金子 恭平2025年3月17日 1:53 pm
【小さな声で高音を習得!】
「自宅で声が出せないんですが、無音でできる練習はありませんか?」
ボイストレーナーをやっていると、この質問をよくされます。
答えを言ってしまうと、声を出さずに声を鍛えることは難しいです……。
ですが、小さな声を使ったエクササイズならございます。
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発声の問題の多くは、声門閉鎖の加減ができないことで起こります。人それぞれの癖によって、下記の失敗パターンに分かれます。
Pull Chest:地声の張り上げ。声帯を強く合わせすぎている。
Flip:声の裏返り。ブリッジ(換声点=地声から裏声への切り替わりが起こるエリア)で声帯を合わせておけない。
Light Chest:裏声で低中音を歌う。声帯を合わせられていない。
下記の動画で紹介しているエクササイズは、上記すべての改善に役立ちます。
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あなたが歌唱で困っていなかったとしても、「大音量じゃないと安定しない」という場合は、やはり声帯の合わせ具合の加減ができていないということになります。
得意なことから始めて徐々に苦手を克服していくのがボイトレの基本になるので、必ずしも小声練習ばかりをする必要はありません。
しかし、最小の音量でバランスの取れた発声を体験することには、大きな意味があります。
ミニマムな「息の量」と「声門閉鎖」で完璧なバランスを体感する――。
それを必要に応じて膨らませた状態が、理想の発声だと考えます。
小さな声で歌うときと、大きな声で歌うときの発声が、地続きに感じられるといいですね。
ぜひ、動画のエクササイズを試してみてください!