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同じ曲を同じように歌ったのに、店舗を変えたら点数が10点近く下がってしまった……。カラオケ採点に挑戦していると、一度は経験する出来事です。
原因の多くは、機種の違いにあります。「DAMは厳しい」「JOYSOUNDは点数が出やすい」とよく言われますが、実際は何がどう違うのでしょうか。そして、これから練習するならどちらを選べばいいのでしょうか。
DAMとJOYSOUNDの両方を15年歌い比べてきた、VT名古屋スタジオの加藤真太郎インストラクターにお聞きしました。

VT名古屋スタジオ所属。中学2年でカラオケに出会い、以来15年にわたりJOYSOUND・DAMの両方で採点に向き合ってきた「カラオケ畑」出身のボイストレーナー。
現在は採点対策から本格的な歌唱力向上まで、一人ひとりの生徒に寄り添った指導を行っている。

前回の記事「カラオケ採点で90点を取る方法|高得点のコツを現役ボイストレーナーが解説【選曲・練習法】」で、加藤インストラクターに90点突破のコツを教えてもらってから、こっそり練習を重ねてきました。ところが先日、いつもと違うカラオケ店に行ったら、同じ曲を歌ったのに点数がガクッと下がってしまったんです。
というわけで、まずはカラオケの採点機種の基本を調べてみました。カラオケ機種は、大きく分けてDAM(第一興商)とJOYSOUND(エクシング)の2系統です。
採点機能の呼び名も異なり、DAMは「精密採点」シリーズ、JOYSOUNDは「分析採点」シリーズと呼ばれています。
| 比較項目 | DAM | JOYSOUND |
| メーカー | 第一興商 | エクシング |
| 現行の主な機種 | LIVE DAM WAO!、LIVE DAM Ai ほか | JOYSOUND X1、MAX GO ほか |
| 採点機能の名称 | 精密採点シリーズ | 分析採点シリーズ/全国採点グランプリ |
※2026年8月時点の情報です。設置機種は店舗によって異なり、一世代前の機種が使われていることもあります。
どちらも採点機能は機種の世代ごとに複数のバージョンが存在します。お店で「思っていた採点画面と違う」と感じるのは、この違いによるものです。
「JOYSOUNDのほうが点数が出る」という声は、カラオケ好きのあいだで長く語られてきました。同じように歌っても機種で点数が変わるのは、両社がそれぞれ独自の基準で採点しているためです。
たとえば音程の判定ひとつとっても、どこまでのズレを「合っている」と見なすかは機種によって異なります。この判定の幅が狭いほど点数は出にくくなります。
両方を歌い比べてきた加藤インストラクターにお聞きしました。
加藤:経験上ですが、それは事実だと思います。体感的には、JOYSOUNDが甘いというより、DAMが厳しいというイメージですね。JOYSOUNDだと90点を超えるのに、DAMだと80点とか81点、82点あたり。それで「え、DAMって厳しいんだ」と感じたのを覚えています。一緒に歌っていた友人は、DAMで歌ったら70点とかで、60点台が出てしまったこともありました。それで、「JOYSOUNDのほうがみんな点数出るからいいよね」という空気がありましたね。
▶機種が変われば点数は変わります。JOYSOUNDが甘いというより、DAMの採点が厳しい。まずはこの前提を押さえておきましょう。

DAMの精密採点は、音程だけを見ているわけではありません。DAM公式サイトでは、高得点を取るために必要な項目として次のように解説されています。
| 項目 | 公式の説明 |
| 音程 | 原曲の音程を外さずに正確に歌えたかを分析 |
| 安定性 | 音程が不安定に震えていないか、まっすぐに発声できているかを評価 |
| 表現力(抑揚) | 声の大きさに強弱をつけて歌う技術。抑揚がないと一本調子に聞こえてしまう |
| しゃくり | 低い音程から滑らかに本来の音程までずり上げる技術 |
| こぶし | 旋律のなかで音を細かく動かす装飾的な節回し |
| フォール | 本来の音程から低い音程へ滑らかにずり下げる技術 |
注目したいのが「安定性」です。公式でも、安定して発声するためにフレーズの始めにしっかり息を吸うことが勧められています。音程を当てにいく意識だけでは届かない領域がある、ということです。
このうち加藤インストラクターが「厳しい」と話すのが、音程の判定でした。
加藤:DAMはやっぱり、音程に対してすごく厳しいイメージがあります。平気で音程正確率70%とかを出してきますから。音程が取れない人、テンポが合わない人、リズムが合わない人には容赦がなくて、そのあたりはすごく低い点数を出してきますね。

