小野貴之2025年6月25日 9:45 pm
よい音とはなんですか?
皆さんはこの質問にどのように答えますか。
チャットGPTに聞いてみるのも、思わぬヒントをもらえるかもしれません。
ここでは、僕の大切にしている好きな言葉を紹介します。
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「明るく静かに澄んで懐かしい文体、少しは甘えているようでありながら、きびしく深いものを湛えている文体、夢のように美しいが現実のようにたしかな文体」
この言葉は、原民喜の「沙漠の花」という随筆の中の文章で、『羊と鋼の森』というピアノの調律師の物語の中で著者・宮下奈都によって引用されています。この本(または映画)がとても素晴らしいのですが。
ベテランの調律師の板取が、どんな音が理想なのかと主人公に聞かれた際、これが理想の音だと述べるのです。
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ボイストレーニングを経験している人であれば、自分にとって苦手な音域を綺麗に歌うために、がむしゃらに気力体力の続く限り練習をするよりも、好きな歌手の歌声やインストラクターのデモで「よい声のイメージを掴んで」から練習する方がうまくいくと感じるのではないでしょうか。
ボイストレーニングにおいて、思い描く声のイメージというものがとても大切になることは言うまでもありません。(自分の"もっといい声"を想像できる人は上手になります)
好きな歌手の歌声も、インストラクターのデモも真似するのが難しい...と感じる場合、本や景色の中にも、ヒントはあるかもしれませんね。