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こんにちは!VTボイストレーナーの三浦優子です!各分野の専門家をお招きして3月からスタートした【VT−RV】の講義。その中でも中心的な存在だった桜田インストラクターの講義が、いよいよ最終回を迎えました。
テーマは「ボイストレーニングと楽曲の結びつけ方」です。【VT-RV第1期】からのメンバーも多数参加した注目回で、トレーニングと曲選びをどうリンクさせるか、その実践的なポイントを学びました。

この講義の目的は、楽曲選びとトレーニングを結びつけるための視点や手法を学び、生徒それぞれの声質や能力に合わせた柔軟な指導力を養うこと。これまでに学んできた知識を応用する、まさに実践編です。
まずは母音について。これまでも何度か取り上げられてきたテーマですが、今回はさらに深く掘り下げられました。
会話では一瞬で終わる母音も、歌唱になると10〜40倍もの長さになります。歌唱では母音の比率が高く、聴き手が最も耳にするのも母音です。だからこそ、母音は歌の印象を決める重要な要素と言えます。
桜田インストラクターが強調したのは、中級者・上級者こそ母音を軽視してしまう傾向にあるということ。声は非常にフレキシブルで、良くも悪くも自在に変化します。コントロールできる人ほど、「美しい音色」を生み出すこともできますが、反対に「なんとなくの音色」も作れてしまいます。これが上級者特有の落とし穴です。
発声が整ってきた中級者や上級者こそ、母音の重要性を軽視せず、より一層気をつけなければならないことを教えていただきました。
例えば歌の中に出てくる「あ」母音が毎回こもっているような音色なのか、クリアな音色なのかで歌のクオリティも変わってきます。だからこそ常にPrimal Sound (その人の持つ最高の声)を探す必要があります。
そのために必要な母音の豊かさと明るさを調整するようなエクササイズも教えていただきました。(これは、講義を受けた方だけの特典です!)
今回の講義で印象的だったのが、桜田インストラクターのエクササイズに対する考え方です。「特定の技術には特定のエクササイズ」という固定概念から離れるべき、というお話しがありました。
たとえばベルティングを鍛える場合、「ベルティング専用の練習」だけでは不十分です。実際には、ヘッドボイスの安定やミックスボイスでのスムーズな行き来など、周辺のスキルの向上が大きく影響します。
逆に、ヘッドボイスやミックスボイスの練習をしているときにも、ベルティングの要素が自然と鍛えられていることがあります。

つまり、「これはベルティングのための練習」といった一対一の関係ではなく、発声全体を底上げする過程の中で、各技術が相互に育っていくという考え方です。
私自身、桜田インストラクターのレッスンを見学していて常に感じていたのは、表面的な“症状”だけを解決するのではなく、発声の根本原因にアプローチしているということ。
この視点を持つと、「○○ができないから○○の練習だけをやる」という短絡的な指導から卒業できるのだと思いました。
講義の前半では、このほかにも
✅️楽曲の拍子感やノリを体で覚える練習法
✅️ビブラートを自然にかけるための感覚づくり
✅️声の俊敏性を養うためのトレーニング
など、これまで学んだ要素をどう実践に応用すればよいかを具体的に教えていただける貴重な機会となりました。
講義の後半は、さらに実践的なテーマで、「ボイスタイプごとの課題曲選び」について学びました。 同じ曲でも、その人の声質や発声の状態によって、トレーニング効果が大きく変わります。
桜田インストラクターは、具体的なタイプ別の例を紹介してくださいました。特別に、一例をご紹介します。

■ライトチェストタイプ(低音が弱くなりやすいタイプ)
まずはAI「STORY」やHY「366日」のように、安定した低音域を養える曲からスタート。
その後、MISIA「アイノカタチ」「Everything」のように、チェストとヘッドを行き来する構成の曲へステップアップ。
■ラストチェストタイプが避けたい曲
YOASOBI「群青」のように、サビのほとんどがミドル音域以上になる曲。基礎固めが必要な段階ではチェストボイスが抜けやすく、練習効率も下がります。
ボイスタイプによって、どのような楽曲を課題曲にするかで発声の基盤を作るための成長速度が変わってきます。
ここで受講者から出たのが、「オーディションがある生徒には、得意を伸ばす曲と苦手を克服する曲、どちらを与えるべきか?」という質問でした。
桜田インストラクターの答えは、「パフォーマンス用の練習」と「スキル向上の練習」を切り分けること。
■パフォーマンス用:人前やオーディションで最大限の力を発揮するための選曲
■スキル向上用:苦手を克服し、技術の基盤を底上げするための選曲
この2つは、マインドセットからして全く別のものだといいます。オーディションやステージでは、“その人の魅力を最大限に見せる曲”が必要です。一方、日常のレッスンでは、弱点を克服し、発声の土台を強化する曲を選ぶべきです。
この2つの目的を混同せず、あらかじめ生徒と意図を共有することが、上達のスピードを大きく左右します。
私自身、この話を聞いて「なるほど」と腑に落ちました。曲選びは単なる好みや流行ではなく、“今”の目的に沿った戦略なのだと改めて感じたからです。
「今なぜこの曲を練習しているのか」が共有できていれば、レッスンは迷わず同じ方向に進みます。 その土台になるのが、【VT−RV】初期にアマンダ先生から学んだ信頼関係の築き方です。
ボイストレーナーという仕事は、目の前の生徒にとってどんな課題を与えるのが最善なのかを常に考え、判断していくこと。
そして、その課題に真剣に取り組んでもらい歌唱力を向上させるためには、信頼関係が築けていることが必要不可欠です。桜田インストラクターの講義を通して、改めてボイストレーナーという仕事の奥深さを実感しました。
終盤は、桜田インストラクターの実際のレッスンを見学し、講義は終了。これで残りの【VT−RV】講義はあと3回となりました。
次回の講師は、ボイスティーチャーであり言語病理学者でもあるケリー・オバート先生。
長年の研究で培われた知見から、音声障害・呼吸・声道について詳しく学びます。
次回も、新しい発見に満ちた時間になる予感がします!
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