桜田ヒロキ2025年9月20日 12:49 pm
【女性の加齢と声の変化 ― なぜ声は変わるのか?】
ふとした瞬間に「昔より高い声が出しにくい」「声が疲れやすい」と感じたことはありませんか?
女性の声は、年齢とともに少しずつ変化していきます。実際に、音域が狭くなる・声が低くなる・響きが減るといった変化は多くの方に起こります。
その背景には、女性ホルモン(エストロゲン)の減少があります。エストロゲンは声帯の粘膜をしなやかに保つ役割を果たしていますが、更年期以降に分泌が減ると、声帯の潤いが失われやすくなります。その結果、声がかすれたり、伸びが悪くなったりするのです。
さらに、加齢とともに声帯や周囲の筋力が低下していきます。声帯を閉じる力(声門閉鎖)が弱まると、声に息が混じり、高音が出にくくなることがあります。これらが重なることで「声が老けた」と感じやすくなります。
しかし、これは避けられない“衰え”ではありません。適切なケアやボイストレーニングによって、変化を緩やかにし、むしろ声を若々しく保つことが可能です。例えば、日常的に水分補給を心がけて声帯の乾燥を防ぐ、軽い発声練習で筋肉を刺激する、共鳴の工夫で声に厚みを持たせる、といった方法が役立ちます。
声の変化は年齢のせいだけでなく、使い方次第で大きく変わるということです。年齢を重ねても「自分らしい声」を維持し、さらに魅力的にしていくことは十分に可能です。