桜田ヒロキ2026年7月15日 9:51 pm
子どもには、子どもにしか歌えない歌があります。
以前、お母様から、
「もう少し大人っぽく、色気のある歌い方はできませんか?」
と相談を受けたことがありました。
当時の僕は、その質問にうまく答えられませんでした。
でも今なら、少し違う視点でお話しできます。
子どもの歌い方が子どもっぽいのには、ちゃんと理由があります。
子どもは、身体が小さいだけではありません。
肺。
気管。
喉頭。
声帯。
発声に関わる器官は、大人とはパーツの比率そのものが違います。
つまり、子どもは「小さな大人」ではありません。
発声システムそのものが、成長の途中にあります。
だから、大人と同じ歌い方を求めること自体が、少し無理のあることなのかもしれません。
子どもの身体は、気管が細く、声帯も非常に小さい構造です。
さらに、肺や呼吸器とのバランスも、大人とは異なります。
そのため、フィジカル的にも、そして空気力学的に見ても、子どもの身体は、
元気よく、
明るく、
エネルギーのある発声に適した条件を持っています。
逆に、大人のような繊細なコントロールや、落ち着いた音色は、身体の成長とともに少しずつ身についていく部分も大きいと考えられます。
だから僕は、子どもには、まず子どもらしい歌を大切にしてほしいと思っています。
無理に大人の歌い方へ近づけるよりも、今の身体だから出せる、
明るさ。
素直さ。
エネルギー。
それをしっかり育てる。
そして身体の成長に合わせて、表現やコントロールを少しずつ広げていく。
その方が、自然な発達につながると考えています。
子どもには、子どもにしか歌えない歌があります。
その歌声は、身体が今の状態だからこそ生まれる、とても大切な個性なのだと思います。