小野貴之2026年2月7日 7:58 pm
📝鼻声を聴き分ける耳を作ること。"鼻声→プレスするまでがセット"
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軟口蓋が下がっていると鼻への通り道が出来てしまいます。これにより、こもった声になったり、響きの悪い声になってしまいます。音量は稼げず、決してよい声とも呼べません。
◆ですが、ティーチャーは「音量が上がりすぎている声」に対しても「鼻に入ってしまっている」とジャッジすることがあります。
これは、音量が稼げないことを補うために過剰な声門閉鎖(プレス)を行なっているケースです。
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音量(声量)の稼ぎ方には主に2つの要素があり、声門下圧を高めること、もうひとつは声道の形の作り方を工夫して高周波数帯域を強調することです。
◆発声において大切なのはバランスです。やりすぎるとよい声にはなりません。
声門下圧を高めすぎると、小さな声帯はエネルギーを受け止めきれずに不要な筋肉まで巻き込んで過剰な声門閉鎖(プレス)を引き起こします。
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軟口蓋が下がり、高周波数帯域のボリュームが落ちてしまうことに対して、過剰な声門閉鎖で補おうとする。これはかなりよくあるケースです。実際小野も普段レッスンをしていてよく遭遇します。
◆大切なのは聴き分ける耳です。
こもっている、高周波数帯域が減衰している、=即鼻声、でもありません。鼻声には特有の音があります。鼻声プレスの音も、チューニングの乱れが起こるので察知することができます。
声には本当にさまざまなケースがあります。上記のように軟口蓋が下がっているからプレスするケースもありますし、息の量が多すぎるけどプレスはしたくない→息が漏れ過ぎて気づいたら鼻からも漏らしている...などもあります。
私も多くの聞き間違いを経験してここまできましたが、現在はこうした音の聴き分けに自信を持っています。
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ちなみにこんな話をしておいてなんですが、レッスン中には鼻声を指摘せずにデモンストレーションだけで修正することが多いです。なぜなら、軟口蓋は指摘して上げられるようなものではないからです。いい声になったとき、自然と軟口蓋も声門下圧も整っているものなのです。デモと、少し別の言葉を使ったディレクションで声を探してもらい、よい声を出していただいた後で、最初のあのエクササイズは鼻に入っちゃってたんですよ、というように教えたりします。
◆あとで録音を聴き返すことは優れたイヤートレーニングになります。自分で練習するには、よい声とそうでない声の聴き分ける力が必要です。
ちなみに、イヤートレーニングに最適なのはVT-RVです。歌声をトレーニングする上で必要な能力は、半分は耳なのです。