桜田ヒロキ2025年4月24日 7:11 pm
【声量が出ない…その原因、ちゃんと掘り下げてみませんか?】
この動画では、「声量が出ない」「地声が薄い」と感じている方に向けて、根本的な原因とトレーニング方法を紹介しています。
よくあるケースは次の2つ。
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■ ① 声門閉鎖が弱く、地声が出しづらいタイプ
声量が出ない原因としてまず考えられるのが、声門閉鎖筋群(lateral cricoarytenoid, interarytenoid など)の働きが弱いこと。これにより、発声時に声帯がしっかり閉じきらず、息漏れの多い声=弱々しい声になってしまうんです。
対処法:舌出し「あー」エクササイズ
→ 舌を前に出すことで舌根の緊張が減り、喉が開きすぎるのを防ぎつつ、声帯周辺の筋群の協調性を高めることができます。
この状態で発声すると、声帯がよりスムーズに閉じる=地声の芯が出やすくなります。
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■ ② 鼻声が強く、響きが抜けないタイプ
最近、「鼻腔共鳴が大事!」という情報が先行しすぎていて、意識しすぎて“開鼻声”=濁った鼻声になってしまう生徒さんが本当に多いです。
でも実際は、母音での鼻声は“アンチフォルマント”という現象を引き起こし、響きを打ち消してしまうので、むしろ声が抜けにくくなります。
その主な原因が、**軟口蓋(soft palate)**です。
軟口蓋がうまく上がらず、咽頭と鼻腔の間の通路(咽頭鼻腔峡)が閉じきらない状態になると、息が鼻に漏れてしまい、意図せず鼻声になります。
対処法:破裂音で軟口蓋をトレーニング
→ 「バッ」「ガッ」などの有声破裂音は、発音の際に口蓋帆(軟口蓋)を上に引き上げ、口腔内の圧をしっかり高めます。
その後の解放で「前方に抜ける」感覚が養われ、鼻声になりにくい発声パターンが身についていきます。
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■ 練習のポイント
•声門閉鎖筋群をターゲットにしたエクササイズでは、**最初は短い音(スタッカート)**で発声筋の反応を高め、慣れてきたら徐々にレガートに切り替える
•軟口蓋の挙上を意識するには、破裂音だけでなく、“くちびるを閉じてから急に開ける”ような発音も有効です(例:「ブッ」「ムッ」など)
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まずは“声帯がしっかり閉じる感覚”と“鼻に抜けない感覚”をつかむことが最優先。
その感覚が定着すれば、あとはそれを音階やフレーズの中に落とし込んでいくだけです。
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専門的な視点を持ってトレーニングに取り組むことで、
“なんとなく声が出ない” → “構造的に理解して改善できる” へとステップアップできますよ!