加藤真太郎2025年2月5日 7:15 pm
低音→高音に入っていくときに、低音で使っているチェストボイス(地声)をそのまま持ち上げて高音を歌おうとする方は多いかなと思います。特に1st Bridgeと呼ばれる中高音域のエリア(男性だと高いミ〜ソ、女性であれば高いラ〜ド)であればそれは顕著です。
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このレッスンでは、tuki.さんの晩餐歌をスタッフくんの声の良さが出るようにキーを5つ下げて歌っています。Beforeでは、「最高のフルコース」というフレーズをチェストボイスを持ち上げるように歌っています。キーを下げたことにより、このフレーズの音程がちょうど男性の1st Bridgeのところに差し掛かってくるので、こういう歌い方になりやすいんですね。
このフレーズをtuki.さん本人のように途中でチェストボイス→ファルセットに切り替えて歌いたいということで、ゆうり先生はFO(フォ)という言葉でエクササイズを行っています。Fの子音をくっつけてあげることで声帯間の息の量を増やし、うまく声の力が抜けるように誘導してあげます。
このエクササイズのポイントはバランス良くつながった声で歌うのではなく、逆に低音と高音で差をつけて歌うことにあリます。
上がってくる途中の音を地声で強く歌うことで、あえて上で急に裏声にひっくり返ったように聞かせます。tuki.さんの歌い方を再現するために、普段のレッスンとは少し違ったディレクションをしているのだと思います。
Beforeでは力強いエモーショナルな歌唱、Afterではアーティスト本人のような柔らかく切なさを感じる歌唱。どちらが正解ということはなく、どちらにも良さがあり自分はどう歌いたいのかを考えることが大切なのかなと感じます。