田栗ななえ2025年8月7日 12:55 am
「声が居着く」について考える
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桜田先生のスケール解説の中で出てきたワード「居着く」について、考えてみたいと思います。
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声が「居着く」とは?
「居着く」とは、
地声モードや高音モードに声が居座ってしまう状態を指します。
これによって起こる困りごととしては、
・地声に居続けることで、高音に上がるときに声がプルしてしまう
・高音に居続けることで、下降したときに地声に戻れず、裏声モードのままになってしまう
低音から高音、高音から低音とスムーズに移行したいのですが、
その人の得意なモードに声が固定されやすい傾向があります。
これは、筋肉が「慣れている場所」に居着きたがる性質を持っているためです。
多くの人で、「それあるある!」となる症状なのではないでしょうか。
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【居着く傾向から抜け出すための、エクササイズアイデア】
では、声がモードに居着いてしまう状態から抜け出すためにどうしたら良いか。
地声/裏声モードから抜けられないときは、まずはそれぞれしっかり感覚を取り戻すことが大切です。
①
・裏声に居着く場合:地声3トーン(ドレミレド)
→地声だけのエリアに制限することで戻る地声の感覚を掴みます。
・地声に居着く場合:高音から地声のスライド。
→高音から始めることで、地声を高音に引っ張らない感覚を掴みます。
②オクターブ跳躍(ex:ド↑ド↓)
地声/裏声モードから抜けられないときは
→まず音の跳躍幅の広い1オクターブで、
しっかり地声と裏声それぞれ捉えてみるといいかもしれません。
それぞれのモードの感覚を思い出します。
③オクターブスケール(ドミソドソミド)
・裏声に居着く場合:地声から始めて、上昇↑下降↓。
→下降時に地声に戻るのが難しい場合、
一番下のも音もそうですが、真ん中2音で高音モードに居着いてしまっている可能性があります。要チェック☺︎
・地声に居着く場合 : 高音から始めて、下降↓ 上昇↑
→上昇のときに「持ち上げすぎる」場合は、早めにミックスへつなぐモードへと切り替える意識が必要になります。
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ちなみに、今回動画で紹介している5トーンAHは、
「居着く」をターゲットにするとなると、とても難易度の高いものになります。
※音と音の幅が狭いので、より一層の微調整が必要◎
一方、声の診断するために使った場合、ティーチャー側はそれぞれの声の傾向が見えやすいので声の情報を収集するのにとても良いツールです。
同じエクササイズでも、何を目的とするかで使い方が変わってくるので、ティーチングの引き出しを広げるヒントになりますね☺︎