金子 恭平2025年4月14日 11:52 am
【リップバブルの母音はアです】
リップバブル(リップロール)と呼ばれるエクササイズをやったことはありますか?
閉じた唇をプルプルと震わせながら発声する、あれです。
ウォームアップやクールダウンに適切ですし、正しく行えば上級者でもミックスボイスの感覚をさらに研ぎ澄ますことができます。上手になればなるほど効果を実感する、非常に優秀なツールです。
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さて、このリップバブルですが、唇を閉じて歌うため、ウの母音だと勘違いしがちです。
それでは適度な地声感が保てず、エクササイズ効果が半減してしまいます。また、声門上圧が高すぎるため唇が止まってしまうことも多いです。
リップバブルの母音はUhです。日本語でいうと、オに近いアになります。
アイウエオの母音はそれぞれ個性的な周波数特性を持っています。
Uh母音は「唇の開き加減」「舌の位置」「のど仏の高さ」がそれらの母音のちょうど中間あたりになるので、音響特性がいいとこどりになります。
歌唱の際はアイウエオ全てをこのUhに寄せることで、音色が統一されますよ。
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さて、奈央子先生に正しいリップバブルのやり方を教わりましょう!
ポイントは――
1.オに近いアの母音で歌う。
2.全ての音域で母音の形をキープする。
3.舌先が下の歯の裏に軽く触れた状態で行う。
です。
ついでに言うと、唇の両端を必ず手で持ち上げながらやってあげましょう!
最少の息で声帯を震わせることを体に覚えさせるのも、リップバブルの目的の一つです。手を使わずに行うスキルは必要ありません。