桜田ヒロキ2026年6月1日 9:53 am
声の緊張は、“緩めるだけ”では解決しないことがあります。
話し声でも歌い声でも、声が緊張してしまう場合、まずは緊張を緩和させるエクササイズを選びます。
例えば、
・声を軽くする
・喉への圧迫感を減らす
・息の流れを作る
・声帯閉鎖を少し穏やかにする
・音量を一度下げる
まずは、「喉が少し楽になる感覚」を作ります。
ただし、面白いのはここです。
緊張を緩めたあと、そのまま緩和系の練習だけを続けるのではなく、あえて緊張を招きやすい課題を入れることがあります。
例えば、
・少し大きめの声
・地声感のある声
・強めの子音
・強めの声帯閉鎖
・高めの音
・本人が緊張しやすいフレーズ
これは、緊張を悪者として完全に避けるためではありません。
必要な筋活動を、もう一度呼び戻すためです。
緩和させる
↓
緊張を招く
↓
もう一度緩和する
↓
もう一度少し負荷をかける
このように2往復くらいすると、不思議と良いポイントが見つかることがあります。
例えば、
・ボリュームは出ているのに、喉が軽い
・声は鳴っているのに、押していない
・力は入っているのに、固まっていない
こういう状態です。
これが、いわば声のスイートスポットです。
緊張で悩む人ほど、「とにかく力を抜こう」と考えがちです。
でも、緊張緩和ばかりを狙いすぎると、本来必要な筋肉の働きまで弱くしてしまうことがあります。
その結果、
・使うべき筋肉が働かない
・別の周辺筋が代わりに頑張る
・声が不安定になる
・喉の別の場所が緊張する
ということが起こる場合があります。
これが、いわゆる代償発声につながることがあります。
声は、完全に脱力すれば良いわけではありません。
必要なのは、
・使うべき筋肉は働く
・でも固まらない
・声は鳴る
・でも押さない
・ボリュームは出る
・でも喉は重くならない
という状態です。
だからトレーニングでは、緊張を緩める練習だけではなく、あえて少し緊張を招く練習も使いながら、身体にちょうど良いポイントを探させることがあります。
声の緊張は、ただ消すものではなく、調整していくものです。