桜田ヒロキ2026年6月17日 10:17 am
身体は左右対称ではありません。
でも、声帯は左右対称に近く動いてほしい。
人間の身体は、構造的に完全な左右対称ではありません。
例えば、
・臓器の配置
・筋肉の使い方
・利き手、利き足
・姿勢の癖
・過去のケガ
・日常の動作習慣
こうしたものによって、身体には必ず左右差があります。
それでも身体は、左右差を抱えたまま動いています。
歩く。
走る。
話す。
歌う。
こうした動作では、神経系が筋肉の出力やタイミングを細かく調整しながら、できるだけ安定した運動を作っています。
つまり、左右差があること自体は異常ではありません。
問題は、その左右差をうまく調整できているかどうかです。
ここからが声の話です。
声帯も、身体の一部なので、完全に左右対称とは限りません。
左右の声帯には、
・質量差
・張力差
・粘膜波の差
・筋活動の差
・閉鎖タイミングの差
が起こりえます。
ただし、声帯振動は非常に繊細です。
特に歌唱では、ピッチ、音色、音量、ビブラート、声区移行などをかなり細かくコントロールする必要があります。
先に述べたように身体全体は完全な左右対称ではありません。
でも、歌唱のように、ギリギリまで声をコントロールする芸術表現では、声帯はできるだけ左右対称に近い状態で、協調して振動してほしい。
なぜなら、左右の声帯の動きに大きなズレが出ると、振動の周期性が乱れやすくなるからです。
その結果、
・声が出しにくい
・ざらつく
・かすれる
・ノイズ感が出る
・疲れやすい
・音程が安定しにくい
といった感覚につながる可能性があります。
大切なのは、完全な左右対称を目指すことではありません。
目指すべきなのは、左右差がありながらも、声帯が協調して振動できる状態です。
つまり、
身体は左右非対称。
でも声帯振動は、左右対称に近い協調性が必要。
この理解が大切です。