金子 恭平2025年9月8日 11:38 am
【飲み会の翌日は声が出ない?】
お酒を飲んだ翌日は、声が出しづらい――経験的にそう感じている方が多いと思います。
つい「飲み会=声帯に悪い」と考えてしまいがちですが、不調の原因をしっかり整理したほうがよいでしょう。
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▼アルコールが声帯にもたらす影響
まずはお酒を飲んでいる最中の話です。
このタイミングでは、各人のアルコール耐性にもよりますが、やはり声帯が充血し乾燥します。
声帯は一秒間に何百回もぶつかり合うことで声を作り出します。
腫れて水分を失った声帯同士が激しくぶつかり合うことを考えれば、そのダメージも想像できますね。
お酒を飲んでいるときは、なるべく大声で話さないことが大切です(難しいですよね……)。
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▼翌日の不調は案外「塩分」のせいかも
お酒を飲んだ翌日、嗄声(させい)よりも、声が低く重たいことが気になるケースがあります。
この場合、単に声帯がむくんでいるだけかもしれません。
これはアルコールのせいではなく、過剰摂取した塩分による影響です。
お酒を飲む場では味の濃い料理が多く出てくる傾向にありますが、歌い手は口にするものに気をつけたいところです(ぼくはいつも食べすぎてしまいます)。
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▼リカバリー
どちらの場合でも、声帯を温め柔軟にすることで、健康的な声帯振動を取り戻す必要があります。
これは声帯への血流促進と、むくみを作っている体液の排出を同時におこなうことで実現します。
「ストローエクササイズ」や「リップバブル」など、声道を半分閉じておこなうSOVT(Semi Occluded Vocal Tract)と呼ばれるエクササイズが安全かつ有効です。
高い音から低い音へのポルタメント(スライド)を数分間続けるだけでも、声帯の状態はよくなってきますよ。
起床時からお昼にかけて、何度か繰り返せると尚よいですね!