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金子 恭平2025年11月17日 11:58 am

【喉と舌を分離しよう!】

中高音発声、特に地声ミックスでの発声には力みが生じがちです。
そしてその多くが、舌の不自由さに起因しています。

典型的なのは以下のような流れです。

「喉頭(喉仏)の極端な上昇は叫び声を招くと知って、喉を下げて歌う」

「舌を押し下げる動きと喉頭を下げる動きを混同してしまい、かえって強い力みが生じる」

「アウトプットされた声は、喉に何かが詰まったような音色」

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▼あくび声のGeeを使おう

ふかーいあくびをするような調子で、Gee(ギ―)と発音してみましょう。
『くまのプーさん』に登場するイーヨーのような声です。

唇を突き出すようにすると、適切な母音を作りやすくなりますよ。
舌の先が、下の歯の裏あたりに軽く触れるようにしてください。

喉仏を触って確認できる方は、手で触れてみてください。
普段の位置よりも下に落ちているはずです。

その声で1.5オクターブスケールなどを使って練習します。
高い音に向かいつつも、喉頭がつられて上がらないようにしましょう。

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▼なぜGeeなのか

実はあくび声での練習は、Goo(グー)などのu母音のほうが簡単です。
しかしi母音でおこなうことに意味があります。

u母音はBack Vowelといって、舌が口内の後方に位置する母音です。
喉頭を下げる動きとはもともと相性がいいのです。

一方でi母音はFront Vowelといって、舌が前方に位置します。
Geeという発音を保ったまま深い声を出すには、舌と喉頭の分離を求められます。

この練習で出す声をそのまま歌唱で使うわけではありませんが、舌が独立して働く状態を体験することが大切です。
ある条件で体験できたことは、次第にほかの条件でも再現できるようになるからです。

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▼舌はなるべく前に置きたい

歌唱の際に、舌が後方に引っ込みすぎると声がこもります。
声道内で反射するエネルギーが減るので中高音を扱うのは簡単なのですが、行きすぎると好ましくない音色になってしまいます。

歌うときは、声の深さを保ちつつなるべく舌を前に置いておくのが理想とされています。

効率よく美しい発声の獲得には、歌のための「あいうえお」を習得する必要があります。
下顎は喋るときと比べて落ちていて、舌先は常に下の歯の裏側に触れている状態です。
スピーキングの母音とはかけ離れているので、はじめは違和感を覚える方も多いです。

あくび声のGeeを使って、まずはその一端を体験してみましょう!

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