金子 恭平2025年6月5日 2:54 pm
【なぜハリウッド式ボイトレは子音を使うのか?】
ボイストレーニングというと、「アーアーアー」と母音だけで歌うようなイメージをお持ちの方もいるかもしれません。
一方、Speech Level Singingに由来するハリウッド式ボイストレーニングでは、レッスンで使う発音の多くは「Mum」「Nay」「Goo」など子音込みのものです。
なぜでしょうか?
端的に言ってしまえば、子音によって難易度調整ができるからです。
その理由をご説明します。
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子音は、肺から吹き上がる空気の流れを舌や唇でせき止めたり、逆に促すことで作られます。
これがもたらす効果を、もうすこし詳しく考えてみましょう。
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まず、声そのものの原音は、声帯二枚が閉じ合わさって空気を圧縮することで生まれます。
声帯は息に対する「ひとつめのドア」というわけです。
このドア(声門)の閉じ加減を音域によって適切に調整できれば、母音だけで低音から高音まできれいに歌えます。
しかしほとんどの発声初学者は、それができずに困っています。
そこで、息をせき止めたり促したりする「ふたつめのドア(子音)」に、発声の手助けをしてもらうのです。
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よく歌詞に出てくる子音それぞれの傾向は、以下のようになります。
■息を多く流すもの:Z, F, Sh, H
■息を適度にせき止めるもの:M, N
■息を強くせき止めるもの:G, B, K, T, D, P
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以下の動画で、ゆうり先生が子音の効果についても説明してくれています。
ぜひご参照なさってください。