皆さん、こんにちは!VTボイストレーナーの三浦優子です。
本日はダンサーさんにありがちな発声の傾向についてお話ししたいと思います。
最近はダンサーさんでも視野を広げてミュージカルなどにも出演したいとレッスンに来てくださる方も多くいます。
もしくは既にミュージカルに関わっているけど歌が苦手だったりいまいち発声がわからないから克服したいと来て下さる方もいらっしゃいます。
皆さん姿勢もいいですし、普段から活発に体を動かしているからなのか、パワーを感じます。
ですが、いざ発声してもらうと、感じたパワーとは対照的で、息っぽい声であったり苦しそうに声を出している方が結構多くいらっしゃいます。
だいたいそういう方のお腹を見てみると、息継ぎのたびにお腹に力を入れようとしています。
実際、腹式呼吸しようとしたり、お腹から声出そうとしてない?と聞くと「はい」と答えます。
声を作るのには呼吸・声帯・共鳴腔の3つが必要です。
お腹から声を出そうと腹圧をかけると息の量は増えるので、息っぽい声にしたくないのであれば、その分声門閉鎖を強める必要があります。
訓練できていればある程度対応することもできると思いますが、充分な訓練ができていなかったりコントロールできていないと無理やり声門閉鎖を強めることになり過緊張を引き起こします。
このことについては桜田インストラクターが詳しく解説しているのでこちらをご覧くださいね。「歌唱に最適な呼吸法とは?」https://www.vocallesson.info/breathingtechnique/
外から見える大きい筋肉の視点から考えると、腹筋に力を入れることによって隣接している胸や首の方の筋肉まで連動して力んでしまい、本来なら発声時に使わなくてもいい筋肉まで力が入ってしまい効率の悪い発声になってしまいます。
声というのは放出されるものですよね。
腹筋に力を入れるということは、筋肉を収縮させているので、放出されているものに対して反対の力を与えていることになります。
特にダンサーさんの場合は日頃から自分の身体と向き合っているので、良くも悪くも身体を効かせることができます。
なので、
お腹から声を出そうとする→腹筋に力が入る・息の量が増える→胸や首まで力が入る・息の量に対応するために声門閉鎖を強める→声が出づらいので出そうとして身体の内側からも外側からも「力む」というアプローチをする→どんどん力が入り苦しくなる!
ということが起きてしまいます。
ダンスの方が運動量が多いはずなのに歌の練習をしている時の方が身体に力が入って疲れてしまうなんて経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
踊った後に発声練習をすると声が出しやすいと感じている方もいらっしゃるかと思います。
ダンスのレッスンでウォームアップなどをして、ちゃんと身体を作ったあとなので、筋肉も良い状態のままいらない力を入れずに声を出せているからです。
このように身体に余計な力が入ったり硬らせてしまう方にはそれを阻止するようなストレッチやエクササイズをしながら発声練習をしてもらうことがあります。
今回はいつもお世話になっているパーソナルトレーナーから教えていただいたエクササイズをもとに、私が実際にレッスンで取り入れている「ランジ」をご紹介します。
足を前後に大きく開き、手は背骨に添えて前の足を曲げてランジのポーズを作ります。
人によってランジでスクワットをしたり、小刻みに動いたり、上半身の伸びもしながらだったり、ツイストしたり、その方によってより良い声が出るランジをしてもらっています。
また前に出す足が右か左かで違ってくる場合もあります。
これは下半身を安定させようとすることで上半身への余計な力みがなくなったり、腸腰筋を使うことで隣接してる横隔膜の働きにも刺激を与える狙いがあります。
これは身体が硬っている方だけでなく、息っぽい声になりやすいタイプの方にも有効なので心当たりのある方はぜひお試しくださいね!
力まず声が出るという感覚がわかってきたら、だんだんと普段の歌う姿勢に戻していってくださいね。
ダンサーさんだけでなく、発声時に身体を力んでいると感じる方や発声に伸び悩んでいる方もぜひ一度お試しください。