DAMで点数が伸びないときは、まず次の4つを確認してみてください。
①音程が取れているか
②音程とテンポが合っているか
③原曲どおりのリズムで歌えているか
④声が安定しているか
意外な落とし穴になるのが、④の「声の安定性」です。
以前、音程正確率がコンスタントに90%を超え、曲によっては94%以上になる方とカラオケをご一緒したことがあります。僕が聞いている分にはすごく上手なのですが、声の安定性や表現力のところで減点され、総合点は90点に届かない。ボーナスでようやく超えるかどうか、という結果でした。
DAMは音程にシビアですが、音程だけ合っていれば高得点が取れるわけではありません。
音程バーにはしっかり当てているのに点数が伸びない場合は、声の安定性や表現力にも目を向けてみてください。

加藤インストラクターの採点結果。音程だけでなく、安定性・表現力・リズム・ビブラート&ロングトーンの5項目がそろって100点に届く 。
▶ DAMは音程にシビア。ただし音程正確率が90%を超えても、安定性が伴わなければ総合90点には届きません。

JOYSOUNDの採点は「甘い」と言われることが多く、音程が合っていれば点数が出やすいと感じる人が少なくありません。ただし、ひとくちにJOYSOUNDの採点といっても種類があります。
| 採点機能 | 特徴 |
| 分析採点AI+ | 最新機種X1に搭載。AIによる総合的なボーナス加点あり |
| 分析採点AI | 約600万件の歌唱データをもとにしたAI採点 |
| 分析採点マスター | X1、MAX GO、MAX2、MAXに対応する定番機能 |
| 全国採点グランプリ | 全国ランキングを競うモード |
出典:JOYSOUND.com/JOYSOUND X1 公式サイト
練習の記録として使うなら分析採点シリーズが向いています。最新機種X1は、JOYSOUND X1公式サイトによると、プロボイストレーナーによる採点実績を学習させることで、より自然な歌唱で高得点が出るよう進化したとのこと。この点は、DAM側の変化とも重なってきます。
JOYSOUNDは、「点数が出やすい機種」というイメージが先行しがちですが、中身は日々更新されているようです。
JOYSOUNDのほうが緩いというか、多少外れていても、そこまで減点されないというイメージはありますね。
ただ、採点機能は年々更新されています。気になる方は、同じ曲を両方の機種で歌って比べてみると、ご自身の感覚がつかめると思いますよ。

