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金子 恭平2025年7月6日 9:52 am

【意外と多い“微フリップ”】

一聴すると地声と裏声がきれいにつながっているのだけど、特定の音域で音程がシャープ(高く外れる)してしまう人たちがいます。

何が起きているのでしょう?
この場合は、声帯が地声パターンで振動すべきところで、早めに裏声パターンに切り替わってしまっているのです。
裏声そのもののクオリティは高いため、スカスカの音ではありません。
しかしこれは、厳しく判定すればフリップ(裏返り)と呼ばれる失敗にあたります。

この症状はボイトレ経験者や独習者に多い印象です。
地声の持ち上げを避けて早めにヘッドボイスにリリースできるようになった段階で、声の開発が止まってしまっているのだと思われます。

―――
対策としては、エクササイズの音域を狭めつつ、換声点付近を地声感覚で歌っていきます。疲労を招きやすいトレーニングです。
地声の弱い人がバランスのいいミックスボイスを手に入れるための訓練は、どうしても筋トレ的な要素が強くなってしまうのです。

「微フリップ」を持つ人は、高音発声に苦労していない(と感じている)ことが多いです。
発声技術を次のレベルに進めるには、失敗の自覚と、それを克服するための強い意志が必要になります。

練習段階においては、換声点を乗り越える際にこれまで以上の努力感を強いられるでしょう。
できればボイストレーナーによる負荷調整のもと、声の開発に取り組むのが望ましいです。

楽しいばかりのボイトレではありませんが、長い目で見た歌手人生がより充実するよう、がんばってまいりましょう!

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