レッスン予約

TIMELINEタイムライン

桜田ヒロキ2025年9月9日 12:21 am

【クラシック発声からCCM発声へ ― 歌唱スタイルの違いと橋渡し】
クラシックを学んできた歌手が、ポピュラーやミュージカルなどのCCM(Contemporary Commercial Music)発声を必要とする場面は増えています。
オーディションや舞台、現場の要求に応えるためには、クラシックとCCMの声の使い方の違いを理解することが欠かせません。

【クラシック発声とCCM発声の違い】
クラシック発声は、大きなホールで声を響かせることを目的としており、声帯の閉鎖も強めで、共鳴腔を広く使う特徴があります。対して、ポピュラーやミュージカルの発声は、マイクを通す前提で「言葉の明瞭さ」「リズムとの一体感」「声色の多様さ」が重視されます。
ここでは、声門閉鎖はクラシックよりも軽めになり、共鳴も前方へシフトする傾向があります。

【なぜクラシック歌手は苦労するのか】
クラシック出身の歌手がCCMを歌うと「響きすぎてしまう」「言葉が伝わりにくい」「リズムに乗りにくい」といった課題に直面することがあります。
これは、クラシックで培ったテクニックがそのままではCCMの要求に合わないからです。特に、声門閉鎖の強さや共鳴の位置をコントロールすることが難しく感じられるケースが多いのです。

【橋渡しのポイント】
クラシック発声からCCM発声へ移行する際のポイントは、「閉鎖」と「共鳴」の調整です。

声門閉鎖:クラシックで強すぎる閉鎖を少し緩め、より軽やかで瞬発的な音を作る。

共鳴:深い響きに偏らず、前方で明るい音色を意識する。

リズム感:クラシック的なおおらかな取り方ではなく、各種ジャンルに合わせたグルーヴを理解したフレージングへ。

この調整によって、クラシックの基盤を持ちながらもCCM特有の発声へスムーズに移行することができます。

【まとめ】
クラシック発声とCCM発声は、目的も使われる場面も異なります。クラシックで培ったテクニックを否定する必要はありませんが、そのままではポピュラーやミュージカルには適応しづらいのも事実です。
声門閉鎖と共鳴のコントロールを学び直すことで、クラシック出身の歌手も新しい歌唱スタイルを自分のものにできます。

現場で求められる声に対応するために、「クラシック発声からCCM発声へ」という橋渡しの視点は、今後さらに重要になっていくでしょう。

CONTACT

レッスンをご希望の方はこちらまで。