ここまで見てきたとおり、DAMとJOYSOUNDでは採点の傾向が異なります。では、これから採点で練習していくなら、どちらの機種を選ぶべきなのでしょうか。機種選びで迷ったときは、次の3点を確認してみてください。
①今どのくらいの点数が出ているか……DAMで80点台にとどまるか、90点を超えられるか
②点数を見てモチベーションが上がるか、下がるか……練習を続けられる環境かどうかの判断材料
③何を目指しているか……まず楽しみたいのか、高得点を極めたいのか
このうち加藤インストラクターがもっとも重視しているのが、2つ目でした。
加藤:その方が今どのレベルにいるかを見ながら、機種も含めて考えられるといいと思っています。たとえばDAMで歌うと80点しか出ません、という方。その環境で練習を続けるのは、正直しんどいと思うんですよ。メンタルというか、モチベーションも少しずつ下がっていきますよね。点数が低いものばかり見せられると、人間ですからやる気は落ちてくる。
それなら、JOYSOUNDで少し高い点数が表示されるのを見て、そこでモチベーションが上がってくれたらいいと思うんです。
判断の軸になるのは、その人が練習を続けられるかどうか。タイプ別に整理すると、こうなります。
| チェック項目 | JOYSOUNDが向いている人 | DAMが向いている人 |
| 今の点数 | DAMで80点台にとどまる | JOYSOUNDで90点を超えられる |
| 状態 | 音程やテンポを取るのが難しい | 基礎が固まってきた |
| 目的 | まず楽しみたい | カラオケ採点で高得点を極めたい |
JOYSOUNDなら90点を超えられるという方であれば、そこからDAMを勧めるかなと思います。DAMのほうが判定が細かいというか、厳しいイメージがあって。
本当に上達していきたい、カラオケ採点で高得点を極めたいという方であれば、DAMを勧めますね。 ただし、その先の95点以上を狙う段階になると、どちらの機種でも相応に難しくなります。
▶機種が決まったら、次に効いてくるのが選曲です。高得点が出やすい曲の選び方や男女別のおすすめ曲は、シリーズ別記事で解説予定です。

近年、カラオケ採点そのものの考え方が変わりつつあります。象徴的なのが、DAMの最新採点機能です。
LIVE DAM WAO!に搭載された「精密採点Ai Heart」は、人が実際に歌を聴いて上手いと感じるかに着目した「ハートエンジン」という新しい採点エンジンを導入し、歌唱力の評価だけでなく歌声の個性や印象までを分析するようになりました。
| 追加要素 | 内容 |
| 聴感 | 歌声の聴き心地に関わる要素を数値化する新採点項目 |
| ハートタイプ/ハートボーナス | 歌い方の傾向をハートの色で可視化。従来のAi感性ボーナスが進化 |
| アクセント・ハンマリング | こぶし・しゃくり・フォール・ビブラートに加えて新たに検出対象となった技法 |
実はこの変化、DAMの公式サイトにも記載がありました。採点開発者へのインタビューによると、昔は抑揚の点数を上げるためにマイクを離したり近づけたりする歌い方が流行ったそうなのですが、今はそれをやるとマイナス評価になるのだとか。人が聴いて不自然に感じるところは評価しない、という方針だそうです。
この流れを、加藤インストラクターはどう見ているのでしょうか。
加藤:変わってきていると思います。僕が点数を追いかけていた頃は、機械的に歌ったほうが点数が出るという感覚がありました。歌手の原曲ではなく、カラオケのガイドメロディーをなぞるように歌う。マイクを離したり近づけたりして抑揚を作る。当時はそういう歌い方が「点数を取るコツ」として語られていたんです。
ただ、アクセントやハンマリングは性質が違います。これらを使うと、歌い方はむしろ機械的ではなくなっていく。人が聞いて「上手だな」と感じるためのテクニックだからです。特にハンマリングは、その傾向が強いですね。採点が時代とともに進化して、そういう方向に向かっているのは、僕としてはとても良い流れだと感じています。
「カラオケが上手い人」と「歌が上手い人」は違う、とよく言われますが、その差はこれから少しずつ小さくなっていくかもしれません。
というのも、ボイストレーナーが歌唱を指導するとき、点数を取るためだけの歌い方を教えているわけではありません。音程やリズムを整えることはもちろん、強弱や表現など、歌として、音楽として上手く聞こえる歌い方を指導していきます。
高得点を目指すときも、採点の攻略だけに偏るよりも、歌い方そのものを磨いてみてください。
▶カラオケの採点は「機械的な正確さ」から「人が聞いて上手いと感じるか」へ。点数を追うことと歌が上手くなることは、少しずつ近づいています。
🔗 「カラオケが上手い人」と「歌が上手い人」の違いについては、別記事「カラオケ採点で90点を取る方法」でも加藤インストラクターの解説があります。

