小野貴之2026年3月21日 8:07 pm
- なぜメトロノーム(クリック)を使うのか──「リズムをかっこよく」だけではないもう一つの理由
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レッスンで楽曲を扱うとき、メトロノームだけを鳴らしてそれに合わせて歌ってもらうことがあります。リズムトレーニングの方法は先生によってさまざまですが、僕はメトロノームのみで歌わせることをよく行います。
四分音符だけで鳴らすことはあまりなく、曲によって八分音符や十六分音符で鳴らすことが多いです。
リズムを正確に歌うには技術が必要です。例えるなら、二本の線が一本に重なるところ、つまりメトロノームの音と声が重なるところがオンタイムで、そこを狙います。
もちろんこれはリズムトレーニングですが、その結果として「発声の安定」も得られます。
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「声の立ち上がり=オンセット」には、①声門を先に閉じるGlottal Attack、②息が先に漏れるAspirate Onset、③声門の動きと息の流れが同時に起こるBalanced Onset、の三種類があります。
レッスンでは基本的に③を理想としていますが、そのためには声を発するタイミングをしっかり狙えていることも重要です。野球のスイングでバットがボールを適切なタイミングで捉えるのと同じです。
曲をオンタイムで歌えないと、オンセットのタイミングがランダムになり得ます。
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僕が20代のころに習っていた先生はリズムに厳しく、シンガーのクオリティに直結することを学びました。リフの決まり具合や、あえてタメを作る技術も、正確なリズム感があってこそ成り立ちます。
今ではその重要性が発声の観点からもよく理解できます。
実際にこれは、かなり効果を発揮します。