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金子 恭平2025年8月2日 8:37 pm

【真夏の風邪予防】
 
暑さがピークに達する時期ですね。みなさん元気にお過ごしでしょうか。
熱中症対策はもちろんのこと、声帯のコンディショニングとしても、充分な水分をとりたいところです。

一方、世間では夏風邪も流行しているようです。

風邪への対策として個人的にもっともお勧めしたいのが、「鼻うがい」になります。

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▼歌声の大敵である上咽頭炎

風邪をひくと咽頭、鼻、気道などにいろいろな炎症が発声します。
どれも発声に関わる部位なので、当然声は出しづらくなってしまいます。

歌声を構成する要素は――
「声帯の閉じ加減×息の量×声道(共鳴腔)の形状」
でしたね。

同じ風邪ウィルスに感染しても、体質によって鼻炎が強く出たり、咳が止まらなくなったりします。症状には個人差があるのです。

いずれの場合でも避けられないのは、鼻と喉の中間に位置する「上咽頭」の炎症です。
そもそも、多くの感染がこの上咽頭へのウィルスの付着から起こるといわれています。 

主要な共鳴腔である上咽頭の腫れが、歌声にもたらす影響は大きいです。
声帯に異常がなくとも声が裏返ったり、ノイズが乗ったりします。

慢性上咽頭炎という疾患も近年ボイトレ界では有名になりました。
これはその名のとおり、上咽頭が慢性的に炎症を起こしている状態です。
喉のコンディションとしては、常に風邪をひいているようなもの。歌い手にとっては厄介この上ないですね。

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▼風邪や花粉、慢性上咽頭炎などに効果のある鼻うがい

鼻うがいをすることで、上咽頭を直接洗浄できます。
風邪の予防効果に期待できる上に、花粉や黄砂などへの対策としても有効です。

また、すでに風邪をひいてしまった場合でも鼻うがいが助けになります。
上咽頭に付着したウィルスを一定数洗い流すことで、炎症の回復が早まる効果が研究により確認されています。

そして、日々鼻うがいを続けることで、慢性上咽頭炎の症状も改善するといわれています。

こんなにいいことづくめなら、やらない理由がありませんね!

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▼どうやって実施する?

鼻うがいのキットは、薬局などで販売されています。
水を吸い上げ噴出するポンプ仕掛けのボトルと、ナトリウムの粉末がセットになっているものです。

個人的には「サイナスリンス」という商品を愛用しています。
※ポンプで排出する水の量が充分なため、上咽頭にしっかり届くようです。とあるYouTubeチャンネルにて、耳鼻咽喉科の先生が内視鏡で検証していました。

使用する水については、日本国内であれば基本的に水道水で問題ないといわれています。
可能であれば蒸留水などを使えばより安全でしょう。

また、専用のキットがなくても鼻うがいは可能です。
220mlの水に対して、2gの塩を混ぜてあげてください(体液の塩分濃度に近づけるため)。分量はおおよそで大丈夫です。
わたしも旅先にキットを携行し忘れたときなどは、コップと水道水と食塩で対応しています。

鼻うがいのタイミングとしては、一般的に起床時と就寝前が勧められます。
わたしは基本的には帰宅時のみおこなっています。通常の喉うがいと同じタイミングで、鼻うがいに置き換えている感じです。

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▼まとめ

今回は風邪対策のひとつとして、鼻うがいをご紹介しました。
慢性的な喉の炎症にも効果があるので、歌い手ならぜひ身につけておきたい習慣だと思います。

慣れるまでは不快感があるかもしれませんが、まずは数週間試してみてください!

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