加藤真太郎2026年3月19日 9:14 am
【たくさん練習しても上手くならない!?】
前にレッスンに来られた生徒さんと話していたときに、
「カラオケに行ってたくさん歌っていれば勝手に上手くなると思っていたけど、全然そんなことないですね」と言われたことがあります。
僕自身も過去に同様なことを考えていたのですごく共感できたのですが、ではどうしてたくさん練習しても、歌は上達していかないのでしょうか?
──────────
【歌唱は筋トレではなく、運動学習】
歌唱における上達は、運動学習というプロセスで進んでいくと言われています。
運動学習とは簡単に言うと、繰り返し練習をしていく中で出来なかった動きが出来るようになったり、正しい動きを覚えていく、というものです。
この運動学習では、そのプロセスを3段階のステージに分けることが知られています。
1.認知段階
この段階ではまず、正しい動きを「頭で理解すること」が求められます。
ボイトレで考えるのであれば、自分のボイスタイプやどこでエラーが起きているかを知り、正しい声の出し方や練習のやり方を覚えていく段階です。
つまり”カラオケで闇雲に歌う”という行為は、この認知段階をそもそもすっ飛ばしているということになります。
何よりまず頭で理解することが求められるのに何も考えずに歌っていては、それは練習というより、”ただの趣味の時間”ということになってしまいます。
2.連合段階
この段階に来ると、頭で正しい動きがある程度理解できているので、その正確性や安定性を高める時期といえます。
もしかするとこの段階では、練習量も大事になってくるかもしれません。
大袈裟な失敗から小さな失敗へと失敗の質が変化していき、それと成功を繰り返すこと、つまりトライ&エラーを繰り返すことで、発声の安定性が高まっていくと言えます。同時に声の発達も進んでいくでしょう。
3.自動化段階
この段階に来れば、ほとんど何も考えなくても自然に歌えるようになります。
他のことにも意識が向けられるようになるので、この段階に来て初めて自分の行いたい表現が出来るようになるといえるかもしれません。
────────
この自動化段階に到達するまでに、数年の持続が必要と考えられています。
こうやって考えると、歌の上達は人によっては物凄く難しく感じてしまうかもしれません。
しかしだからこそ歌は一生楽しめる趣味になり得るといえますし、試行錯誤しながら上達したという経験が、人生の自信にも繋がってくれると思います!