金子 恭平2025年2月17日 11:03 am
【ミックスボイスを作ろう!(ハイラリ編)】
ハリウッド式ボイトレでは、変な声をあえて使ってミックスボイスを疑似体験することが多いです。高音を歌う難易度が下がるからです。
そうしたエクササイズは、High Larynx系統(ハイラリンクス=喉頭が高い)とLow Larynx系統(ロウラリンクス=喉頭が低い)に分けられます。
今日は奈央子先生が、ハイラリ声を使ってミックスボイスを作る手順を教えてくれます。一緒に動画を観ていきましょう!
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まずは「Ke」と発音します。
音階で歌う前に「ケーッケッケッケ」と魔女の笑い声を真似してみましょう。
息っぽい声にならないよう注意しましょうね。
上手に喉頭を上げられると、咽頭のスペースが狭くなります。すると声の第二共鳴点と呼ばれる周波数帯が強調され、キンキンと鋭い音になります。
この共鳴状態が「楽なのに地声に聞こえる高音」の基礎になります。
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次は「Ge」で歌います。ハイラリを意識せず、普通の声で歌いましょう。
「G」の子音は「K」よりも強い声門閉鎖を促すので、喉頭が下がって緩んだ分を補ってくれます。
音階は1.5オクターブの広いものに変わっています。
発声時の筋力バランスを固定せず、スムーズに移行させてくれる音階です。
一方で、人によってはこの長距離移動が仇となり、急激に声門が開いてしまうこともあるでしょう。
声帯を縮める力(甲状披裂筋)と閉じる力(外側輪状披裂筋)の働きが弱いと、このエクササイズの時点で声はスカスカになるはずです。
その場合は一つ前の「変な声でのKe」に戻りましょう。
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最後は「Nay」で歌います。
「N」は「G」や「K」よりも声門閉鎖をサポートする力が弱いです。
またトップノートを連発する音階に変わっていることからも、徐々に難易度がアップしているのが分かりますね。
「e」と「i」の母音の間を移行するなかで、効率のいい共鳴ポイントを見つけられたら完璧です!
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奈央子先生が今回紹介してくれた手順はあくまで一例で、実際には生徒さんの個性や技術レベルに応じて段階の踏み方は変化するでしょう。
しかし、ハイラリ声を使ってミックスボイスの感覚に触れるというアイデアは、多くの人が活用できるはずです。ぜひ試してみてください!