金子 恭平2026年2月9日 7:12 am
寒さが身に染みる季節ですが、みなさん健康にお過ごしでしょうか?
歌いづらいと感じてはいませんか?
もしそうだとしたら、それは気のせいではありません。
冬の冷たく乾燥した空気は、声帯の粘性(ねばり)を増大させ、自由な発声を妨げるのです。
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▼固まる潤滑油
声帯を保護する粘液は、寒さに触れると粘性が増します。
サラサラだった潤滑油がネバネバになってしまうイメージです。
この変化により、声帯を振動させるのに必要な呼気圧の閾値(Phonation Threshold Pressure)が上がってしまいます。
ある音程を歌うのに、いつもより息の量と力が必要になるのです。
こうなると、繊細な表現は難しくなります。
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▼数値で見える「声の不安定さ」
声帯振動効率の低下は、以下の2つの指標の悪化として観測されます。
ジッター(Jitter):
声帯が閉じるたびに音程が乱れる現象です。この値が上がると、いつもどおりに歌っても狙った音に当たりません。
シマー(Shimmer):
声帯が閉じる強さが不規則になる現象です。この値が上がると、ガサガサとした雑音混じりの声になります。
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▼結局加湿が大事
こうした現象から喉を守るには、やはり加湿しかありません。
1日多めに水を飲んだくらいでは、声帯全体は潤わないといわれています。
歌い手のみなさんは、日ごろから多めの水分摂取を心がけましょうね。
お部屋の湿度は40~60%に保ちたいところです。
それでも寒い時期の喉の不調が絶えない方は、吸入器や濡れマスクの導入も検討してみてください。
吸入器などの蒸気はダイレクトに声帯表面の粘性を下げてくれます。