機種選びの話をしてきましたが、最後にもうひとつ押さえておきたい前提があります。同じ曲を同じように歌っても、点数は日によって変わるということです。
加藤:採点もいろいろ進化してきていますが、いい意味でも悪い意味でも、あくまで機械なんですよね。だから、同じ曲を同じように歌っても、この日は点数が出たのに、この日は出なかった、ということはあります。その日の声のコンディションや、部屋の環境なども少なからず影響すると思います。
| 要因 | 具体的には |
| 声のコンディション | 睡眠不足、喉の乾燥、歌い始めで声が温まっていない |
| 部屋の環境 | 部屋の広さ、マイクの状態、エコーの設定 |
| 機種・採点機能 | DAM/JOYSOUNDの違い、採点モードの違い |
点数はあくまで機械の判定です。日によって出たり出なかったりもするので、そこでストレスを溜める必要はありません。日々の楽しみとして、趣味として向き合っていただくのが一番だと思います。
ただ、点数に挑む楽しさは僕自身がよく知っています。「どうしても90点を超えたい」という気持ちは、すごくよくわかる。
その先にあるのは、どの機種で歌っても点が出る歌です。機種のクセに頼らず点数が出るようになったとき、それは歌そのものが上手くなっているということですから。
▶ 点数は日によって変わるもの。それでも伸ばしたいなら、目指すのは「どの機種でも点が出る歌」です。

今回は、DAMとJOYSOUNDの採点の違いと機種の選び方を、加藤真太郎インストラクターに解説してもらいました。ポイントをおさらいします。
| ポイント | 要点 |
| ① 採点の傾向 | DAMは音程にシビア。JOYSOUNDは多少のズレに寛容 |
| ② 機種の選び方 | 見るべきは甘さ辛さより「今の自分が続けられるか」 |
| ③ 採点の変化 | 「人が聞いて上手いと感じるか」を評価する方向へ進化 |
| ④ 点数との付き合い方 | あくまで機械の判定。体調や部屋の環境でも変わる |
機種選びは、あくまで入口です。DAMかJOYSOUNDかで迷った時間も、点数に一喜一憂した経験も、きっと上達につながっていきます。
そして機種を変えても、音程の不安定さやリズムのズレは発生します。「どの機種で歌っても同じところで止まる」と感じているなら、機種を疑う前に発声の土台を見直してみてください。
5年カラオケの採点と向き合い、いまは指導する立場で多くの生徒さんを見てきました。
機種のクセに頼らず点数が出る方は、やはり発声の土台がしっかりしています。
もし本気で高得点を目指したいなら、レッスンでサポートは可能です。
VT名古屋スタジオの加藤インストラクターの対面・オンラインレッスンでは、カラオケの録音や採点画面をもとに、どこでつまずいているのかを探していくことも可能です。
カラオケ畑からボイストレーナーになった加藤インストラクターと一緒に、目標の点数をクリアする楽しさも、その先にある「歌そのものが上手くなる」実感も、ぜひ体験してください!
| 体験レッスン | 初回4,000円 |
| 担当 | 加藤真太郎インストラクター(VTレッドラベル認定) |
| VT名古屋スタジオ | 〒460-0007 名古屋市中区新栄2-1-4 アソルティ新栄6F |
体験レッスンの詳細・お申し込み | VT名古屋スタジオページ
※カラオケ採点対策をご希望の方は、お申し込み時に加藤インストラクターをご指名ください。

生徒に寄り添った指導で、歌う楽しさを実感するレッスン
愛知県名古屋市出身。幼少期に父親の車で聴いた昭和のシティポップを通じて音楽の楽しさを知る。高校時代にEXILEや三代目 J SOUL BROTHERSに憧れ、ボイストレーニングを本格的に開始。オーディションに挑戦するなど歌への情熱を絶やさず模索を続けた結果、ボイストレーナーの道へ進むことを決意。2020年にハリウッド式ボイストレーニングと出会い感銘を受け、インストラクター研修をスタート。2023年VTチームに加入し、現在はTHE VOICE TRAINERS認定レッドラベル・インストラクターとして歌う喜びを伝えるレッスンを行っている。