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HOME/ ブログ一覧/ プロボイストレーナー養成と指導技術(VT-RV)/ 声道の動きで音色が変わる?「発声の解剖学」ボイストレーナー育成&養成講座【VT-RV講座レポート第15回】
★ プロボイストレーナー養成と指導技術(VT-RV)
VT-RVレポート 2025.09.19 公開 更新 2026.07.06

声道の動きで音色が変わる?「発声の解剖学」ボイストレーナー育成&養成講座【VT-RV講座レポート第15回】

こんにちは!VTボイストレーナーの三浦優子です。3月からスタートした【VT-RV】第2期も、いよいよ最終回となりました。最後のテーマは、ケリー・オバート先生による「声道の構造」です。
声の仕組みを解剖学の視点から解説していただき、音色をコントロールするための体の使い方について深く学ぶことができました。

 

【発声の解剖学】声道の3方向アプローチで音色は変えられる

今回の講義では、声道の構造がどのように音色に影響を与えるかについて、解剖学の視点から学びました。これまでの講義でも登場した「基本周波数」と「倍音」に加え、倍音の“エネルギーの分配”が声道の形によって左右されるという、新たな視点がとても興味深かったです。
 
※基本周波数は声の高さ(ピッチ)を決める音の土台、倍音はその上に重なる周波数成分で音色に影響します。
 
特に印象的だったのは、声道の形は3方向から調整できるということでした。
 
■声道の形、方向の調整■1. 上下方向(喉頭の高さ)
2. 前後方向(APN:Antero-Posterior Narrowing)
3. 左右方向(LMN:Lateral-Medial Narrowing)

 
喉頭は2〜3脊椎分ほど上下に動かすことができ、その位置によって声の印象が変わります。高い位置では明るい音色に、低い位置では落ち着いた柔らかい音色に。
特に興味深かったのが「梨状陥凹(りじょうかんおう)」。喉頭の左右にあるポケット状のくぼみで、この空間が広がる(=喉頭が下がる)と4000Hz以上の高周波が相殺されてしまうそうです。
つまり、パワーのある声を出すには、梨状陥凹を狭く=喉頭を高く保つことが必要。これまで「パワーのある高音を出すときは喉頭は高い方がいい」と感覚的に理解していた部分を、構造的に納得できた貴重な学びでした。

 

前後方向の調整「舌の構造」を理解すると音色のコントロールが見えてくる

前後方向の動きの中で特に興味深かったのが、舌の構造についてのお話でした。舌は一枚の筋肉の塊だと思っていましたが、実は前部3分の2と後部3分の1に分けて考えられるのです。
これは胎内で別々に発達し、後から結合するという成り立ちによるもので、生まれてからも別の神経支配を受けているのだとか。
 
舌の前部:噛みしめの動きに関与
舌の後部:喉頭蓋と連動し、食べ物を飲み込みやすくする役割
 
こうした背景を知ることで、舌の後部が発声にどれほど影響を与えるかが明確になりました。特に、舌の後部3分の1を軽く後ろに引き下げると、声に深みや柔らかさが加わり、その状態で声帯を厚く使うと響きのある力強い声になるとのことでした。
ただし、引き下げすぎるとアニメのカーミットのような明瞭さのない、こもった声になってしまうため、やはり“ほどよく”作用させることが重要だと感じました。

解剖学の視点で見えてきた「声のよきバランス」


これまでは、音声学や音響学の視点から声を学んできましたが、今回のように解剖学の視点から声を捉えるのは新鮮で、とにかくあっという間の時間でした。
ケリー先生が講義の中で繰り返し伝えていたのが、 「よきバランスを保つこと」の大切さ。
たとえば、 喉頭は、上げすぎても下げすぎても、思うような音色にならないし、 舌の後部も、引き下げすぎれば、歌いたい響きから外れてしまいます。
“正解”は一つではなく、音楽のジャンルや表現したいニュアンス、その人自身の声によっても、最適なポジションは変わってきます。
だからこそ、その人にとっての“ちょうどいいバランス”を見つけること
それが、ボイストレーナーとして大切にしたい視点だと、改めて実感しました。
 

次回から、実践編へ!ティーチングクリニックがスタートします


【VT-RV】第2期の講義は、全19回の講義が終了しました。どの回も学びが濃く、その場で理解しきれなかったことも、見返すことでさらに深まりそうです。
そしていよいよ次回からは、実践編となる「先生のためのレッスン」ティーチングクリニックが始まります!
これまでの知識を、どう実際の指導やパフォーマンスに活かしていくのか?その様子は、次回のレポートでお届けしますので、お楽しみにー!

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