帯は厚くなり声の音色も太くなる」
「甲状披裂筋が弱くなるほど、声帯は薄くなり声の音色は細くなる」
この考え方の画期的なところは
「男性は平均してG3からG4くらいは声帯を厚くも薄くも出来る。」
「女性は平均してC4からC5くらいは声帯を厚くも薄くも出来る。」
と定義している所です。
逆に言えば特に女性はヘビーメカニズム〜ライトメカニズムの移動を柔軟に出来ないと、
「声楽的なトーン」から「地声の激しいベルティング」を必要とする音楽(つまりはミュージカル曲など)は歌えなくなってしまいます。
ですので、桜田は最近、音程に依存しないタイプのブリッジングをクライアント様にお伝えしています。
これによって歌唱音域で軽やかなトーンで歌ったり、
ヘビーなベルティングにも対応できる様になります。
では、「音程依存型のブリッジ」はダメなの?
個人的な考え方ではありますが、
「音程依存型のブリッジ」は声に起こる問題を見つけるための一つの指標としては活躍してくれます。
つまりはどちらかと言うと「ボイストレーナーが生徒の声を聞くための一つの方法」と考えるのが自然なのではないでしょうか?
このブログはトレーナーさんも読んでくれているので、
「音程依存型のブリッジ」はボイストレーナーさんのイヤートレーニングはメチャクチャ役に立ちますと言っておきます。
シンガーのあなたが使える応用方法
シンガーのあなたは、
「男性でG3からG4くらいが、そもそも柔軟に歌えない」
「女性でC4からC5くらい、そもそも柔軟に歌えない」
この場合は「音程依存型のブリッジ」を意識して練習をしてあげると良いでしょう。
そして声のバランスの悪さを強制するのが先決です。
この音域の自由度が上がってきたら「音程非依存型のブリッジ」で
男性でG3からG4くらい
女性でC4からC5くらい
の音域でピアニッシモ(小さな声)からフォルテッシモ(大きな声)まで柔軟に練習をしていくと良いと思います。
実例を観てみよう
女性
男性
こちらの動画はRibbon In The Skyをガンガン、キーを上げていくと言う無茶な企画をやりましたが(笑)
ある音域を超えると声がキンキンしてあまり魅力的なトーンではなくなってくるのがわかると思います。
つまりは「高い声が出る=その高い声が魅力的」とは限らないと言う事です。
限界の高さの到達する、ある程度手前の太めの音色の方が魅力的と言うケースも多くありますので、
オリジナル曲やカバー曲のキー決めの参考にしてみてくださいね。^^
解説しているインストラクター
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セス・リッグス Speech Level Singing公認インストラクター(2008年1月〜2013年12月)
VocalizeU認定インストラクター
アメリカ、韓国など国内外を問わず活躍中のボイストレーナー。
アーティスト、俳優、プロアマ問わず年間2000レッスン以上を行うボイストレーナー。
このインストラクターの動画
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