レッスン予約

TIMELINEタイムライン

金子 恭平2025年8月29日 9:55 am

【息は「吐き切らない」のが正解】

VTのボイストレーニングと出会う前は、歌のレッスンで「もっとお腹を絞って息を吐いて!」とよく言われたものでした。
呼気が変換されて声になるわけですから、たしかに吐く息を増やせばよりよい音が出そうなものですよね。

しかし音声学などの知見から、この考え方は正しくないとされています。

―――――――――
歌で呼吸が重要視される本当の理由はなんでしょうか?

それは呼気の量を増やすためではなく、声帯の下側にかかる圧力(声門下圧)を維持するためです。
声門下圧に支えられてはじめて、声帯は効率よく振動し、安定した声を生み出せるようになります。

息を吐き切る歌い方では、フレーズの後半に向けて声門下圧が大幅に下がっていくことになります。
これでは声が不安定になったり、喉に不要な力みが生まれてしまいます。

―――――――――
なぜ昔は、息を吐き尽くすような指導が多かったのでしょう。

一説には、ヨガなどの健康法におけるブレスワークと、歌唱のための呼吸が混同されていたためと考えられています。
ひと口で「呼吸」といっても、心身のリラックスや浄化を目的とする呼吸法と、持続的でパワフルな発声のための呼吸法は、その目的とメカニズムがまったく異なるので注意が必要ですね。

CONTACT

レッスンをご希望の方はこちらまで。